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夢幻水滸伝

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第二百六十九話 大雨の中の決戦その二

「そやな」
「はい、それだけで」
「そやからな」
「術にですね」
「風水師を総動員してな」
 そうしてというのだ。
「せめて戦場だけでもな」
「雨の勢いを弱めますね」
「これは列車も停まるレベルや」
 そこまでの大雨だというのだ。
「風はないけどな」
「それでもですね」
「台風の時と変わらん位のな」
 そこまでのというのだ。
「大雨やからな」
「少しでもその勢いを下げる」
「そうするで、特に風水師達にはな」
 自然の力を操れる彼等にはというのだ。
「もう総動員でな」
「働いてもらい」
「そしてな」
「少しでもですね」
「雨を弱めるんや」
「そうしていきますね」
「風水師も兵に入れて訓練させてたが」 
 これは他の職業の者達も同じである。
「よかったな」
「訓練してへん兵は数だけです」
 金が言ってきた。
「そうですさかい」
「この度はな」
「働いてもらいましょう」
「雨を弱めてもらう」
「そうしていきましょう」
「そのうえで戦うで」
「はい」
 金は羅のその言葉に頷いて応えた。
「そうしていきましょう」
「ここはな」
「この雨では」
「ほんまやったら戦自体がな」
「行うことすら難しいです」
「そやからな」
 だからだとだ、羅は話した。
「ここはな」
「風水師にも働いてもらいますね」
「そうするで」
「その様に」
 金だけでなく他の者達も頷いた、そして。
 彼等は共に茶を飲んでから天幕を出た、そうして大雨の中それぞれの配置につきそのうえで将兵達に全軍前進を命じた。
 施は二百四十万の軍勢の先頭に白澤に乗ってそこにいた、そうしてだった。
 大雨の中前から来る敵軍を見て言った。
「こっちは守りを固めてな」
「そうしてですね」
 白が応えた、彼は馬に乗っている。
「迎え撃ちますね」
「まずはな」
「そして敵の数を減らしますね」
「敵が隙を見せたらな」
「その時はですね」
「攻める、しかしまずはな」
 今はというのだ。
「ほんまにや」
「守りを固めて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵を迎え撃つ」
「そうしますね」
「視界が悪い」
 施はこのことを話した。
「そして足場も悪いし火器も使いにくい」
「悪条件が揃ってますね」
 紅美がぼやく様に言った、施以外の星の者達もそれぞれ騎乗している。既に神具は出して何時でも戦える様になっている。 
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