鷹党爺ちゃん絶叫
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第二章
興正は孫達の心配もっと言えば今は店を切り盛りしている息子夫婦も心配だったが彼から幼い頃から可愛がられ色々なことを教えてもらった孫達は特にだった。
祖父の二十代の阪神ファン顔負けの応援に心配になっていた、幾ら彼が健康でも八十を越えているからだ。
心配だった、だがそれでもだった。
祖父は相変わらずでだ、三人で話した。
「お祖父様相変わらずだな」
「応援凄いわね」
「甲子園の一塁側みたいだよ」
「大丈夫かな」
「心臓にくるとか」
「そうだよね、しかもね」
伊三美は兄と姉に話した。
「最近日本ハム凄いね」
「ああ、勢いがあるな」
忠もそれはと話した、家族で住んでいる料亭でもある古い屋敷の一室で卓を囲んで話している。三人共今は着物だ。
「凄いな」
「大谷翔平さんが大活躍でね」
美樹も応えて言った。
「それでね」
「追い上げてきているね」
「あれだけ優勝だって言っていてな」
忠もどうかという顔で言った。
「まさかのまさかで」
「V逸になったら」
「お祖父様ショックでね」
こう弟に話した。
「そうなるかしら」
「心配だよね」
「全くだ、しかし私達の名前もな」
忠は難しい顔で話した。
「それぞれな」
「ホークスの選手から取っているからね」
「私とお前はな」
「私は女だから違ったけれど」
美樹は自分の話をした。
「お祖母様がつけてくれて」
「そうだったな、しかしそのお祖母様が言っても」
忠は暗い顔で話した。
「止まらないからな」
「心配だよ、応援自体はいいけれど」
「あまり激しい応援はな」
「本当に止めて欲しいね」
「健康を考えたらな」
「これで優勝争いが激しくなって」
伊三美は自分の危惧を話した。
「若しもだよ」
「ああ、ホークスが優勝逃したらな」
「あのチームそういうことあったらしいね」
「過去何度かな」
忠は弟にこのチームの歴史から話した。
「南海時代にな」
「クライマックスでも負けたりとか」
「そうしたこともな」
「結構あったね」
「そうした一面もあるチームだからな」
優勝争いに敗れることもあるというのだ。
「まあそれ言ったら阪神はな」
「はっきり言っていつもだから」
美樹はこのことはやれやれといった顔で述べた。
「だからね」
「慣れているがな」
「もうね」
「けれどホークスは流石にいつもじゃない」
「そうなのよね」
何度もそうしたことがあったがというのだ。
「だからね」
「まさかのな」
「V逸となったら」
「心配だな」
「どうもね」
「そうだよね」
美樹だけでなく伊三美も言った、孫達はホークスの結果次第で祖父がどうなるか心配になってきた。そして。
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