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展覧会の絵

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第八話 絞首台のかささぎその五

「どういうことかな、それは」
「だから。この娘で楽しむのは叔父様だけかしら」
「ああ、そういうことか」
「兄さん呼ぶ?それともあの四人を呼ぶ?」
「あの四人にするか」
 彼等にするというのだ。
「あの四人はもう一人の幼馴染の。何だったかな」
「春香ね」
「そうそう、あの娘にはあまり手をつけていなかったね」
「四人共春香には興味がないらしいからね」
「だからか」
「叔父様と一緒でね。けれど叔父様は」
「ああ、あの娘も何度かな」
 味わったとだ。下劣なものに邪悪なものを宿らせて言ったのである。
「楽しんだよ」
「あの娘が陥ちたのは兄さんだけじゃないのね」
「私に陥ちない女はいないよ」
 由人は何処からか煙草を出してきた。それを吸いながらだ。
 そのうえでだ。こう雪子に言ってきたのである。
「それはな」
「叔父様の責めと。そしてだ」
「薬ね」
「薬の力は素晴らしい」
 薬のことをだ。由人はこう言うのだった。
「だからだ」
「陥ちない女はいないのね」
「ではこの娘も。薬を打つか」
「覚醒剤?それともマリファナ?」
「覚醒剤にするか」
 それにだとだ。由人は決めた。
「それではな」
「あれね」
「そうだ、あれだ」
 そのだ。覚醒剤にだというのだ。
「今のうちに打つことができるからな」
「そうね。注射でね」
「今のうちに打ちだ」
 そしてだというのだ。
「楽しむ時には薬で溺れる様にしてな」
「そうね。それじゃあね」
「覚醒剤にする」
 由人ははっきりと言った。
「ではな」
「今からね」
「彼等も呼んでくれ」 
 由人は下卑た笑みのまま雪子にだ。また言った。
「そして私の後でだ」
「この娘で楽しんでもらうのね」
「報酬だ」
 それでだというのだ。
「彼等にもな」
「そうね。あの四人は本当にいい働きをしてくれるから」
「私達の手伝いをな」
「だからね」
 それでだとだ。二人で話をしてだった。
 由人は眠り薬で寝てしまった雅をあの様々な禍々しいものが置かれた部屋に入れてそのうえでだ。雅が目覚めたところでだ。こう告げたのだった。
「では君は今から私の奴隷になるのだよ」
「まさか。その為に」
「意味がわかる様だな。では話が早い」
 本人にも好色な下卑た笑みで告げる。その両手と両足は手錠で動けなくしている。
 そのうえで手に鞭や下種な道具を持ちだ。雅に近付きだ。
 そうしてだ。こうも言ったのだった。
「今からはじめようか」
「くっ、こんな・・・・・・」
「じきによくなる」
 雅に一歩一歩近付きながらだ。由人は言っていく。服はまだ着ているがそれはただの飾りに過ぎなかった。雅には彼のおぞましい肉体が見えていた。
 その肉体に穢される、雅はそのことを考え気が狂いそうになった。しかしだ。
 逃げられなかった。手錠はもがけばもがく程食い込んでくる。立ち上がろうとしても足が動かず倒れ込んでしまった。そして見上げるとそこにだった。
 由人がいた。雅は今生まれてはじめて心の奥底から絶望を感じた。その絶望のままだった。 
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