超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第二百十一話 南原ユキエ その2
第二百十一話 南原ユキエ その2
断罪王現象により断罪者(社会不適合者)になってしまった女性教師・南原ユキエ。
俺の助手で新人リンクマスターの奈良見ルナは依頼人である南原ユキエの心を正常な状態に戻すために、南原ユキエの勤務する中学校に潜入したのだった。
かくして、俺と奈良見は本日から、南原ユキエの通う中学校に教育実習生として通うことになった。
俺と奈良見は南原ユキエの後ろを歩きながら小声で現在の状況を整理する。
「校長先生、あのまま気絶させておいて、本当に大丈夫だったんですかね?」
「大丈夫なわけねぇだろ、とにかく、校長が目を覚ます前に、依頼人が断罪者(社会不適合者)になった原因を突き止めるんだ!校長が目を覚ませば、俺達はすぐにこの学校を追い出されるんだからな!」
「やっぱそうなるっすよね...」
俺と奈良見は授業中の教室に入る。
一時間目の授業は国語。
国語を生徒に教えているのは依頼人の南原ユキエだった。
しかし、南原ユキエの授業を真面目に受けている生徒は一人もいなかった。
そう、それはまさに学級崩壊。
授業中であるにもかかわらず、生徒達は大声で会話をしていたり、携帯で動画を見たり、ゲームなどをしている。
「奈良見、見ろ、コレが学級崩壊だ」
「なんてひどい...世界中には学校に行きたくても行けない子供たちもたくさんいるというのに...」
俺は、授業をまともに受けない生徒達に指をさしながら、奈良見に話しかける。
「でも、お前、絶対ガキの頃、どちらかといえば、こんな感じだったろ?」
「バレちゃいました?」
「バレバレのスケスケだよ」
授業がまともに成立していないのにも関わらず、南原ユキエは真剣な表情で授業を続行する。
南原ユキエが黒板にチョークで文字を書き込んでも、それを見て、シャープペンシルなどでノートに写す生徒は一人もいない。
「こりゃ、つれぇわ...」
「石間さん、今回の依頼人が断罪者(社会不適合者)になっちゃった理由って、もしかして...」
「ああ、間違いねぇ、南原ユキエがどこぞで桜原カエデに撃たれた狂撃波動が学級崩壊によるストレスが引き金になって、脳内に仕込まれた狂撃波動を発動させてしまった、そんで、南原ユキエは断罪者(社会不適合者)になってしまった...」
「つまり、南原ユキエさんが断罪者(社会不適合者)になってしまったのは、学級崩壊によるストレスのせい...」
「決まりだな、奈良見、あとはお前一人でなんとかしろ」
「なんで!」
「なんでじゃねぇんだよ、お前の依頼人だろうが!お前がなんとかするんだよ!それに俺はちょっと日本リンクマスター協会に要があるんでね」
俺はそれだけ言って、奈良見の前から去った。
俺は中学校を出て、そのまま桜原カエデが拘束・監禁されている日本リンクマスター協会に向かう。
日本リンクマスター協会に着いた俺を待っていたのは、協会の警備員だった。
「地下にいる、桜原カエデに話があって来た」
「わかりました、会長からすでに許可は得ています、ご案内します」
俺は警備員と共に協会のエレベーターに乗る。
エレベーターが地下の最下層で停止する。
自動ドアが開く。
「それで、アイツの様子はどうですか?」
「石間さんに言われた通り、一日に3回、狂撃刀で桜原カエデの肉体に狂撃波動を撃っています。なので、個室の監視カメラを見る限りでは、今のところはおとなしくしているとしか言えませんね」
「そうですか、それはよかった」
「ここです」
警備員が桜原カエデが拘束・監禁されている個室の扉のカギを開ける。
「ありがとう」
俺は警備員に礼を言って個室の中に入る。
「よう、カエデ、気分はどうだ?」
「あら、コウイチ...わざわざ、私をからかいに来たのかしら...」
「もし俺が、『お前が全世界のあらゆる人間に撃った狂撃波動を解除してくれれば、この今の状態から解放して自由にしてやる』って言ったら、お前、信じるか?」
「バカね...信じるわけないでしょ...」
「だよな、でも、みんなに撃った狂撃波動、解除してよ~!お願い!」
「ウフフフ...そんなことするわけないでしょ...せいぜい人類全体か断罪者(社会不適合者)にならないように頑張りなさい...」
「それじゃあ、おまえ、この十数年間で本当に全人類に狂撃波動を撃ったのか?」
「ないしょ...」
「答えろ!でないと、今すぐ殺すぞ!」
「あらあら?リンクマスターのあなたが断罪者の私を殺すの?」
「お前は確かに断罪者だ!でも、ただの断罪者じゃない、この世界中で起きた!起きている断罪王現象すべての元凶だ!だから、俺はお前を殺す!いや、俺にはその資格と義務がある!」
「あなたに私を殺せるの?コウイチ...」
「...また来るよ、でも次、会うときは本気でお前を殺すかもしれない、もし生きていたいのなら、その時までにちゃんと身の振り方を考えておけ!」
「私が本気で生きたいと思っていると...?」
「思っていると...俺はそう願いたいね...」
俺はそのまま、日本リンクマスター協会を去った。
次回予告 南原ユキエ その3
後書き
次回もお楽しみに
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