イベリス
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第七十話 尊敬と軽蔑その二
「咲もある程度ね」
「そうしたタイプだったのね」
「そうみたいね」
「スポーツはしなくても」
「身体動かしたら」
それでというのだ。
「いい汗かいて」
「気分転換になるのね」
「それでお勉強もはかどるの」
「じゃあお散歩でもいいのね」
「いいわよ、歩いたらね」
日常のこの行為でもというのだ。
「結構な運動になるしね」
「大したことじゃなくても」
「それでもよ、一日一万歩も歩けば」
そうすればというのだ。
「結構以上なね」
「運動になるのね」
「そうなのよ」
「そうなのね」
「だから歩くことね」
母は言い切った。
「ダイエットにもなるしね」
「運動はいいダイエットよね」
「そう、だから熱心に歩いていたらね」
「その分痩せるのね」
「そうよ、頭を使ってもカロリー消費するしね」
「だからお勉強してもいいのよね」
ダイエットにとだ、咲も話した。
「そうよね」
「そう、それに加えてね」
「歩いたりしていたら」
「太らないわよ」
「そうなのね」
「だから歩いていくのよ」
「スポーツが嫌いでも」
咲はまた言った。
「歩くだけでいいのね」
「歩くことは嫌いじゃないでしょ」
「ええ、それはね」
「だったら歩いてね」
「それじゃあね」
母のその言葉に頷いて応えた。
「そうしていくわね」
「ええ、多少太ってる位ならいいけれど」
「多少ならなの」
「そう、健康にも問題はないわ」
「多少ならいいのね」
「そうよ、流石に太り過ぎは駄目だけれどね」
それはというのだ。
「健康に悪いから」
「アメリカ人にいるみたいな」
「ああした太り方だとね」
それこそというのだ。
「身体に悪いわ」
「ああした太り過ぎは」
「そう、命に関わるから」
だからだとだ、母も話した。
「あそこまで太ったら駄目よ」
「お腹が脂肪まで垂れ下がっている様な」
「そうしたね」
まさにというのだ。
「肥満はね」
「身体に悪いどころか」
「命に関わるわよ、逆に痩せ過ぎもね」
こちらもというのだ。
「身体に悪いけれどね」
「そちらもよね」
「太り過ぎと痩せ過ぎは同じなのよ」
「正反対に見えて」
「極端になるとね」
「何でも同じになるのね」
「そうよ、太り過ぎも命の危険があって」
それでというのだ。
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