プリンセスは世間知らず
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第四章
エレオノールは自ら馬に乗り剣を振るい強力な魔法まで使ってだった。
部隊全体を指揮しつつ戦った、そうして多くのモンスター達を倒し。
彼等が臆したところで突撃を行い退けた、その損害はというと。
「何人かの兵士が傷付きましたが」
「死者はですか」
「出ていません、重傷の者もです」
マルゴはエレオノールに敵を退けた後で報告した。
「出ていません」
「それは何よりです、ではです」
「先に進みますか」
「周囲の警戒を怠らないで下さい」
勝利を収めた直後でも油断せず指示を出した。
「そして手当てが終わればです」
「先に進むのですね」
「そうしましょう」
毅然として言った、自ら勇敢に戦ったが疲れは見せていなかった。
エレオノールは兵達の手当ての後で再び進軍を開始した、何度もモンスターの大軍の攻撃を受けたが全て無傷で退けてだった。
遂にドラゴンのところまで来た、エレオノールは翼を生やし四本の足を持つ巨大な赤いドラゴンを見て冷静に言った。
「氷系の術を使えるだけ使うのです」
「氷系ですか」
「はい、このドラゴンはレッドドラゴンです」
ドラゴンは山の頂上にいて自分達を見降ろしている、エレオノールはそのドラゴンを見上げつつマルゴそして兵達に冷静に話した。
「炎のドラゴン、冷気に弱いので」
「だからですか」
「ここはです」
「氷の魔法を使うのですね」
「はい、また攻撃力や素早さを上げて個々の戦闘力を高め」
エレオノールはさらに話した。
「敵を囲み戦いましょう」
「そうしますか」
「集まっていてはドラゴンのブレスにまとまって攻撃を受けますので」
「包囲してですか」
「分散してです」
そのうえでというのだ。
「周りから攻撃を行い」
「戦うのですね」
「そうしましょう」
是非にと言うのだった。
「ここは、そしてブレスから身を守る魔法もです」
「そちらもですか」
「使いましょう、そうして戦いましょう」
次々と指示を出してだった。
エレオノールは自分達を悠然と見下ろすドラゴンを囲んだ、彼女とマルゴがドラゴンの正面に馬に乗って立ち。
総攻撃に移った、氷系の魔法を使える者は集中的にドラゴンにその魔法を放ち。
炎のブレスのダメージを軽減する魔法に攻撃力や素早さそれに防御力を高める魔法を使い敵を囲んで戦っていった。
ドラゴンは流石に強かった、だが。
やはり氷の魔法に弱かった、それを幾度も受けていくうちに弱っていき。
エレオノールの突きを首に受けて遂に倒れた、それを見て兵達も驚いた。
「ドラゴンを倒したわ」
「誰も犠牲に出すことなく」
「姫様のご采配とご活躍で」
「それが出来るなんて」
「半分以上の犠牲を覚悟していたわ」
マルゴも言った。
「けれど負傷者は多くても」
「皆命に別状はありません」
「立てます」
「そして歩けます」
「そうね、姫様がおられたからこそ」
まさにというのだ。
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