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レーヴァティン

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第二百五十九話 ヴェネツィアに向かう中でその二

「それぞれの地域の文化もな」
「違いがあるな」
「かなりな」
「そうだな」
「そっちは浮島自体の面積は同じでもな」
 それでもというのだ。
「地域の違いがこっち程じゃなくてな」
「東北でも米が採れるしな」
「文化の違いもないだろ」
「琉球と蝦夷は結構違うがな」
 それぞれ北と南の端はというのだ。
「しかし本州と四国、九州はな」
「そうだろ、それはな」
 まさにというのだ。
「そっちの特色でな」
「こちらはこちらでか」
「特色があるんだよ」
 こう英雄に話した。
「そういうことだよ」
「それで統治にもだな」
「そうしたことも頭に入れてな」
 そうしてというのだ。
「やってるさ」
「そうなのだな」
「ああ、それであとちょっとしたらな」
「ヴェネツィアだな」
「あそこに入ったらな」
「条約を結ぶな」
「国家は違うがな」
 久志は表情を変えた、これまでは何処かのどかさもあったがそれを完全に消して真剣そのものの顔にして語った。
「しかしな」
「完全に強力し合う」
「ああ、国家連合みたいになってな」
 そうしてというのだ。
「戦っていこうな」
「海の魔神とな」
「それで魔神についての研究もな」
「完全に協力し合ってな」
「やっていこうな」
「一国で難しいならだ」
「二国だな」
 久志も言った。
「是非な、しかしな」
「同盟を結び連合になるにしてもだ」
「息を合わせていかないとな」
「互いに足を引っ張る様ではだ」
「同じというかな」
「一と一を足して二になるどころかだ」
 むしろというのだ。
「マイナスになる」
「そうなんだよな」
「だが息を合わせるとな」
 それならというのだ。
「二どころかだ」
「三にも四にもなるな」
「それが連合というものだ」
「ハプスブルク家がそうだったな」
「そうだな」
 幸正は芳直の言葉に応えた、二人も景色を観ている、それを楽しみながらそのうえで話すのだった。 
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