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そんな国で金持ちになりたくない

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第二章

「大金持ちだろ」
「いや、あそこで出世とか絶対に嫌だろ」
 壮人は眉を顰めさせてだ、クラスメイトに答えた。
「北朝鮮はな」
「嫌か?」
「嫌だよ、将軍様になれなくてもな」
「あそこで偉くなったらな」 
 それこそというのだ。
「もうな」
「大金持ちか」
「そうだよ、将軍様でなくてもな」
「そうなるよな」
「けれどな、あそこの国ってな」 
 壮人は顔を顰めさせて言った。
「普通の人餓えてるよな」
「ああ、あそこはな」
 まさにとだ、クラスメイトも答えた。
「俺達だって知ってる位な」
「そうだよな」
「あんな国いるだけでも嫌だよ」
 壮人は嫌そうな顔で話した。
「というか誰がいたいんだよ」
「俺も嫌だな」
 クラスメイトもそれはと答えた。
「そう言われたら」
「そうだよな」
「あそこに生まれたらな」
 北朝鮮にというのだ。
「もうな」
「それこそだよな」
「碌に食いものもないな」
「他にも色々あるよな」
「言論統制で収容所あってな」
「軍隊に入れられたりな」
「あの将軍様いつも褒めないといけないしな」 
 個人崇拝のことをこう話した。
「色々な国あるけれどな」
「北朝鮮にはだよな」
「誰が生まれたいんだよ」
「あそこにだけは嫌だな」
「それでそんな国で出世してもな」
「粛清されるの多いだろ」
 壮人はこのことを言った。
「何時殺されるかわからないだろ」
「将軍様の気分次第でな」
「そんな国に生まれるのも嫌でな」 
 それでというのだ。
「出世もだよ」
「嫌か」
「俺は生きてな」 
「それでか」
「安全にお金持ちになりたいんだよ」
「日本でか」
「そもそも皆餓えててな」 
 自分以外の人間がというのだ。
「自分だけ金持ちになっていい暮らしするとかな」
「お前嫌か」
「そんな趣味ないんだよ」
 一切、そうした返事だった。
「もうな、俺も金持ちになりたいけどな」
「皆もか」
「金持ちになっていい暮らししたいだろ」
「俺だってな」
 クラスメイトもそれならと応えた。
「やっぱりそうさ」
「そうだろ、あんな国に生まれても嫌で」
「出世してか」
「それで金持ちになってもな」
 それでもというのだ。 
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