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ドリトル先生と山椒魚

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第一幕その五

「よく食べるよ、ただ生ではね」
「食べないね」
「僕の国では元々生は食べないしね」
「果物以外はそうだね」
「だからね」 
 そうした食文化でというのです。
「僕もだよ」
「生は食べないね」
「日本ではお刺身やお寿司を食べるけれど」
 そして好物です、王子はよくこうしたお料理を楽しんでいます。
「サラダもね」
「今はお素麺と一緒に食べているね」
「そう、けれどね」
「お国ではだね」
「生ではね」
「食べないね」
「そしてそれがいいんだね」
 先生に尋ねました。
「川のものだから」
「そうだよ、前も何度かお話しているけれど」
 先生は王子に確かな声でお話しました。
「川のものはね」
「そうそう生で食べたら駄目だね」
「信頼出来るお店以外ではね」
「そうだよね」
「お魚もそうで」
「タニシや蟹もで」
「両生類もだよ」
 今お話している生きもの達もというのです。
「やっぱりね」
「生ではだね」
「食べたらいけないよ」
「そうだね」
「若し食べたら」
 生でというのです。
「寄生虫がいるからね」
「とても危険だね」
「そうだよ」
「鯉もそうですしね」 
 トミーも言ってきました、彼も生きものの皆もサラダ素麺を食べています。
「日本では鯉のあらいを食べますが」
「そうだよ、迂闊にはね」
「生で食べないことですね」
「そうするべきだよ」
「それで蛙もですね」
「生で食べることはね」
「慎重にですね」
 先生に言いました。
「あくまで」
「そうすべきだよ」
 こう言うのでした、先生も。
「後が怖いからね」
「寄生虫は」
「命にも関わるから」
「本当にそうですね」
「脳に至ったりね」
「それで身体の動きに影響が出たり」
「内臓に異常をきたしたりね」
 その機能にというのです。
「それで目に至ったら」
「失明しますね」
「それで本当にね」
「命に至りますね」
「そうだよ」
 先生は言いました。
「だから怖いんだ」
「そういえばジステンバーも寄生虫だね」
 ここで生きものの皆は研究室でお話したことを思い出しました。
「そうだったね」
「そうだよね」
「蚊の幼虫が犬や狼の心臓で繁殖して」
「それで身体に悪影響を及ぼす」
「そして命すら脅かす」
「そんなとんでもないものよ」
「その通りだよ」
 先生もその通りだと答えます。 
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