レーヴァティン
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第二百五十四話 両者の再会その五
「じゃあ宴の用意もな」
「するな」
正が応えた。
「これより」
「帝国の山海の珍味と美酒とは言わないさ」
「俺達もあちらも食って美味いものを用意するな」
「ああ、そしてな」
そのうえでというのだ。
「あいつ等には楽しんでもらう」
「そして俺達もだな」
「ああ」
まさにと言うのだった。
「東の浮島の料理を食ってな」
「日本酒もだな」
「楽しむな、そしてそれは夜でな」
「昼はだな」
「政の話をしてな」
そうしてというのだ。
「条約をだ」
「結ぶな」
「そうするな」
こう言うのだった。
「ここで」
「必ず成功させるな」
「というか別にどっちかが得をして損をするか」
「そうしたものではないな」
「倒すか倒されるかだろ」
久志は正に強い声で述べた。
「魔神について」
「それならだな」
「お互い全力で向かわないとな」
「勝てないからか」
「詳しいことはわかっていないがな」
それでもというのだ。
「神様だからな」
「どちらも全力で向かわねばな」
「勝てないな」
「そうだからな」
それ故にというのだ。
「お互いの損得じゃないからな」
「条約の締結は成功するな」
「問題はそれからだろ」
条約を結ぶの目的でなくというのだ。
「むしろ」
「どうして魔神と戦うかな」
「そうだな」
「だから条約締結が目的でなくな」
「その条約をどう魔神に使うか」
「それが問題だからな」
だからこそというのだ。
「結べるさ、お互いそのつもりだしな」
「ではな」
「ああ、政の話をする準備もな」
「していくな」
「会議は踊るじゃなくてな」
ここにされど進まずとなる、ナポレオンが倒れた後のウィーン会議で話がまとまらなかったことを風刺した言葉だ。
「進んでな」
「終わらせるか」
「その準備もしような」
「そういうことだな」
「それでな」
久志はさらに話した。
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