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レーヴァティン

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第二百六十七話 西に帰りその一

                第二百六十七話  西に帰り
 大坂城でのもてなしが終わるとだった。
 英雄達は久志達を移動の術を用いて東の浮島の要所を巡って案内した、それが一通り終わってだった。
 久志達は戻ることになった、そしてだ。
 堺で空船に乗る時にだ。久志は英雄に話した。
「お前等も案内するな」
「西の浮島の要所にだな」
「デルフォイやヴェネツィアは行ったけれどな」
「他の要所はだったな」
「だからな」
 それでというのだ。
「俺達もだよ」
「案内してくれるか」 
「ああ」
 久志は笑顔で答えた。
「是非な」
「ではすぐに神託を伺うつもりだったが」
「今度はな」
「そちらにまた行かせてもらう」
「是非な、それでな」
 久志はさらに言ってきた。
「今度は空船使わなくていいからな」
「すぐにヴェネツィアにでも行かせてもらう」 
 英雄は表情を変えずに答えた。
「そうさせてもらう」
「それじゃあな」
「ではな」
「待ってるぜ、あと堺まで送ってくれたが」
「空船はもう帰らせているな」
「これで何時でも行き来出来るからな」
 そうなったからだとだ、久志は答えた。
「そうさせたぜ」
「ではだな」
「今からローマに戻るな」
「帰ったら連絡をしろ」
「貝殻でな」
「待っている」
 英雄も応えてだった。
 彼等は今は別れた、そして三分も経たないうちに久志は貝殻で英雄に言ってきた。
「ローマに着いたぜ」
「一瞬でだな」
「それで今連絡したがな」
「まさにすぐだった」
「よし、じゃあ今度はそっちが来てくれ」
「そうさせてもらう」
 こう返してだった。
 英雄達は程なくして西の浮島に移動の術で行ってだった。
 ヴェネツィアに出たがそこに久志達がいて浮島を案内してもらった、そしてそれが終わってからであった。
 英雄は久志にローマの彼の宮殿の中で話した。
「これでだ」
「お互い瞬時にな」
「浮島を行き来出来る様になった」
「そうだよな」
「これで万全だ」
「帝国と幕府はお互いに助け合えるな」
 このことを言うのだった。
「完全に」
「国家連合に相応しくな」
「そうなったな」
「いいことだ、それじゃあな」
「いよいよだ」
 時が来た、そうした顔だった。
「俺達はだ」
「神託を伺うな」
「その時が来た」
「じゃあ俺達はデルフォイに向かうな」
「俺は都に向かう」
「それぞれそうしてな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「神託を伺う」
「そうするな」
「あくまで俺の見立てだが」
 久志にこう前置きして述べた。 
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