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レーヴァティン

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第二百六十三話 全ての話を整えその七

「それも並の狂人ではなく」
「人間ではないな」
「肉体的にはそうですが」
 それでもというのだ。
「その心はです」
「怪物だな」
「魔物でもありません」
 この世界にいる彼等とも違うというのだ。
「狡猾、卑劣、無恥、下劣、残虐、陰湿の各要素を極め」
「良心を持たないだな」
「どういった悪事や恥知らずな行いも平然と行える」
「そうした怪物だな」
「魔物は獣と同じです」
「本能があるな」
「そして愛情や彼等の中のルールがありますが」
 それでもというのだ。
「ベリヤにあるのはです」
「自分だけだな」
「自分自身の権力欲とです」
「性欲のみだな」
「後はそのおぞましい嗜虐性です」
「まさに外道だな」
「はい、あの様な輩が出れば」
 表に出てくればというのだ。
「躊躇してはいけません」
「殺すべきだな」
「そうすべきです」
「さもないと多くの犠牲が出るな」
「例え秘密警察のトップでなくともです」
 ベリヤはそちらで悪名を歴史に刻んでいるがだ。
「彼は性犯罪者でした」
「シリアルキラーだったな」
「そうなっています」
「間違いなくな」
「こうした輩はどの様な立場でもです」
 例え秘密警察なりのトップでなくとも、というのだ。
「殺さなくてはです」
「この世に禍を為すな」
「そうなります」
 確信を以ての言葉だった。
「まさに、しかし幸いなことにベリヤを好きな人はいるか」
「あいつと同時代のソ連でもだな」
「果たして」
「いる筈がないな」
「流石に息子さんには愛されていましたが」
 そして彼の弁護を生涯続けていたという。
「しかしです」
「息子さん以外はな」
「いないです」
「そうだな」
「むしろ息子さんが愛情を持っていて」
 そうしてというのだ。
「生涯名誉回復を訴えていた」
「その方が凄いか」
「どう見ても認められる要素がありません」
 ベリヤという輩はというのだ。 
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