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声優の兄弟

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第二章

「ブログやインスタでもそれぞれ画像載せてくれてたよ」
「やっぱりミニスカとサンダルか」
「違う画像をな」
「それはいいな」
「お前もチェックしろよ、しかしその前もお兄さんと旅行に行かれてるしな」
 須郷はあらためて言った。
「お兄さんはな」
「絶対におられるか」
「そうだろ、その人はな」
 こう言うのだった、そしてだった。
 須郷は松岡と共に山下萌子の応援を続けていった、彼女が出ているアニメは必ずチェックしてだった。
 出ている雑誌は必ず買いSNSは必ずチェックした、そうして彼女を純粋に応援していったがここでだった。
 松岡は須郷にこんなことを言った。
「声優業界って不思議な法則があるよな」
「不思議な?」
「ああ、女性声優さんって三十歳まではな」
 この年齢になるまではというのだ。
「結婚した駄目だってな」
「それあるな、結婚していても言わない人いるしな」
 須郷は松岡に返した。
「それで発表するにしてもな」
「二十代のうちはしなくてな」
「三十になってからだな」
「その時に籍を入れる人もいるだろ」
 そうした人もというのだ。
「そうだろ」
「ああ」
 実際にとだ、須郷も答えた。
「あの業界の不思議なところだよ」
「そうだよな」
「そういえばな」
 須郷はここで松岡に言った。
「山下さんもそろそろな」
「ああ、あの人もそろそろだな」
「三十歳だろ」
「そうだよな」
「あの人大学卒業してデビューでな」
「アイドル声優として活動されてるけどな」
 それでよくステージにも出る、歌唱力には定評があり勿論演技力も評価されている。実力も備えているのだ。
「しかしな」
「あの人も今年でな」
「三十歳だな」
「そうだよな」
「あの業界三十歳でもアイドル声優出来るけれどな」
「いや、それな」
 どうかとだ、須郷は松岡に返した。
「最近はグラビアもな」
「三十歳でもか」
「あるぜ、それどころか還暦のな」
「おいおい、俺達のお袋より年上でもか」
「宮崎美子さんや斉藤慶子さんはな」
「どの人達もお奇麗だよな、まだ」
「スタイルだっていいしな」
 それでというのだ。
「この前な」
「グラビアにか」
「なってたぜ、実際にな」
「今はそうか」
「だからな」
 こう松岡に話した。 
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