イベリス
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第九十三話 お弁当を食べてからその十五
「ああして元気でね」
「身体とかは何処も問題なさそうで」
「それでよ」
「働かないで暮らしていて」
「デモばかりしてるとね」
それならというのだ。
「おかしいってね」
「思うことね」
「ええ、それでそうした人達が皇室とか自衛隊は反対で」
それでというのだ。
「北朝鮮の将軍様やあそこの軍隊はいいって言うから」
「おかしいのね」
「そうよ、矛盾どころじゃないから」
そのおかしなところはというのだ。
「お母さんもお父さんもね」
「間違ってるって思ったのね」
「確信したのよ、あんたも聞いて思うでしょ」
「というか皇室の何処が駄目なの?」
咲はこの時点から言った。
「一体」
「あんたはそこからなのね」
「ええ、日本に皇室があってね」
「何が悪いかよね」
「何も悪いことはないっていうか」
それこそというのだ。
「日本の為に働いてくれる方々でしょ」
「国の象徴まあ国家元首ね」
「その方々が何で悪いのよ」
こう母に言うのだった。
「一体、それであの将軍様はね」
「碌でもないわね」
「そうでしょ、自衛隊と北朝鮮の軍隊なんてね」
「全く違うわね」
「何処がいいのか」
北朝鮮の軍隊もというのだ。
「私全くよ」
「わからないわね」
「ええ、矛盾どころじゃないでしょ」
「そう思うあんたはまともよ」
「そうなのね」
「少なくともお母さんが今言った人達よりね」
遥かにという口調であった。
「これは常識と言っていいしこの常識をね」
「これからもなのね」
「持っていてね」
「そうするわね、しかしお弁当のことから」
「大きなお話になったかしらね」
「ええ、北朝鮮なんて」
それこそと言うのだった。
「無茶苦茶な国って子供でもわかるわよ」
「その子供でもわかることがわからない人がいてよ」
「お金の出所がわからない人もいる」
「そのことをね」
まさにというのだ。
「よく覚えておいてね」
「ええ、そうしておくわね」
咲は母に真顔で頷いて応えた、そうしてだった。
この日は夏休みの宿題をやってからまた予習と復習をしてシャワーも浴びて夕食も食べた。咲にとっては普通の夏休みの日常の日々であった。
第九十三話 完
2023・1・1
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