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レーヴァティン

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第二百六十六話 東に来てその九

「米酢だとな」
「食えるな」
「そうだよ、本当に美味いぜ」 
「それは何よりだ、ではどんどん食え」
「そうさせてもらうな」
「そして酒もだ」
 英雄はその酒を漆塗りの盆で飲みつつ話した。
「楽しめ」
「それじゃあな、あと俺達皆煙草吸わないからな」
「それは俺達もだ」
「そういえば誰もあっちで吸っていなかったな」
「全員な」
「吸わないな」
「酒は飲むが」 
 しかしというのだ。
「煙草はな」
「吸わないな」
「趣味じゃない」
 英雄は一言で答えた。
「だから吸わない」
「そうなんだな」
「産まれてから一本も吸ったことがない」
「よく中学高校で吸ってる奴いるな」
 言うまでもなく本来は吸ってはならない、法律に触れるだけでなく未成年が喫煙しては非常に身体に悪い。
「お前等も俺達もそれはないってことだな」
「趣味ではないし身体にもだ」
「悪いか」
「だからな」 
 それでというのだ。
「吸わない」
「そうなんだな」
「酒は多少なら薬になるが」
 言いつつ多く飲む、英雄はかなり飲む方であるのだ。
「しかしな」
「煙草は毒にしかならないか」
「そうしたものだな」
「ああ、あれはな」
 久志も否定しなかった、そう答えつつ今は寿司を食べている。ネタは鳥貝から食べその後で赤貝を食べた。
「だからだ」
「吸わない様にしていてか」
「実際にそうしている」
「そういうことか」
「それはお前もだな」
 すき焼きの肉を食べつつ問うた。
「そうだな」
「ああ」 
 その通りだとだ、久志も答えた。
「もうそれがわかっていて何がいいのかわからなくてな」
「吸わないか」
「そうしないとな」
 さもないと、というのだ。
「長生き出来ないってな」
「言われているな」
「子供の頃そう言われてだよ」
 それでというのだ。
「本当にな」
「吸わないな」
「そうしてるんだよ」
 実際にというのだ。
「俺はな、しかもな」
「まだ理由があるか」
「ああ、吸ってると飯がまずくなるってな」
 その様にというのだ。
「聞いてな」
「そうも言われているな」
「だからだよ」
 このこともあってというのだ。
「俺はな」
「煙草は吸わないか」
「そうなんだよ」
「俺はそこまで考えていなかった」
「そうなんだな」
「ただ未成年で吸うことはな」
 これはというのだ。 
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