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山火事から助かった猫達

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第二章

「ウニャア」
「ニャア」
「ニャン」
「ミャウン」
「生後四週間位ですね」 
 獣医は付き添っているコールマンに話した。
「この子達は。それで親は」
「親のこともわかっていますか」
「ええ、あの辺りにいる雌の成体のボブキャットは」
 コールマンに知的な調子で話していった。
「Bー三六二ですね」
「その娘ですか」
「名前はマリーといいます、マリーですが」
 母親のことも話していった。
「備え付けているGPSをチェックしますと」
「どうなんですか?」
「動いているから無事ですね、それでは一緒に保護して」
「親子で、ですか」
「一緒に暮らしてもらいましょう」
「落ち着くまで」
「はい、この火事が」
 災害がというのだ。
「そうしてもらいましょう」
「それでは」
「母親も仕方なく逃げたのでしょう」 
 山火事からというのだ。
「ですがこうしてです」
「子供達は無事だったので」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「また一緒になってもらって」
「落ち着いたらですね」
「自然に戻ってもらいましょう」
「それでは」
「はい、是非」
「そうしてもらいましょう、アマゾンでもです」
 獣医はここでこちらの話をした。
「この前大火事がありましたね」
「あれは政府が何もしなかったですね」
「あそこはそれで余計に酷いことになりましたが」 
 獣医は苦い顔で話した。
「その中でもタイガーキャットの子供が保護されてもいますし」
「そうしたこともあったんですね」
「そうです、そしてアメリカでは」 
 カルフォルニアではというのだ。
「州政府も連邦政府も動いてくれていますし」
「出来るだけ多くの命をですね」
「救っていきましょう」
「はい、人も他の生きもの達も」
 笑顔で話した、そうしてだった。
 コールマンは仲間達と共に働き続けた、そして今はハナコそれにボブキャットの母子達が幸せになっていると聞いた。それでこれからもこの仕事を続けて命を救っていこうと神と自分自身に誓ったのだった。


山火事から助かった猫達   完


                 2022・9・25 
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