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星河の覇皇

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第八十三部第四章 戦線崩壊その二十二

「だが今は敵軍でも後に自分達の戦力にするならだ」
「それならですね」
「その場合はですね」
「戦争で損害を与えても」
「それがあまりにも多くなってはならない」
「そういうことですね」
「そうだ、戦術的にも下手でだ」
 そしてというのだ。
「政治的にもだ」
「下手ですね」
「それは」
「だからすべきでないですね」
「今の様な状況では」
「ここでは勝利を決定的なものにすることだ」
 戦争のそれをというのだ。
「そこまで敵軍も叩くにしてもだ」
「殲滅まではですね」
「そこまではしない」
「だからこそ総攻撃は仕掛けても」
「殲滅は狙わないですか」
「そこまではしない、その考えで総攻撃を仕掛けるのだ」
 こう言ってだった、アッディーンは遂に通常艦艇で編成されている主力艦隊を前に出した。そうしてだった。
 オムダーマン軍は自軍の謎の魚雷攻撃によって損害を出しかつ精神的にも追い詰められていたティムール軍に向かって一斉に突撃をはじめた、どの艦内でも叫び声が上がっていた。
 その叫び声と共にだった、それぞれの艦種で構成されている分艦隊がだった。
 攻撃を開始した、まずは長射程の砲艦やミサイル艦が攻撃を放った。砲艦の強力なビーム砲やミサイル艦の巨大なミサイルな次々と放たれ。
 ティムール軍の陣地を粉砕している、ティムール軍の陣地からも反撃が行われるが謎の魚雷攻撃によってだった。
 反撃はかなり弱くなっていた、今はオムダーマン軍にいて上級大将となっているダビデブが言ってきた。
「怯むことはない」
「今のティムール軍の攻撃は」
「コロニーレーザーや要塞から次々に来ていますが」
「それでもですね」
「その反撃は既にだ」
 今のティムール軍のそれはとだ、ダビデブは自身の乗艦である戦艦ジャアファルの艦橋の中から言った。
「五十パーセント以下になっている」
「それならですね」
「恐れることはない」
「左様ですね」
「我々は」
「そうだ、その程度の攻撃は恐れずにだ」
 そのうえでというのだ。
「前に進んでだ」
「そうしてですね」
「そのうえで、ですね」
「我々は前に進み」
「逆に敵のコロニーレーザーや移動要塞を叩く」
「そうしていきますね」
「そうする、敵の攻撃は散陣を敷き」
 各艦の距離を分ける、そうしてというのだ。 
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