ウルトラマンカイナ
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新兵編 ウルトラルーキーファイト 後編
前書き
◇今話の登場ヒロイン
◇イヴァンナ
BURKロシア支部からやって来たエリート戦車兵であり、戦車隊の教導のため日本支部に訪れていた金髪ポニーテールのクールな爆乳美女。恋人が出来た試しがない生真面目な堅物だが、子供には優しい。当時18歳。
スリーサイズはバスト97cm、ウエスト59cm、ヒップ91cm。カップサイズはI。
◇オリヴィア
BURKイギリス支部の艦隊司令官を父に持つ可憐な美少女であり、自身も未来の司令官としての高度な教育を受けているエリート候補生。当時11歳。
◇エレーヌ
BURKフランス支部の陸軍司令官を父に持つ小柄な美少女であり、将来は立派なBURK隊員として父の仕事を手伝うことを夢見ている。当時10歳。
14歳という年齢からは想像もつかない発育と色香を見せ付けている凛風の肉体からは、すでに大人の女性でも敵わないほどの色香が滲み出ている。
その芳香に鼻の下を伸ばしていた男達は、隊長にひと睨みされるや否や、萎縮するように縮こまっていた。
「……怪我をしないうちに帰りなさい、凛風。BURK風龍の製造に出資している名士のご令嬢が、こんなところに来て何になる。パイロットの何たるかを知りたいのなら、お父上にでも頼んで座学から始めることだ」
「そんなもの、とっくの昔に頭にぜ〜んぶ叩き込んで来たわっ! 大反対してたパパも根負けしちゃうくらい、徹底的にねっ! 伊達に大学を飛び級で卒業してないんだからっ!」
どれほど才能豊かであろうと将来有望であろうと、現時点の彼女はあくまで民間人の少女でしかない。それ故に琴乃は凛風を嗜めようとしていたのだが、凛風は一歩も引く様子を見せず、カンフーの構えを取り続けている。
出会った時から変わらない頑固ぶりに再びため息をつく琴乃は、アメリアと視線を交わしていた。これはもう、テコでも動かないかも知れない、と。
「……何故そうまでして、パイロットに拘る。何が君を空に駆り立てる」
「ふんっ! 空への憧れに理由が必要なの? 日本支部最強のエースパイロット様のくせに、無粋なことを言うのねっ!」
「ふっ……なるほど、そういうタイプか。実に子供らしく、単純だな。だが、まぁ……嫌いではない」
呆れ返るほどに純粋に「空」を求める凛風の言葉に、琴乃はただ苦笑を浮かべるしかなかった。これほどの無垢な熱意を無碍にすることは出来ない。
だが、無碍にしない以上は然るべき対処をせねばならない。
そう判断した琴乃はアメリアと頷き合うと――「本気」の構えを見せていた。対戦相手への「礼」を尽くすその姿勢に、凛風も口元をにんまりと綻ばせる。
「……凛風。言っておくが、この訓練場に踏み込んで来る以上は大人も子供もない。良家の子女だろうと、忖度は期待するなよ」
「上等っ! むしろ手加減なんかしたら、承知しないわよぉ〜っ!」
そして、憧れのエースパイロットに「稽古」を付けてもらうべく。凛風は勢いよく地を蹴り、乳房と桃尻を揺らして琴乃に飛び掛かって行くのだった。
すらりと伸びた凛風の白い蹴り脚が、防御に徹した琴乃の腕に命中する。その衝撃で再び、若き女傑達の乳房と桃尻がぶるんっと躍動していた。
そんな彼女達の勇姿と、飛び散る汗の香りに男達が歓声を上げる。彼らはチャイナドレスのスリットから窺える凛風の美脚に見惚れながら、紅いパンティを必死に覗き込もうとしていた。
その直後、アメリアに頭を掴まれアイアンクローの制裁を受けたのは言うまでもない。
「……あーあ、私は知らないからね」
部下達の頭をギリギリと握りながら、若き女傑は深々とため息をつく。
そして、彼女の懸念通り。威勢ばかりで未熟なカンフー美少女は、数えるのも億劫になるほど何度も投げ飛ばされてしまい、徹底的に「わからされて」しまうのだった。
琴乃と対峙した者達が男女問わず味わわされた「幸せ投げ」の洗礼は、その恐ろしさを理解していなかった彼女にも、容赦なく襲い掛かったのである――。
◇
その頃。訓練場近くの渡り廊下を歩いていた1人の爆乳美女は、その方向から響き渡って来る凛風の悲鳴に眉を潜めていた。
「ん……?」
プラチナブロンドの艶やかな髪をポニーテールに纏め上げている彼女は、怜悧な眼差しで訓練場の方向を一瞥している。
雪のように白い彼女の柔肌に密着しているレオタード状の戦闘服は、彼女のボディラインをありのままに浮立たせていた。
鍛え抜かれ、引き締まった腰回りに対して豊満に飛び出しているIカップの爆乳。むっちりと実り、存在感を発揮している白い巨尻。
そして――肉感的な太腿の付け根にきつく食い込み、鼠蹊部のラインを際立たせているレオタード状の戦闘服。その薄い繊維に染み込んだ甘い女の香りが、濃厚なフェロモンとなって滲み出ていた。
知的で気品に溢れた美貌の持ち主である彼女だが、その白く豊満な肉体から漂う色香は娼婦のそれすら遥かに凌駕している。
戦闘服の奥でじっとりと熟成されている白い谷間や、腋の窪み、深くレオタードが食い込んでいる太腿の付け根辺りからは、特に濃厚な匂いが漂っていた。
「……日本支部の駒門琴乃隊員が、アメリカ支部のパイロット達に稽古を付けている……とは聞いていますが。それにしても、随分と騒がしいですね」
戦車隊の教導官としてロシア支部から派遣されていた、イヴァンナ隊員。
日本支部の陸戦部隊を「教育」するべく来日していた彼女は、絶え間ない凛風の絶叫に思わず足を止めている。
通路を歩むだけで東京基地の男性隊員達を魅了して来た絶世の美女は、その薄い桃色の唇を静かに開いていた。一歩踏み出すたびにぷるんと揺れる安産型の白い巨尻も、食い込みによって蠱惑的に強調され、見る者の視線を強烈に惹きつけている。
色事の類とは無縁と言わんばかりの怜悧な顔立ちだが、無意識のうちに桃尻を左右に振って歩いている彼女の腰の動きは、あまりにも妖艶であり、扇情的であった。引き締まった腰のくねりに応じて躍動する臀部の揺れは、彼女の教導を受けている戦車隊の男性隊員達の注目を大いに集めているのだという。
後に陸戦部隊へと正式に入隊し、「ウルトラマンゼファー」の依代として戦うことになる、若き戦車搭乗員の卵――江渡匡彦候補生も、その1人であった。
まだ基礎訓練を始めて間もない純情な若者に、イヴァンナの色香は刺激が強過ぎたらしい。戦車隊に重きを置いているロシア支部の精鋭隊員から直々に「教導」を受けられる貴重な機会だというのに、彼は煩悩を絶とうとするあまりほとんどイヴァンナの話が頭に入っていないようだった。
「いえ……騒がしいのはあそこに限った話ではありませんでしたね。どこに行っても……困った男共は居るものですから」
その美貌とスタイル故か、来日してからまだ日が浅いというのに。イヴァンナが基地内の男性隊員達から声掛けされた回数は、すでに50を超えているらしい。そんな身の程知らず達がその場で叩きのめされた数も、その数値と一致しているのだとか。匡彦のように、煩悩と戦おうとしている殊勝な隊員の方が全体としては遥かに多い……はずなのだが、雄の本能を隠し切れない隊員も決して少なくはないのだろう。
――ドイツ支部から出向して来たBURKセイバー隊のリーゼロッテ隊長や、その側近であるヴィルヘルミーナ・ユスティーナ・ヨハンナ・ルーデル副隊長も似たような目に遭っているという話だが、彼女達による「制裁」はイヴァンナのそれよりも遥かに苛烈なものであるらしく、邪な感情を抱くどころか畏怖の念すら抱くようになった男性隊員達が後を絶たないのだという。中には、彼女達の御御足に踏まれる悦びに目覚めてしまった者もいるという噂もある。
イヴァンナのような名門出のエリート達も深く尊敬している、元惑星調査隊メンバー達。彼らは全員選び抜かれた精鋭中の精鋭であり、今現在も世界各地で出現している怪獣や異星人達の多くを、ウルトラアキレスに頼ることなく撃滅している猛者揃いなのだ。可憐な容姿に油断して侮った男達は皆、その場で股間を蹴り飛ばされるという痛烈な「授業料」を払わされている。
それでも彼女達はその美貌と抜群のスタイル故、以前からこの手の「トラブル」が日常茶飯事なのだという。リーゼロッテやヴィルヘルミーナに限らず、ホピス星の惑星調査隊に参加していた女性パイロット達の多くは、(約2名の合法ロリを除けば)雄の本能を激しく狂わせる特濃の色香と絶世の美貌、そして邪な欲望を掻き立てる蠱惑的なプロポーションの持ち主ばかり。豊満に飛び出した特大の爆乳に、引き締まった腰周り、そして安産型のむっちりとした巨尻。その扇情的過ぎるボディラインを剥き出しにしているレオタード状の特殊戦闘服は、男達の獣欲を絶えず刺激しているのだ。
しつこい声掛けやボディタッチなど序の口。時にはシャワールームや更衣室に盗撮用のカメラを仕掛けられたこともあり、上官からは「夜の接待」に誘われたこともあったらしい。挙げ句の果てには媚薬まで盛られてベッドに組み敷かれ、「貞操の危機」に陥ったことすらあるのだという。そんな下劣な連中には片っ端から、股間への強烈なキックをお見舞いして来たという話だが――もはやセクハラどころの騒ぎではない。その燃え滾るような執念は怪獣や異星人に向けてくれ、というのが彼女達に共通している率直な感想であった。
「本当に……困ったものです」
勇猛さと引き換えに品性を欠いてしまっている隊員というのは、どこの国にも居るものなのだろう。イヴァンナは日本に来ても絶えることのない獣欲塗れの視線に、ため息を吐くばかりであった。そんな彼女の背を後方から見つめる「2人の男」は、互いに顔を見合わせている。
――ロシア支部戦車大隊の司令官を父に持つ、名門出身のエリート。そんなイヴァンナを含む、各国支部から日本に集まって来た精鋭達の主任務は、怪獣災害が特に頻発している日本支部に自国の兵器を供与し、その運用方法を教導することにある。
彼女の後ろを歩いている2人の男性は――その供与を決定した、「上層部」の人間であった。
「ふふっ……それにしても確かに、あそこの訓練場は特に騒がしいな。しかし、無理もあるまい。何しろ、あの伝説の隊員・風祭勇武を輩出した日本支部の隊員なのだ。さぞかし凄まじい試合を繰り広げているのだろう。かつては我がイギリス支部にも、風祭の雷名が轟いていたものだ」
「新たな怪獣頻出期と言われている今の時代でも彼が健在だったならば、各国支部の隊員達の士気も、より高まっていただろうな……。彼の教導が無ければ、我がフランス支部の陸戦歩兵部隊も、今ほどの練度には達していなかったことだろう。実に残念だよ」
整然とした青い軍服を纏うイギリス支部の艦隊司令官と、緑色の軍服に袖を通したフランス支部の陸軍司令官。彼ら2人は肩を並べてイヴァンナの後に続いており、それぞれの胸に飾られた幾つもの勲章が、その経歴と名声の凄まじさを物語っている。
そんな2人の高官がイヴァンナと共に歩んでいる、ガラス張りの渡り廊下。その外側からは戦術輸送ヘリのローター音が響き続けており、機内にはフランス支部とイギリス支部を中心とする歩兵達が待機しているようだった。どうやら、ヘリの着陸に合わせた突入訓練の最中らしい。着陸と同時にBURKガンを構えて飛び出して来た屈強な男性隊員達は、まるで機械の流れ作業のようなスムーズな動作で地上を移動している。
さらにその中には両支部の隊員達だけでなく、元調査隊メンバーの士道剣隊員、手力握人隊員、日ノ出新隊員、木場司隊員、多月草士郎隊員の姿もあった。叶亥治郎隊員と氷川雄一郎隊員は戦術輸送ヘリのパイロットを務めており、日本支部を代表する弘原海隊長が彼らを統率している。
そんな若獅子達の勇姿を一瞥し、かつて自国の隊員達を教導していた風祭勇武の背中を思い出していた2人の高官は、微かに切なげな表情を浮かべていた。高官達が見せたその僅かな憂いから、2人の胸中を察していたイヴァンナは、彼らを励ましたい一心で気丈に胸を張る。その弾みで、Iカップの爆乳がぶるんっと弾んでいた。
「……ご心配には及びません。このイヴァンナが必ず、風祭勇武に代わる新たな英雄として……この地球を守り抜いて見せます」
「うむ……頼もしい限りだな、イヴァンナ」
「君の活躍、期待しているぞ」
上流階級同士の社交界で知り合って以来、幼い頃から父と同じように慕って来た2人の高官。そんな存在である2人を気遣おうとしている彼女の姿に、当の高官達は顔を見合わせ、表情を綻ばせている。
――名門の娘として厳格に育てられて来たイヴァンナは、その生真面目過ぎる堅物な性格のため、今まで恋人が出来た試しがない。言い寄って来る不埒な男達は全て手酷く袖にして来たし、強引な手合いは父直伝の格闘術で叩きのめしたこともある。
だが、下衆な男ばかりが言い寄って来るから恋人を作らなかった、というわけではない。
絶世の美貌と抜群のプロポーションに加え、名家出身のエリートでもある彼女はこれまで、数多の有力者達からその極上の肉体を虎視眈々と狙われ、幾度となく求婚されて来たのだが。父の期待に応え、立派な戦車兵になることのみを目指して来た彼女には、道半ばで諦める選択肢など最初から存在し得なかったのである。
それ故に18歳を迎えた今も、彼女は男を知らない生粋の処女であり。当然ながら、恋を経験したこともない。
そんな彼女の将来を、2人の高官は密かに案じていたのだが――その「鋼鉄の女」がやがて、「第3のウルトラ戦士」となった男を愛するようになるとは、夢にも思わなかったのである。
その高官達はイヴァンナの後ろを歩きつつ、傍らに1人の可憐な美少女を連れている。彼らの愛娘であり、将来の幹部候補でもある2人の少女が、父親の任務に同伴していたのだ。
愛らしい容姿を持つ彼女達の視線に気付いたイヴァンナはポニーテールと乳房を揺らし、ゆっくりと振り返っていた。相変わらずの無表情だが、少女達を見下ろすその眼差しは、他者を慈しむ優しさに満ちている。
「……どうかしましたか?」
「あ、いえ、そのっ……!」
「イヴァンナお姉様、カッコいいなって、ずっと思ってて……」
艶やかな金髪の持ち主である2人の少女の名は、オリヴィアとエレーヌ。イギリス支部とフランス支部の高官を父に持つ未来のエリートであり、すでに将来に向けた「英才教育」を受け始めている才媛であった。
だが、そんな彼女達にも年相応な「憧れ」の感情があったのだろう。凛とした佇まいを見せているイヴァンナの背に惹かれていた彼女達は、もじもじと白い指を絡ませながら、ちらちらと敬愛する女傑を見上げている。
「あ、あのっ! 私達、いつかお父様のお手伝いが出来るような、立派なBURK隊員になるのが夢でっ……!」
「私達にも、いつか……イヴァンナお姉様のような、強くてカッコいい隊員になれる日が来るのでしょうかっ……!?」
やがて彼女達は勇気を振り絞り、イヴァンナを見上げて可憐な声を張り上げていた。
打算の類など一切感じられない、純真無垢な敬意。その真摯な思いに触れた「鋼鉄の女」は、無意識のうちに頬を緩めてしまう。
「こらオリヴィア、イヴァンナ隊員を困らせるようなことを言ってはならんぞ。司令官たる者、常に周りを冷静に見詰める観察眼が大切なのだと、いつも教えているだろう?」
「エレーヌもだぞ。そう言ってくれるのは父親としては嬉しい限りだが、お仕事の邪魔になるようなことを言ってはいかん」
2人の男は愛娘達を嗜めようと声を掛ける。だが当のイヴァンナはそんな彼らを遮るように片膝を着くと、2人の美少女に目線を合わせ――優しく抱き寄せていた。
「……良いのです。あなた達なら、きっと……いえ、絶対になれますよ。いつか必ず、私と共に戦ってくれるような……頼もしい仲間に」
それは、紛れもない本心からの言葉。オリヴィアとエレーヌの将来に対する、純粋な期待故の言葉だったのだが。
その言葉通りの期待に応えた彼女達が、自身と肩を並べる「女傑」に成長する日が、僅か約5年後のことになろうとは。この時のイヴァンナには、想像も付かなかったのである――。
後書き
これにて本エピソードは完結です! 読了ありがとうございました!٩( 'ω' )و
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