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ドリトル先生と山椒魚

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第一幕その二

「犬だと」
「狂犬病も怖いけれど」
 チーチーも言います。
「あの病気も怖いね」
「犬だけじゃないからね」
「ジステンバーが怖いのは」
 オシツオサレツは二つの頭で言います。
「狼もなんだよね」
「狼はそもそも犬の元だしね」
「だからジステンバーに気をつけないとね」
 ダブダブも今は真剣に言います。
「駄目だけれど」
「野生だと予防接種なんてしないから」
 老馬は言いました。
「流行ったんだよね」
「それでニホンオオカミは絶滅した」
 ガブガブは悲しそうに言いました。
「残念なことよ」
「乱獲も問題だったけれど」
「病気が一番だったってことね」
 チープサイドの家族の言葉もしんみりとしたものです。
「ニホンオオカミの場合は」
「まさにね」
「それで一度絶滅したって言われたから」
 トートーは思いました。
「ジステンバーがどれだけ怖いかだよ」
「というか蚊は侮れないわ」
 ポリネシアはジステンバーの元であるこの虫のお話をしました。
「他にも病気をもたらすし」
「その蚊によってだよ」
 先生はまた言いました。
「ニホンオオカミは絶滅したとされていたんだ」
「そうだよね」
「けれど動物園にいたら」
「予防接種も出来るし」
「繁殖も可能だし」
「種の保存にいいね」
「そうだよ、だからね」 
 その為にというのです。
「動物園での飼育はいいんだよ」
「学問にもなるし」
「行ってそのうえで見て飼育の中で研究して」
「それでどんな生きものか学ぶ」
「それが出来て」
「しかも種の保存になる」
「そうした場所だからいいんだ、動物園以外にもね」
 さらに言う先生でした。
「水族館や植物園もだよ」
「いいよね」
「学問にも種の保存にも」
「だからあるべきだね」
「そうした場所なのね」
「そうだよ、僕はそう考えているよ」
 先生はというのです。
「本当にね」
「先生の言う通りだよ」
「生きもののことを考えたら」
「学問に種の保存に」
「とてもいいよ」
「けれど飼育は虐待とかね」
 その様にというのです。
「少しでも意見が出たら」
「それで駄目になるよね」
「誰かがそう言ったら」
「それで動物園自体がだめになるね」
「水族館や植物園も」
「他のことでもだね」
 先生は眉を曇らせて言いました。
「除夜の鐘でも運動会の応援でも何でもね」
「そうそう、五月蠅いってね」
「誰かが言ったら」
「それで止めになるんだよね」
「他のあって欲しいっていう意見は無視されて」
「その人の意見が通るのよね」
「商品だってそうだね」
 お店のそうしたものもというのです。 
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