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レーヴァティン

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第二百五十六話 宴を楽しみつつその五

「思想家って偉いの?」
「その本の内容次第でね」
 双葉が答えた、彼女はソーセージを食べている。
「そうよ」
「そうなのね」
「それでそんな馬鹿な思想家はね」
「偉くないのね」
「俗物の教祖が偉大に見えるなら」
 そうであるならというのだ。
「もうね」
「それこそなのね」
「それまでも知れてるわよ」
「そう言うまでも」
「そうよ、お金に女に権力を求めてばかりでね」
 もっと言えばテロも行わせている。
「そんな奴が偉大に見えるなら」
「最初からなのね」
「もうね」
「知れたものね」
「粕と白米はまだ見間違うかもね」
「ああ、白米ね」
 留奈も言った。
「文字の順番を変えたらね」
「粕になるでしょ」
「実際に変わりないしね」
「けれどその辺りの石コロとダイヤモンドを間違えたら」
 それならというのだ。
「もうね」
「馬鹿ね」
「そうよ」 
 そうなるというのだ。
「それならね」
「そしてそんな馬鹿の本は」
「詠んでも無駄よ」
「時間の無駄ね」
「得られるものなんてないわよ」
 双葉は断言した。
「よく漫画を馬鹿にする人いるけれど」
「そんな馬鹿の本読むよりもなのね」
「ずっとね」
「役に立つわね」
「ためになるわよ」
「そうなるのね」
「そうよ、だって普通の漫画家さんもわかるわよ」
 それこそという口調で言うのだった。
「そんな奴が偉大かどうかなんてね」
「俗物だって」
「浄土に近い人がお金や女の人にこだわるか」
「言うまでもないわね」
「それならよ」
「漫画読む方が遥かにいいわね」
「馬鹿な思想家の本読むよりはね」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「そういうことね」
「ええ、若しくはこうしてよ」
 双葉はワインを飲んでも話した。
「お酒を飲む方がね」
「いいのね」
「そんなの本読むよりもね」
「お酒飲む方がいいのね」
「だって時間の無駄よ」
 そうした輩の本を読むことはというのだ。 
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