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レーヴァティン

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第二百七十四話 その時が来てその六

「そうして育ててだ」
「自分も成長するな」
「そうだな、俺はこの世界では親でありだ」
「祖父さんになったか」
「今度はその立場からだ」
「学んでいくか」
「そうなると考えている、そして子供や孫の為にもな」
 英雄はここで決意強いそれを込めて語った。
「この世界をだ」
「守るか」
「そして救う為にな」
「クトゥルフと戦うか」
「その為にこの世界に来たしだ」
 それにというのだ。
「為政者としてもそうなったしな」
「親それに祖父さんとしてもか」
「そうする」
「親は子供を守らないとな」
「そうしなくて何が親か」
 こう言うのだった。
「一体」
「その通りだな」
「その考えも持った」
 この世界に来てというのだ。
「思わないことだったが」
「というか結婚自体がな」
 久志は家庭を持つ第一の段階から話した。
「もうな」
「思わなかったな」
「ああ」
 実際にというのだ。
「予想もしてなかったぜ」
「予想外のことも起こる」
「それも人生か」
「そうなるな、ではな」
「ああ、為政者としても親としてもな」
「クトゥルフと戦うぞ」
「いよいよな」
 英雄に確かな声で応えた。
「そうしような」
「是非な、しかしな」
「何だ」
「お前五十九人も子供いてお孫さんまでなんてな」
「意外か」
「女好きなのもな」
 このこともというのだ。
「その感情のなさでな」
「感情はある」
 英雄はそれはと返した。
「ただ見せるのが苦手なだけか」
「表情や口調にか」
「俺も笑って怒ってな」
 そうしてというのだ。
「楽しんで悲しむ」
「つまり喜怒哀楽だな」
「それがある、ただ子供の頃親戚で碌でもないのがいてだ」
 そうしてというのだ。
「そいつの喜怒哀楽の顔が醜かった」
「ああ、人相悪かったんだな」
「碌でもない奴と言ったな」
「そうした奴って人相に出るからな」
「生き方は顔に出るな」
「ああ、年齢を重ねるとな」
 それと共にだ。
「だから徳のある人は穏やかな顔でな」
「下衆は卑しい顔になる」
「そうだよな」
「だから信長さんもまやかし坊主を見破ることが出来た」
 織田信長もというのだ。
「その外見を見て卑しいと感じたからな」
「それでまやかし坊主だってわかったんだったな」
「そうだ、それでその親戚の顔がどんな時もな」
「卑しくてか」
「子供心に醜いと感じてな」 
 そうしてというのだ。 
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