人とライオンの絆
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第一章
人とライオンの絆
メキシコを拠点とする動物保護団体ブラックジャガーホワイトタイガー財団は過去に虐待されたり飼育放棄された虎やライオン、豹、ジャガーといった大型のネコ科の生きものを保護していて今は三十頭程をそうしている。
かつてこの団体に所属していて今はスロバキアで働きつつ保護活動を行っているアドルフォ=バビントン黒髪で明るい顔立ちの青年であり生物学者である彼は久し振りにその団体に訪問する時にだった。
案内するジャーナリストに笑顔で話した。
「私もここに数年前いまして」
「スロバキアの大学にスカウトされるまではですね」
「はい、大学で教鞭を取りつつです」
働きつつというのだ。
「そうしてです」
「活動をされていましたか」
「はい」
そうだったというのだ。
「それで色々な子を保護して育てていました」
「そうでしたね」
「それでその中で、です」
彼は笑顔で話した。
「キアラという雌ライオンがいまして」
「その娘も保護してですか」
「はい」
そうしてというのだ。
「ここに生きもので一番の仲良しになりました」
「そうでしたか」
「数年前ですが」
それでもとだ、バビントンは話した。
「今も元気とのことで」
「お会いしたいですか」
「心から」
こう答えたのだった。
「そう考えています」
「そうなのですね」
「ですから今から」
「その娘のところにですね」
「貴方の案内をさせてもらい」
それと共にというのだ。
「そうしてです」
「会われますか」
「そうさせてもらいます」
笑顔で話してだった、そしてだった。
バビントンはジャーナリストを案内してだった、そのキアラがいる場所に向かった。するとだった。
一匹の雌ライオンは彼を見ると飛び付いてきた、そして彼を抱き締めてきた。
「ガウッ」
「キアラ元気だったか」
「ガウ」
喉を鳴らしさえしていた、そしてだった。
二人はその場で遊んだ、ジャーナリストはそんな彼を見て言った。
「ライオンは猛獣ですが」
「しかしちゃんと餌付けも教育も受けていますから」
「人を襲わないですか」
「はい、それにです」
バビントンはジャーナリストにキアラと遊びながら話した。
「僕はこの娘がまだ赤ん坊の頃から一緒で」
「育ててこられましたか」
「絆がありますから」
だからだというのだ。
「この通りです」
「今もですか」
「仲がいいです、覚えてくれていて」
キアラが自分のことをというのだ。
「本当に嬉しいですよ」
「ガウガウ」
キアラは終始とても嬉しそうだった、彼等は団体の施設にいる間ずっと一緒だった。
バビントンは仕事を終えると祖国を後にしてストバキアに戻った、そうしてそちらの大学で働きつつだった。
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