オズのボームさん
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第九幕その四
「今に至るわね」
「オズの国はね」
「素敵な国になったわ」
ドロシーは魔法使いに満面の笑顔で言いました。
「オズマの時代になってから余計にね」
「全くだね」
「それでよ」
エリカと一緒に本棚の壁や上の部分を拭いているガラスの猫が言ってきました。
「ロイヤルブックは終わってないわよね」
「終わる筈がないでしょ」
エリカが応えました。
「だってオズの国は今も続いていてね」
「王室もよね」
「続いているのよ」
だからだというのです。
「終わる筈がないわ」
「そうよね」
「そしてこれからもよ」
「オズの国の王室は続くのね」
「オズマが王女としてね」
そのうえでというのです。
「続いていくわ」
「そうよね」
こうしたお話をしながらです。
皆整頓していきます、その中で皆お部屋も奇麗にしていきますが地下三階であることで大尉が壁を見て言いました。
「地下だからね」
「どうしたの?」
「言うまでもないけれど窓がないね」
つぎはぎ娘にお話しました。
「それは仕方ないね」
「いえ、あるわよ」
ここでこう言ったのはオズマでした。
「ちゃんとね」
「あるの?」
「ええ、開けられないけれど」
それでもというのです。
「ガラスの窓がね」
「あるの」
「壁のボタンを押したらね」
そうしたらというのです。
「壁が透明になってね」
「ガラスの窓になるの」
「そうなのよ」
「そんな仕掛けがあったのね」
「ええ、だから今もボタンを押したらね」
「壁が窓になるのね」
「そうよ、そうしてみる?」
オズマはつぎはぎ娘に微笑んで言いました。
「これから」
「そうね、面白そうだからね」
つぎはぎ娘はオズマの申し出に笑顔で頷きました。
「そうしてみて」
「それではね」
オズマは言われてすぐにでした。
壁の傍にあったボタンを押しました、するとです。
階の壁、天井や床までもがでした。
ガラスになりました、するとです。
地下の全てが見えました、壁の向こう側だけでなくその上下そして図書館の上下の階までがです。これにはです。
つぎはぎ娘も大はしゃぎで嬉しそうに跳びはねて言いました。
「凄いわね」
「面白いでしょ」
「とてもね」
「ただ横が見えるだけでなくてね」
「地下の全てが見えてね」
「お水の中みたいにね」
「それで図書館の上や下まで見えるのね」
「そうなのよ」
「これも魔法なんだね」
ハンクはしみじみと思いました。
「まさに」
「そうだね」
木挽きの馬も同意でした。
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