災害があっても大丈夫
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第一章
災害があっても大丈夫
大地震が起こった、夫婦共地震が起こった時は仕事に出ていて無事だったが。
家に帰って瓦礫の山になっているのを見てだ、夫の志村恭一も妻の麗子もすぐに家の愛猫であるトミーを探した。
だがトミーは何処にもいなかった、それでだ。
「あれに頼るか」
「そうね」
妻は夫の言葉に頷いた、夫は一七〇程の背で痩せていて丸い目で面長で穏やかな顔立ちで黒髪をショートにしている。妻は一五七位の背で卵型の顔に大きな目と細い目を持っていて均整の取れたスタイルで黒髪を長く伸ばしている。
「こうした時はね」
「瓦礫になったお家の中にいたらな」
「そうしたら助けてあげるし」
「何処かに逃げていても」
「これで見付かるわね」
「ただ、な」
「無事であって欲しいわね」
夫婦で深刻な顔で話してだった。
そうして夫のスマートフォンでGPSを観るとだった。
近所の公園の方にいた、それで夫婦はまずはほっとした。
「よかった、無事だぞ」
「公園の方にいるわね」
二人共まずはほっとして言った。
「それじゃあね」
「お家のことも大変だがな」
「まずはね」
「迎えに行こう」
夫婦で話してだった。
そのうえで公園に行くとだった。
ブランコのところに黒と白の八割れの猫がいた、雄である。
その猫を見てだ、夫婦で猫に声をかけた。
「トミー!」
「トミー、こっちよ!」
「ニャアン!」
名前を呼ばれた猫は二人の子を聞くとだった。
彼等に顔を向けた、すると。
すぐに二人の方に駆け寄った、そうして妻が彼を抱き締めてだった。
一家はまた一つになった、しかし。
「暫く避難所生活が続きますので」
「その間はですね」
「私達もですね」
「ペットの子とは暮らせないので」
避難所ではとだ、市役所の人が夫婦に話した。
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