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レーヴァティン

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第二百六十三話 全ての話を整えその十六

「そうだな」
「また言うたい」
「悪人を裁いてこそだな」
「世は治まるたい」
「そうだ、善人を護りだ」
 そうしてというのだ。
「悪人を裁くのがだ」
「天下の在り方たい」
「罪と言っても色々でな」
「仲には仕方なくや過失もあるとよ」
「そうした場合は事情を考慮してだ」
 その様にしてというのだ。
「刑罰を軽くすることもだ」
「当然たい」
「徳川幕府がそうした様にな」
 幕府は評定所、刑罰を定めるそこが決めた刑罰を大老か老中が一等か二等軽くしていた。これは井伊直弼以外どの様な大老そして老中も守っていた。
「俺達もだ」
「行うべきたいな」
「仕方ない場合や過失犯は仕方ない」
「そうたいな」
「高瀬舟の様なこともある」
 森鴎外の代表作の一つだ、自殺しようとして死に切れぬ弟の首を切って楽にしてやった兄が出て来る安楽死を題材にした作品である。
「ああした場合はな」
「死罪にはしないたい」
「無罪かどうかは考えるが」
 それでもというのだ。
「しかしな」
「死罪には出来んとよ」
「とてもな」
「有罪かどうかもたい」
「難しいところだ」
 それに処することもというのだ。
「安楽死はな」
「本当に難しか問題たい」
「どうもな」
「医学会でも議論になっているとよ」
 起きた世界のそちらでもというのだ。
「それがいいかどうか」
「そうなっているしな」
「この世界でもある問題たい」
「俺達も判断に困る」
「そしてそうした場合は」
「刑罰を与えるにしてもな」
 それでもというのだ。
「やはりな」
「軽くするたいな」
「そうする、外道は嬲り殺しにするが」
「そうした場合はとよ」
「軽くする」
 刑罰をとだ、こう話してだった。
 英雄は仲間達と共に今の仕事をしていった、西の浮島でも書類仕事をしながらそのうえでこう話したのだった。


第二百六十三話   完


                  2022・6・23 
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