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インフィニット・ストラトス ~五年後のお話~

作者:リクヤ
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学園生活
  第十二話 入院初日!

「うむむ、きっくんのISはいっくんのと違うフラグメントマップだね。白式とはあまり共通点がないなー」

そう言うのは天災、篠ノ之 束である。
今、彼女は俺のISである『インディゴ・ドラグーン』のデータを調べている。


「いっくんときっくんはあんまり共通点が無いからISに共通点があると思ったんだけどなー」

「束さんでも分からないことがあるんですね」

「さすがにねー。ISは自分で作っておきながら分からない事があるからねー。成長するように作ったら予想を完全に超えちゃったのだよ」


自己成長するような機械作れるほうがおかしいんだよ・・・

この人と話していると本当に世界を変えた天才なんだと実感する。


「うん。見させてくれてありがとうねー、きっくん。お礼に良い物ISのスロットに入れといてあげるねー」



良い物?一体なんだろう?今の体では展開出来ないので後で見てみよう。

あ、そういえば・・・

「束さん、あの無人機の腕の材質って何ですか?」

「?そんなことがどうしたんだい?」

「いやー、職業柄というかISの武器に使えそうなので気になっちゃいまして」

「そういえばきっくんは武器を作ってるんだったね!でも、残念ながらあの腕は束さんオリジナルだから使えないよ」

「そうですか・・・」


あれが手に入るなら作りたい武器もあったのだが仕方ない。


「輝龍、もういいか」

「あ、はい。」

「そろそろ行くぞ、束」

「うん、おkだよ。あーちゃん!」

「じゃあ輝龍、私は仕事があるからじゃあな」

「私も帰るとするよー。さすがにこれ以上いると警邏隊が来ちゃうからね!」

「早く怪我直せよー」

「じゃあねー。ばっははーい!」

「・・・」


手を振りながらそう言って二人は病室を出て行った。


怪我人の睡眠を邪魔した挙句、鳩尾に攻撃を喰らわせしたいことをして帰っていった。


ほんと嵐のような人達だったな。


「何だかとても疲れた・・・」


怪我のせいで明日は学校に行かなくて良いからゆっくり寝よう。


窓ガラスが割れてるけど明日誰かが来て気付くだろう。
束さんが来たことを連絡しなければいけないのだろうけど、何だかめっちゃ疲れたからいいや・・・



そして俺の意識は落ちていった。






――――――――
次の日


1-1教室


一夏SIDE


「えー、今日からIS学園の教師になりました。アレス・ランスロットです。みんなとはISの実技で会うことになるかな。非常勤なので毎日はいないけど居る時には気軽に話しかけてくれ」



そう話すのは昨日、角
かど
でぶつかったあの女性である。まさか新しい教師だったとは驚きである。今日の朝いきなり会議で紹介されたときには驚いて声を上げてしまった。


今は昨日とは違い、ちゃんとした黒のスーツを着ている。かなり綺麗で、クラスの女子はランスロット先生を見て惚けてしまっている。

「うわぁ・・・凄く綺麗・・・」
「モデル見たい・・・」


そう言えば西条と関係があると言っていた。まさかこの人が昨日の犯人では・・・いや、考えすぎか。


「じゃあ今日の二校時目の実習の授業からランスロット先生に教えてもらいます。では、これで今日のSHRは終わりでーす。皆さーん、帰ってきてくださーい」

「「「「はっ!!!」」」」


惚けていた生徒達が山田先生の声で我に帰る。こうして新任のランスロット先生を加え、一日の朝が始まった。







     ◆      ◆      ◆

二校時目


第三者SIDE


二校時目になり、今はグラウンドに一組と二組の生徒が集合している。
みんな新しい先生の初めての授業なので期待しているようだ。

「みんな揃ったかー?授業始めるぞー」

アレスがそう声をかける。
今のアレスはスーツではなく、いつも着ている赤色のジャージである。


「ランスロット先生・・・ジャージも似合う!!」

「これは早くファンクラブを作らなければ!!頑張るよ、みんな!!」

「「「ラジャ!!!」」」

・・・早速人気が出ているらしい。


ちなみに今あるファンクラブは
織斑一夏・織斑千冬・西条輝龍の三つである。ただいま一番人気は輝龍のファンクラブである。



「こらそこ、喋ってんじゃないぞ。じゃあこれから今日の授業でやることを教えるね。」


その声で話し声が止み、みんなが集中してアレスの話を聞いている。



「この授業は実技ですが、まだみんなははっきり言ってドの付く初心者です。なのでまだISに乗ることはできません。では、何をするのかと言うと―――」





「『鬼ごっこ』をします」




「「「「へ?」」」」


生徒から間の抜けた声が出る。
無理も無い。授業でいきなり鬼ごっこをすると言われたら驚いてしまうだろう。


「先生」

そんな生徒たちの中から一人の少女が手を上げた。
アリシア・アルバレルトである。

「鬼ごっこってあの鬼ごっこですよね。」

「ああ、そうだね。まあ少しルールは違うけどね」

「そんな事をする意味があるのですか。」

「お、質問だね。えーと・・・名前は?」

「アリシア・アルバレルトです」

「そうか、アリシアね。じゃあアリシア、その質問に答えるなら答えは体力作りだよ」

「体力作り?そんな事よりも整備の方法とか学んだほうが有意義だと思うんですけど」

「なるほどね、お前はそう思うわけか。でもそれは大きな間違いだね」

「・・・何でですか」

「確かにすぐ使える技術としたらそっちのほうがいいだろうね。でも、強くなるためには今は体力が大切なんだよ。私は高いレベルにみんなを育てるつもりだからね。信じられないなら信じなくていいよ。君一人が強くなれないだけの話だ。」

「・・・わかりました。信じるかどうかは今日の授業を見て決めます。」

そう言ってアルバレルトが座る。


(アリシアみたいな気の強いのは良いね。結構気に入ったよ。それでもまだ弱いのは変わらないけどね)


「さて、じゃあこれからやる鬼ごっこのルールを説明するよ。鬼は私。私が誰かに触ったとしても鬼は交代しない。これが一番違うところかな」

「先生、じゃあタッチされた人はどうなるんですか?」


一人の生徒が質問する。確かにタッチされても鬼にならないのなら鬼ごっこが成り立たない。


「ああ、私に捕まった人は腕立てか腹筋かスクワットの好きなのを15回ね」


つまり捕まったら罰ゲームということである。


「よし、じゃあ一分後に開始するぞー」


その声を受けてみんなはグラウンドに散らばりだす。


「・・・よし。じゃあ鬼ごっこ始まりー」


こうしてアレスの最初の授業、鬼ごっこが始まったのである。









~20分後~


「はーい、これで終了ーー」


鬼ごっこ開始から二十分が経った頃、アレスが終了の合図を出した。


「・・・・・・・・・」


しかしその声に反応するものはいない。


何故なら、みんな立てない位に疲れてしまっているからである。
もう声を返す気力すら残っていないのである。


最初はみんな、楽が出来ると思っていた。

何故なら鬼は先生の一人だけ。それに対して逃げるのは二クラスの約六十名。

この人数では捕まらずに済むのではないかと思っていた。


しかし、そんなにアレスは甘くは無かった。
まず、開始直後に五人にタッチし、その後もペースを落とすことなく最後まで走り続けたのだ。


その結果、一人当たり10回程捕まることになってしまったのである。



「何なの・・・先生のあの速さ・・・」

「通常の三倍ぐらいで出たよね・・・」

「もう無理・・・立ち上がれない・・・」


「仕方ないなー。みんな疲れているようだから終わりの挨拶は無しで解散でいいよ。」

((((そう言われても立ち上がれないんですけど))))






三校時に皆が遅れたのは言うまでもない。




――――――――――――

昼休み

病室


輝龍SIDE


「暇だ・・・」


俺、西条輝龍はとてつもなく暇だった。
入院中なのですることが限られてしまい、先ほど読んでいた本も読み終わってしまったのだ。


「パソコンもすること無いしな・・・」


そんなことを思っていたらドアがノックされた。


「どーぞ、入っていいですよー」

「失礼します」


その声と共に入ってきたのは見知らぬ赤髪の少女だった。師匠より少し暗めの色である。

はて、こんな人知り合いに居たかな?


「西条輝龍さんですよね?」


「ええ、そうですけど」


「突然ですみませんが――――」

入ってきた少女は手を合わせて小首を傾げながら・・・


















「私と付き合ってもらえませんか?」













「・・・へ?」




爆弾発言をした。 
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