X ーthe another storyー
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第五話 神剣その二
「よくやってくれたわ」
「そうですか」
「ええ、ではね」
「この剣はですね」
「私が預かっておくわ」
目を細めさせたまま述べた。
「そうするわ」
「では」
「そしてこの剣を持つべき地の龍が来て」
そうしてというのだ。
「時が来ればね」
「その人にですね」
「渡してね」
「使ってもらいますか」
「ええ、二人もご苦労様」
共にいる遊人と颯姫にも声をかけた。
「いざという時に備えてくれていて」
「いえ、当然のことですから」
「私達のすべきことだから」
二人はそれぞれ庚に答えた。
「気にすることはないわ」
「それよりも哪吒君はお手柄ですよ」
「僕はよくやったの」
「ええ、お疲れ様です」
遊人は哪吒に優しい笑顔で答えた。
「後はゆっくり休んで下さい」
「それで殺さなかったわね」
庚は哪吒にこのことを確認した。
「そうね」
「はい、刀を抜いたので攻撃はしましたが」
「それでもなのね」
「急所は外しました」
そうしたというのだ。
「ですから血は多く流れて暫くは動けないですが」
「死にはしないのね」
「間違いないです」
「ならいいわ、殺すことはね」
庚はこうも言った。
「最後の最後よ」
「どうしようもない時ですか」
「それでいいわ、どうせね」
「人間は滅ぶのだから」
「その時まで楽しむことよ」
そうすべきだというのだ。
「だからよ」
「殺すことはですね」
「避けるべきよ。それに地の龍の力はね」
これの話もするのだった。
「地球を救う為のものでよ」
「殺す為のものではないですか」
「ええ、その為に多くの命が失われても」
地球を救う中でというのだ。
「特に人間を滅ぼしてもね」
「殺す為のものではですか」
「ないから」
だからだというのだ。
「無闇によ」
「殺してはならないですか」
「ええ、だからね」
「この度もですね」
「そう言ったのよ、それに私は悲しませるつもりはないから」
庚は眉を少し曇らせてこうも述べた。
「別にね」
「悲しませる」
哪吒は庚のその言葉を聞いて言った。
「誰をですか」
「別にね」
「何でもないですか」
「このこともね。気にしないで」
こう返した。
「そうしてくれるかしら」
「それでは」
「ではゆっくり休んで」
庚は優しい笑顔になって話した。
「今はね」
「わかりました」
「あと貴方も学校に通っているわね」
「クランプ学園に」
「ならそちらに行ってもいいわ」
こうも言うのだった。
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