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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜

作者:カエサル
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ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
  16.再会

 
前書き
第16話投稿!!!


再会する2人の剣士!!
 

 


「次は、どっちだ!」

少年は、少し笑みを浮かべるともう一人のサラマンダーを見る。

そして、少年が一歩足を出した。次の瞬間、刹那の如き少年は、サラマンダーに接近し、斬り上げでサラマンダーを斬り、一瞬のうちに赤い炎が噴き上げ、二人目が消滅する。

「どうする、あんたも戦う?」

少年は、あと一人残っているサラマンダーに話しかける。

「やめとくよ。もうすぐで魔法スキルが900なんだ。デスペナが惜しい」

サラマンダーは、攻撃の意志がないようだ。

「正直な人だな。そちらのお姉さんは?」

「あたしもいいわ。今度はキッチリ勝つわよ」

サラマンダーに向け、言う。

「君ともたいまんやるのは遠慮したいな」

そう言って、サラマンダーは空へと飛び去って行った。

「ねぇ?この炎って?」

「しっ!リメインライト、まだ連中の意識はそこにあるわ」

二つの炎が徐々に消えていく。そして完全に消える。

「で、あたしはどうすればいいのかしら?お礼を言えばいいの?逃げればいいの?それとも......」

黒衣の少年に向かい剣を構える。

「それとも戦う」

少年は剣を背中に戻す。

「戦う気なんてねぇよ。まぁ、何かしてくれるっていうなら.........そうだな。キス......とか?」

「なっ!ば、バッカじゃないの!!そんなことする気ならここで斬るわよ!!」

再び剣を構える。

「冗談冗談、落ち着けって。場を和ませようと冗談を」

少年は、両手を前に出し笑って後ろに少し下がる。

「まぁ、冗談ならいいけど。それはそうと何で《インプ》がこんなところをウロウロしてるのよ」

「み、道に迷って........」

思わず笑ってしまった。

「道に迷ったって、方向音痴にも程があるよー。君変すぎ!」

長剣を腰の鞘に収める。

「まぁ、ともかくお礼を言うわ。助けてくれてありがとう。あたしはリーファっていうの」

「俺はシュウ、よろしくな」

何でだろう。この人ともう少し話をしたいと感じてしまう。

「ねぇ、シュウ君、このあとどうするの?......よかったら......その、お礼に一杯おごるわ。どう?」

「それは、嬉しいな。実はこの世界のことを教えてくれる人を探してたんだよ。特にデケェあれのことをね」

シュウくんは、世界樹の方を見る。

「あの木?世界樹?........いいよ。あたしこう見えても結構古参なのよ。........じゃあ、ちょっと遠いけど北の方に中立の村があるから、そこまで飛びましょう」

「他には、村とかないのか?........俺飛ぶの苦手だから」

「近くにシルフ領の《スイルベーン》って街があるけど、圏内じゃ君はシルフを攻撃できないけど、逆はあるんだよ。だから危険だよ」

「別にいいよ。みんながみんな襲ってくるわけじゃないんだから。それにリーファさんもいるし」

(ここまでくると少し呆れてくるわね)

「.........リーファでいいわよ。そういうならあたしは構わないけど命の保証まではできないわよ。じゃあ、飛ぼっか」

背中にライトグリーンの翅を出現させる。

「俺、一応飛べるけどコントロールが出来なくて.........」

「とりあえず、翅を出してみて」

「了解」

シュウくんの背中にインプの象徴の漆黒の翅が姿を現す。

「とりあえず飛んでみよっか」

「う、うん」

シュウくんの翅が小刻みに動いたと思うと急にシュウくんが上空へ姿を消す。

「シュウくん!!!」

慌てて上に上がるとシュウくんは空中で変なダンスのように空中を舞っていた。

「リーファ、止めてくれ〜!!」

「あはははははは。ゴメン、シュウくん、おもしろくて」

少しの時間が経つとシュウくんは自由自在に翅で空を飛べるようになっていった。

「これはいいな」

「そうでしょう。君もなかなか筋がいいね。それじゃあ、ついてきて」

シルフ領にあたしとシュウくんは、空を飛び向かう。

「最初はゆっくりでいいよ」

「もっとスピード出してもいいぜ」

強気のシュウくんの顔に私はスピードをあげる。

(ちょっとやりすぎたかも)

シュウくんを確認するために後ろを振り返る。
すると..........

「えっ!!!」

「これが最速?」

調子に乗ったような余裕の顔でシュウくんはついてきている。

「どうなっても知らないわよ」

あたしの出せる最高速を出す。
でも、シュウくんは少しキツそうな顔をするがしっかりとついてくる。

「このスピードに耐えられたの君が初めてかも」

すると、向こうの方に緑色に光る街.......シルフ領・スイルベーンが見えてくる。




シルフ領・スイルベーンが見えてくる。スイルベーンの上空へ差し掛かる。街は全体的に緑色に輝いており、五本の大きな塔が目を引く。地上にはシルフたちが結構いる。

「ついたな」

「真ん中の塔の根元に着陸するわよ。って、シュウくん。君、ランディングのやり方わかる」

慌てた口調でリーファが言う。

「.........解りません」

「えーと.........ゴメン、もう遅いや。幸運を祈るよ」

リーファが急減速に入る。

「ふ...........ふざけるなああぁぁぁーーー」

正面の塔に正面から激突!!!




「ひ、ひどいよ、リーファ......」

床に倒れこむ俺にリーファは両手を合わせ座り込んで謝る。

「まぁまぁ、ヒールしたあげるから」

リーファは右手を俺の方に向けてかざすと回復の呪文(スペル)を唱えた。俺の周りを青白い光が包み込み、左上に映るHPバーが回復する。

「すごい、これが魔法ってやつか」

「高位の治癒魔法はウンディーネじゃないと使えないんだけど必須スペルだから君も覚えた方がいいよ」

「種族によって補正があるのか?」

床から起き上がりあたりを今一度見渡す。

「ここがシルフの街か。きれいなとこだな」

「でしょ」

リーファが自慢げにいうと、後方から少し高めの少年の声がする。

「リーファちゃーん、無事だったのー!!」

手を振りながら、緑色の髪の少年がこちらによってくる。

「あ、レコン」

「はぁはぁ、さすがリーファちゃんってインプ!?」

レコンが俺を警戒し、武器に手をかけたその時、上空から黒い影が降ってくる。

「ど、退いてぇぇ!!!」

上空から落ちてきた黒い影は、俺に激突!!!

「いてててて、何だよ」

俺の上には、黒い服につんつんの黒髪、背中には背負われた片手剣とクリアグレーの翅が。

「すまない........大丈夫か?」

少年は、起き上がり俺の上から退く。

「大丈夫、シュウくん?」

「あぁ、なんとかな」

「..........シュウ?」

黒髪の少年は立ち上がると俺の方を見て驚いたような顔をする。俺も降ってきた黒髪の少年の顔を今一度見る。

やはり、見たことはない。だが、感じたことはある雰囲気だった。どこかあいつに似ている。いや似てるんじゃない。
この雰囲気は.........。

「........キリト.........なのか?」

「やっぱり、シュウか!!?」

黒髪の少年.......キリトが俺に拳を突き出す。それに答えるように俺は、拳を合わせる。

「あの〜、お二人さんは、知り合いなの?」

リーファが不思議そうな俺とキリトを見る。

「まぁ、そうだな。紹介するよ前のゲームで俺の相棒だったプレイヤーのキリトだ」

軽く頭を下げる。

「こっちは、さっき知り合ったリーファだ」

「よろしく」

リーファも少し頭を下げる。

「リーファちゃん.......僕のこと忘れてない?」

小さな声でレコンが声をだす。

「ゴメン。こいつはレコン、あたしのフレなんだ」

「俺はシュウだ。よろしく」

「ああ、どうもどうも」

レコンに手を差し伸べるとその手握り握手をする。

「いやいやいや、そうじゃなくて大丈夫なの?スパイとかじゃないの」

再びレコンは腰の武器に手をかける。

「平気平気、スパイにしてはちょっと天然ボケ入りすぎてるし」

「ひどいな」

「シグルドたちはいつもの酒場で席とってるよ」

「あっ!そっか。うーん........あたし今日はいいや」

「え!来ないの?」

「うん、お礼にシュウくんに一杯おごる約束してるんだ。じゃあお疲れ」

リーファが俺の手をとり、レコンの横を通りすぎてく。

「キリトも来いよ」

キリトも同行することとなった。




どこかの店に着くと俺たちは注文し、ものがくるまでキリトと俺の関係を話す。まぁ、SAOのことについての話は話さなかったけどな。

話しているとキリトの胸ポケットから小さな妖精が姿を現す。

「キリトくん、その子ってプライベートピクシーってやつ?」

「まぁ、そんなところだな......」

少し慌てた口調で言うキリト。
多分、俺の《月音の槍》同様にSAO関係のアイテムだと思う。

そういえば前にキリトとアスナが森で倒れていた女の子を助けたとか言ってたような.......まぁ、詳しくはあとでキリトに聞けばいっか。

妖精の名前はユイ。

「そういえば、さっきの子ってリーファの彼氏?」

「恋人さんなんですか?」

「はぁあ!ち、違うわよ!ただのパーティーメンバーよ!!」

リーファが少し顔を赤らめ否定する。

「それにしちゃあ、ずいぶん仲はよさそうだったな」

「リアルでも、知り合いっていうか、学校の同級生なの。でもそれだけよ」

「「ふーん」」

リーファが咳払いする。

「それじゃあ、改めて助けてくれてありがとう」

俺とリーファがグラスを合わせる。

「あと、俺たちの再開に」

俺とキリトもグラスを合わせる。

「なんか、変な連中だったけど、ああいう集団PKって結構あるのか?」

「元々サラマンダーとシルフは仲悪いんだけどね。でも、ああいう組織的なPKが出るようになったのは最近だよ。きっと近いうちに世界樹攻略を狙ってるんじゃないかな?」

「その世界樹について教えてほしいんだ」

俺よりも先にキリトが世界樹の単語に食いついた。

「キリトくんも世界樹について知りたいの?シュウくんもキリトくんも何で?」

俺が回答に困っているとキリトはどストレートに答える。

「世界樹の上に行きたいんだよ」

「それは多分、全プレーヤーが思ってるよ。っていうか、それがALOのグランドクエストだから」

「というと」

「滞空時間制限があるのは知ってるでしょ。どんな種族でも連続して飛べるのは、十分が限界なの。でも、世界樹の上にある空中都市に最初に到達して妖精王オベイロンに謁見した種族は全員《アルフ》っていう高位種族に生まれ変われる。そうなればいつまでも自由に飛ぶことができる」

「なるほどな」

頼んだデザートを食べながら聞く。

「確かにそれはいいな」

「で、世界樹の上に行く方法ってのは?」

「根元が大きなドームになっていてそこから空中都市に行けるんだけどドームを守ってるNPCガーディアン軍団がすごい強さなのよ」

「「そんなに」」

「オープンしてから一年経つのにクリア出来ないクエストなんてありだと思う」

「何かキークエストを見落としている。もしくは単一種族だけじゃ絶対に攻略できない」

「ヘェ〜、いい感してるじゃない。クエスト見落としの方は、今躍起になって検証してるけどね。でも、後者だとすると絶対に無理ね」

「無理......?」

「なんでだよ?」

「だって矛盾してるもの最初に到達した種族しかクリア出来ないクエストを他の種族と協力して攻略しようなんて」

「........じゃあ、事実上世界樹を登るのは不可能ってことか」

キリトが暗い表情を浮かべる。

「......あたしはそう思う。でも、諦めきれないよね、一旦飛ぶことの楽しさを知っちゃうと......。たとえ何年かかっても」

「それじゃあ、遅すぎるんだ!」

大きな声を出し机を叩くキリト。俺とリーファは一斉にキリトに視線を向ける。

「.......パパ」

ユイがキリトの肩に止まる。

「ゴメン......。でも、どうしても俺、世界樹の上に向かわないと行けないんだ」

「なんで、そこまで.......」

リーファもキリトの世界樹に登りたいという理由が普通のプレイヤーと違うと察したのか少し声のトーンが落ちる。

「.......人を探してるんだ」

「どういうこと?」

「簡単には説明できない」

キリトの暗い眼を見てリーファが何かを感じる。

「ありがとうリーファ、いろいろと教えてくれてありがとう」

「俺たちは行くよ」

俺とキリトは立ち上がる。するとリーファが俺とキリトの腕を掴む。

「待ってよ。世界樹に行く気なの?」

「あぁ、この眼で確かめないと」

キリトは、リーファの腕を払い店を出ようとする。

(キリトはまた、一人で全部背負い込む気かよ)

「無茶だよ......そんなの、ものすごく遠いし、強いモンスターもいっぱい出るし.......」

それでもキリトは足を止めない。

「.........今度こそ、お前の背中守らせろよな.......キリト」

俺もキリトの元へ向かおうとするとリーファが.......

「じゃあ、あたしが連れってたげる!」

キリトが歩みを止め、振り返る。

「いや、でも会ったばかりの人にそこまで頼むわけには.....」

「世界樹までの道のりは知ってるの!」

リーファは、俺の腕を掴んだままキリトに歩み寄る。

「ガーディアンはどうするのよ!」

「まぁ、なんとかするよ」

「いいの!!もう決めたの!!」

「あ......あ、わかったよ」

半ば強引にリーファは約束を交わした。このぐらいしないとキリトはリーファを連れていかないと思うけどな。

「あの.......明日もイン出来る?」

「まぁ......」

「シュウくんも出来る?」

「ああ」

「なら、午後三時にここでね。あたしもうオチなきゃいけないから。あぁ、ログアウトには上の宿屋を使ってね。じゃあ、また明日......」

「あっ、待って!」

キリトがリーファのログアウトを止める。

「ありがとう」

リーファは、少し笑顔になり消えた。

「キリト........絶対にアスナ助けるぞ」

「元からそのつもりだ」

再び俺とキリトは拳を合わせる。 
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