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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百五十三話 『来たるべき日』その2

第二百五十三話 『来たるべき日』その2
断罪王現象。それは、ある日突然、普通の社会人が社会不適合者になってしまう現象である。
この現象により社会不適合者になってしまった人々を国は『断罪者』と名付けた。

石間コウイチの無力化を確信したカエデはかつて自分が率いていた戦闘集団『孤影』の再結成を宣言すると同時に『オペレーション・ユートピア』を発動。
カエデの傀儡と化した信者たちと生徒達によって、日本各地のリンクセンターとリンクマスター協会は占拠、掌握されてしまった。
こうして日本国内のリンクマスター運営は実質、停滞状態になる。
孤影はその後、武力によって日本の心臓である国会政議事堂を占拠。
これにより、国民の血税を搾取する寄生虫のごとき、国のリーダーと、それに従う金魚のフンのごとき国を管理する一部特権階級のゴミども約700人が殺害された。
桜原カエデと、その『生徒』達が持つ人知を超えた狂撃波動の力の前では、もはや銃火器など敵ではなかった。
この国はかつてカエデが率いる『孤影』が救済する前の秩序と平和を失った国に戻ってしまったのだ。
そして、現在、皮肉にも、その惨状を作り出したのもまた、カエデが率いる新たな『孤影』だったのだ。
国の心臓を『孤影』に支配され、完全に指揮系統を失った警察や自衛隊は、この現状を静観することしかできない。
それはすなわち、最悪の場合、この国を影から支配している米軍の日本への軍事介入を意味していた。
米軍が『孤影』鎮圧のために、日本に軍事介入を開始すれば、日本は戦場となり、なんの罪も力もない国民がその戦火の犠牲になるのだ。
こうして、日本は一夜にして桜原カエデ率いる『孤影』によって支配されてしまった。
国会政議事堂では、カエデの生徒と信者たちが、殺害した約700人のゴミども死体の片付けをしていた。
死体の腐臭が漂う中、カエデはのんきにチキン南蛮を食べていた。
「シャバの飯がうまいってのは、どうやら本当みたいね?」
カエデはハンカチで鼻を抑えている竹田マサタカに話しかける。
「この匂いの中で、よく食べられますね...」
「ええ...私は幼いころから戦場にいたからね...そういえば、あなた達はこういう血生臭い場を経験するのは初めてだったわね...」
「はい、しかし、これも先生が作り上げるユートピアに必要な犠牲です...新世界に古き者は必要ありません...」
チキン南蛮を食べるカエデの箸の動きが止まる。
「先生、どうかいたしましたか?」
「妙な気配を感じるわね...」
「妙な気配?石間コウイチは林マスニの狂撃毒波動で瀕死状態のはずです、仮に意識を取り戻しても、戦力にはなりますまい...」
「コウイチじゃないわ...もっと厄介な奴よ...今更なにをしに来たっていうの?」
カエデの予感通り、この国にある男が足を踏み入れたのは事実である。
そう、この物語の始まりを意味する男、カエデとコウイチに狂撃波動の力を授けた男、『断罪王』が。
「竹田君、いますぐ、コウイチが入院している病院に林マスニを向かわせなさい」
「それは、いったい、どういうことですか?石間コウイチはすでに...」
「あの男を...今のコウイチに会わせるわけにはいかないわ...」
石間コウイチと奈良見ルナが入院している病院に黒いローブをまとった一人の男が入ってきた。
男は診察の順番待ちの用紙の名前の欄にこう記した↓。
『断罪王』
断罪王はそのまま、石間コウイチが眠っている集中治療室に向かって歩き出す。
集中治療室に突然、現れた黒いローブを身にまとった怪しげな男に、医療スタッフと、コウイチを見守っていた奈良見ルナが驚愕の声を上げる。
「あ、あんた誰?」
「石間コウイチに以前、聞いているはずだ、コウイチとカエデに狂撃波動の力を授けた男
のことを...」
「もしかして...断罪王...‼」
「その通りだ、とりあえず、君以外の方々には、すこし眠っていてもらおう」
断罪王が指パッチンをすると、奈良見ルナ以外の医療スタッフが一斉に気絶する。
「どうして、私だけ気絶させなかったんですか...?」
「君が俺のことを知っているということは、石間コウイチが俺のことを君に話したということだ、つまり君は石間コウイチが信頼している人物...そうだろう?」
「でも、私はあの日、酔いつぶれて、全然、石間さんの役に立てなかった...」
「過ぎたことを気にしても仕方がない、石間コウイチは、俺が蘇生させる...」
次の瞬間、集中治療室全体に林マスニの狂撃毒波動↓がばら巻かれる。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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しかし、断罪王が手のひらから出した狂撃波動↓によって、狂撃毒波動は一瞬で消滅する。
『鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤鬤
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「そんな...私の狂撃毒波動が...」
「カエデに力を与えたのは、この俺だ。そのカエデからもらった力を使う君たちが、俺に勝てると思っているのかい?」
「き、貴様、やはり、先生の言っていた断罪王か!監視者のくせに今更、何をしに来たんだ!」
「俺は君が崇拝しているカエデやコウイチより、上位の存在だ。俺はゲームをもっと面白くしにきただけだよ...それとも、まだ俺と戦うかい?」
「石間コウイチを蘇生させにきたのか...?」
「ああ、ゲームマスターには、その名の通り、ゲームを面白くする権利がある。復活した石間コウイチが、この国の支配者と化したカエデとどんな戦いを繰り広げるのか、俺はそれが見たいだけなんだ...」
戦っても勝目がないことを思い知った林マスニ、しかし、林マスニに撤退の二文字は許されていない。
断罪王が林マスニにとどめをさそうとする。
任務に失敗し、カエデに失望されれば、それはすなわちカエデに人質に取られた息子の林カレイの死を意味しているのだから。
次の瞬間、断罪王の蘇生処置をまだ受けていない石間コウイチがベットから起き上がった。
「石間さん‼」
「これは驚いたな...自力で蘇生した...いったいどういうことだ?」
「勝手に人を死人扱いするなよ...久しぶりだな...断罪王...悪いが、その女にはまだ話したいことがある...」
「石間コウイチ...なぜ、あの状態から...自力で起き上がれる...それに、君はあの女に殺されかけ、そして今、あの女は君を殺しに来たんだぞ...」
「たとえ林マスニがカエデの刺客でも、俺は林マスニに依頼されたんだ...息子の林カレイを助けてほしいってな...俺はリンクマスターだ、だから、依頼は必ず達成させる...」
「石間さん...!」
「奈良見、お前、なんで泣いてんだ...泣いている暇があるなら、とっととカエデを止め行くぞ...」
断罪王が心配そうにコウイチに訪ねる。
「カエデたちはすでにこの国を支配した、いくらお前でも多勢に無勢だぞ...」
「なんだよ...ゲームマスターのお前さんにしてみれば、そっちのほうがむしろ、おもしろいんじゃねぇか?それに、俺はカエデと別れてから無意味に世界中を旅していたわけじゃない...」
「なにか秘策があるというのか...?」
「そんなことよりもだ、とっととカエデを止めないと、痺れをきらした米軍が『孤影』を殲滅するための軍事介入を始めちまう、そうすりゃあ、日本は戦場になり、本来流れなくてもいい、血が流れることになる...行くぞ、奈良見、俺たちの依頼はまだ終わっちゃいない...」
林マスニが狂撃毒波動を再び、石間コウイチに放つために、右手をコウイチに向かってかざす。
「林マスニ...確かに、あんたはカエデに人質に取られた息子のためにそうするしかないのかもしれない...でも、ここは俺のことを信じてくれないかい?カエデの契約しちまったアンタは手遅れとして、アンタの息子は俺が必ず救ってやる...それが、俺がリンクマスターとして、あんたに言ってやれる最後の言葉だ...」
林マスニがコウイチに何も言わずに頭を下げる。
それは、コウイチに全てを託したということを意味していた。
そして、当然のごとく、カエデへの忠誠心を捨てた林マスニの体がミイラのように腐敗していく。
「息子を...カレイを助けてください...」
「ああ、約束する」
断罪王がコウイチに話しかける。
「瀕死状態のお前がなぜ、回復できたのか、俺はあえて問うまい...しかし、俺の力を使えば、お前は今よりもっと強い力を手にいてることができる...試してみるか?」
「断罪王現象が世界中で起きたのは、お前が狂撃波動の力をカエデに与えたせいだ。だから俺はお前の施しは受けない。それに人の人生をゲームに例えるような、ゲス野郎は信用できない、罪滅ぼしがしたいのかよくわからんが、俺はお前には頼らない...」
石間コウイチと奈良見はそのまま、病院から、カエデの待つ、日本の心臓・国会政議事堂へ向かう。

次回予告 『来たるべき日』その3 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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