ウルトラマンカイナ
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女傑編 ウルトラガールズファイト 後編
前書き
◇今話の登場ヒロイン
◇猫島菜緒
都内の大学に通う女子大生であり、同級生の八月朔日要に密かに想いを寄せている。ミスコンで優勝するほどの美少女でもあり、パルクールを得意としている。抜群のプロポーションと、艶やかな黒髪のポニーテールの持ち主。18歳。
スリーサイズはバスト90cm、ウエスト54cm、ヒップ85cm。カップサイズはF。
※原案は黒子猫先生。
◇辻凪あやめ
暁嵐真の同僚である女性教師であり、彼に仄かな想いを寄せている。漫画制作が趣味であり、「ツジーン」というペンネームでSNSに漫画を投稿しているらしい。黒のボブカットと、眼鏡を掛けた愛らしい容姿の持ち主。19歳。
スリーサイズはバスト96cm、ウエスト58cm、ヒップ89cm。カップサイズはH。
※原案はリオンテイル先生。
◇風祭梨々子
BURK司令官を父に持つ風祭弓弦の妻であり、新婚間も無いスタイル抜群の爆乳美女。黒髪のショートヘアの持ち主。22歳。
スリーサイズはバスト105cm、ウエスト62cm、ヒップ94cm。カップサイズはJ。
◇尾瀬智花
風祭梨々子の親友であり、彼女とは学生時代からの付き合いである女子大生。ポニーテールに纏められた茶髪の持ち主。22歳。
スリーサイズはバスト84cm、ウエスト56cm、ヒップ92cm。カップサイズはD。
「不味いぞ、このビルのすぐ近くには大通りがあるというのにッ……! 民間人への被害が拡大する前に、奴を捕らえねばッ!」
「急ぎましょう、皆ッ!」
「えぇ!」
「あいつッ、どこまでも往生際の悪いッ!」
ビルの壁をすり抜けるという、超能力を活かしたダダの逃亡劇。その瞬間を目撃した6人の女傑達は、一目散に廃ビルの階段を駆け下り、逃げた最後のダダを追って走り出して行く。
焦燥の汗を柔肌に伝わせる彼女達の甘く芳醇な匂いが、その薄い戦闘服の下で濃く深く熟成されていた。
一方、ダダは敢えてすぐに遠くへと逃げようとはせず、廃ビルの1階に身を隠して琴乃達を待ち構えている。すでに屋外に脱出しているものと思い込んでいた彼女達が、背後を取られてしまったのはその直後だった。
「きゃあぁあッ!?」
「ひぁああッ!?」
「うぁああッ……!?」
「何ッ!? アメリア、凛風、イヴァンナッ!」
「あのダダ、後ろにッ……!」
最も狙いやすい位置に居たアメリア、凛風、イヴァンナの3人が、無防備な背にミクロ化器の光線を撃ち込まれてしまう。
眩い光に包まれた彼女達の姿が消えた瞬間、3人が身に付けていた戦闘服と光線銃が、その場に力無く落下していた。
『う、うそッ……!? 私達、小さくなって……し、しかも脱がされてるッ!?』
『いやぁあっ! ちょっ、何なのよこれぇッ!』
『きゃあぁあっ! き、貴様よくもッ……!』
衣服や装備はそのままに、肉体だけを「縮小」されたアメリア達は、一矢纏わぬ姿でダダのカプセルに囚われてしまうのだった。白く豊満な爆乳をはじめとする、乙女としての「聖域」を懸命に手で隠す3人は、カプセルの中で可愛らしい悲鳴を上げる。
一方、カプセルの上部にある通気口に顔を押し当てているダダは、そこから漂う芳醇な女の香りを鼻腔で堪能していた。ぴっちりと肉体に張り付いていたスーツを脱がされたことで、内側に籠っていた彼女達の汗の香りが、そのカプセル内にむわっと解き放たれている。
『や、やだっ、ここ最近ちゃんとシャワー浴びてないのにっ! 嵐真にだってまだ見られたことないのにぃっ!』
『ちょっ、やめっ、嗅ぐのやめなさいよこの変態ッ! 私の匂いを嗅いで良いのは、尊だけなんだからッ!』
『……こ、この異常性癖者めッ! 元に戻った暁には、必ずやこの手で蜂の巣にしてくれるッ! し、椎名殿にすらまだ見せていないというのに、何たる屈辱ッ……!』
成熟した「大人」の肉体を持つ女傑達は特に匂いが「濃い」のだろう。地球人女性の体臭に強烈な知的好奇心を抱いているこのダダは、甘い汗の匂いが特に濃いアメリア達を優先的に狙っていたのだ。
もし先頭を走っていたのが琴乃でなければ、何を置いても真っ先に彼女が狙われていた。女傑達の中でも一際芳醇な琴乃の匂いは、このダダにとっては最高級の研究材料なのだから。
「……こ、こいつだけは許しておけん……! 色々な意味で存在してはならん生物だ……! これ以上の『女の敵』が、かつて存在しただろうかッ……!?」
「わ、私、夢に出そうですわ……! この悍ましい生命体だけは、骨も残さず抹消せねばなりませんッ……! 要様、どうかオリヴィアをお守りくださいましッ……!」
「……よし殺しましょう、今すぐ殺しましょう! 大丈夫ですよ、多分磨貴様もそう仰るでしょうからッ!」
下卑た笑い声を漏らしながら、アメリア達の芳しい香りを貪欲に嗅ぎ回るダダの姿。
それを目にした琴乃、オリヴィア、エレーヌの3人は、テンペラー軍団よりも遥かに恐ろしいものを見たかのような表情で、頬を引き攣らせていた。
我に帰った彼女達は即座に光線銃を構えると、殺意を込めた一閃を撃ち放つ。だが、間一髪その射撃をかわしたダダは再び超能力でコンクリート壁を通り抜け、琴乃達の前から姿を消してしまった。
「くッ……! 奴め、また超能力でッ……!」
「琴乃様、すぐに追わないとアメリア様達が……! アメリア様達の女性としての尊厳その他諸々がッ……!」
「分かっている! オリヴィア、エレーヌ、急ぐぞッ!」
「……はいッ!」
だが仲間達が囚われている以上、何としても見失うわけにはいかない。琴乃達は危険を承知で光線銃を手に、ダダを追って走り出していく。
一方――廃ビルを後にして、複雑に入り組んでいる路地裏の中を無軌道に走り回っているダダは、なんとか琴乃達の追跡から逃れようとしている。
だが、その背後を巧みな体術で追い続けている「民間人」が居た。
「……ははーん、BURKに追われてるってことは悪い宇宙人ってことよね? もし捕まえちゃったりしたら、まーたバズっちゃうかなぁっ! 私っ!」
ミスコン優勝者にして、パルクールの達人でもある猫島菜緒。ポニーテールの黒髪を猫の尾のように弾ませ、Fカップの巨乳をぷるんと揺らしている彼女は、狭い路地裏の中でも全く減速することなくダダの背後を追跡している。
身体のラインを剥き出しにしているスパッツの上にアロハシャツを羽織っているだけ、という大胆な格好で地を蹴っている彼女の巨尻も、ぷるぷると扇情的に弾んでいた。
パルクールの練習中、偶然にもBURKガンの銃声を耳にしていた彼女は、ダダがコンクリート壁を通り抜けて逃走する瞬間を目撃していたのだ。
(要君、見ててね……! 私だって、負けないからっ!)
想い人である八月朔日要に良い所を見せたい、という一心で磨き上げた体術を武器に。菜緒はさながらくノ一の如く、縦横無尽に路地裏を駆け抜けていた。
巨乳と巨尻をぷるんと躍動させて、軽やかに地を蹴る菜緒の豊満な肉体。その柔肌から飛び散る健康的な汗からは、甘い女の匂いが放たれていた。
その匂いから民間人による追跡に気付いたダダは、道中に置かれていたゴミ箱やパイプを倒して追跡を断念させようとする。だが菜緒はその全てを軽やかに飛び越し、一瞬たりとも立ち止まることなく疾走していた。
「よっ、とっ、甘い甘いっ! そんなんじゃあ、この菜緒ちゃん様の進撃は止められないなぁっ!」
その光景に動揺しながらも、ダダはなんとか路地裏を抜け、大通りに出ようとする。だがその先には、通り掛かった一般人の姿があった。
黒のボブカットを靡かせる、カジュアルな私服姿の眼鏡美女。その美貌とたわわに実ったHカップの乳房を目にした菜緒は、慌てて声を上げる。
「あっ!? そ、そこのお姉さん避けてっ! 宇宙人が来ちゃうよぉっ!」
「えっ……!? きゃあぁあっ!?」
だが、もう遅い。大通りに脱出しようとしていたダダは「邪魔な通行人」を排除するべく、ミクロ化器の先端部を向ける。
一方、突如宇宙人に遭遇してしまった女性教師――辻凪あやめは、恐怖のあまり思わず尻餅をついてしまう。さらに彼女はその弾みで、胸に抱えていた「新作漫画」の原稿を宙に放り出していた。
「い、いやぁあっ! 暁先生ぇえっ!」
そして咄嗟に、想い人である暁嵐真の名を叫んだ彼女は――顔を手で覆い、その場にうずくまってしまった。だがその行動こそが、ダダの運命を大きく分けたのだ。
放り出された原稿用紙で視界を塞がれたダダは、立ち止まる暇もなく躓いてしまい。うずくまったあやめの真上を飛び越すように、盛大に転倒してしまったのである。
そしてダダが転倒した先は――歩道の先にある、「車道」であった。
「あっ」
「えっ」
そんな間抜けな声を、菜緒とあやめが発した瞬間。車道に飛び出したダダはさらに、通り掛かった一般車に跳ね飛ばされてしまったのだった。
鈍い衝撃音と共に激しく吹き飛び、路肩付近のゴミ箱の中へと頭から墜落した哀れな宇宙人。その末路を見届けた菜緒とあやめは、何とも言えない表情を浮かべている。
「ちょ、ちょっとあの宇宙人大丈夫!? いきなり車道に飛び出して来たんだけど……!」
「い、一体何があったの……!?」
白塗りの一般車に追突されたダダは、ゴミ箱の中でピクピクと痙攣している。どうやら辛うじて一命は取り留めているようだが、もう抵抗出来る状態ではないのだろう。
一方、一般車に乗っていた2人の巨乳美女は、乳房を揺らしながら慌てて車から飛び出していた。風祭弓弦 の妻である風祭梨々子と、その親友である尾瀬智花だ。
「よ、よく見たらアイツ……BURKが指名手配してた『ダダ』って奴じゃん! と、とにかくBURKに通報しないと……!」
「う、うんっ……!」
学生時代を懐かしむように2人でドライブを楽しんでいた最中に起きた、突然の大事故。その当事者となってしまった彼女達は動揺しながら顔を見合わせている。
――JカップとDカップというたわわな果実とその美貌に目を奪われた男達から、しつこく付き纏われたことは何度もある。
特に梨々子は、数多の男達から絶え間なくその豊穣な肉体を狙われ、性的な欲望の標的にされて来た経験もあるのだ。
いつも彼女の傍に立ち、その柔肌を男達から守り抜いていた弓弦の存在が無ければ、今頃どうなっていたかなど想像もつかない。
そんな苦い経験の数々に比べれば、多少のトラブルに動じることなどないのである……が、ドライブ中にいきなり宇宙人が飛び出して来るという事態はさすがに予想外だったのだ。事故の瞬間を目の当たりにした菜緒とあやめも、どうしたものかと途方に暮れている。
「居たぞ、ダダを発見したッ! 直ちに確保だッ!」
そして、この事態にざわめく野次馬達の騒ぎを耳にして。ようやく、琴乃達が到着した。
息を切らして駆け付けて来た美女達の肉体から漂う甘美な汗の香りが、この空間の匂いをより甘く染め上げている。
「よし、これで全員確保だな! ……って、梨々子お嬢様!?」
「えっ……琴乃さん!? こんなところで何してるんですかっ!?」
一方。オリヴィアとエレーヌによってゴミ箱から引き抜かれ、取り押さえられていくダダを尻目に。思わぬところで鉢合わせた琴乃と梨々子は、互いに瞠目していた。
――かくして、民間人達の協力(?)によって捕縛されたダダは、敢え無く御用となるのだった。アメリア達3人を含めた、ミクロ化器による被害者達も無事に救出され、事件はようやく解決したのである。
その後、BURK本部へと連行されて行くダダ達を見送っていた女傑達の眼が、汚物を見るかのような冷酷さを帯びていたことは……言うまでも無いだろう。
さらに、スタイル抜群な美女達の鮮やかな逮捕劇……という光景は野次馬達によってSNSで全世界に拡散され、大いに注目を集めることになった。彼女達は一躍、世間の話題を独占する時の人となったのである。
ちなみに、梨々子と智花が起こした事故は琴乃達の対応を経て不問とされたが、車の修理費用は持ち主である弓弦が支払うことになった。知らない間に愛車が凹んでいた弓弦と5人の「後輩達」は後日、女傑達のニュースをテレビで眺めながら、何とも言えない表情を浮かべていた。
行きつけの喫茶店で深々とため息をつく彼らの前に、不味いコーヒーが出されたのはそれから間も無くのことであり。店長の弘原海と、元BURK隊員の従業員・望月珠子は、そんな「元ウルトラマン」達の様子に顔を見合わせ、苦笑いを浮かべていた。
そして、この事件をきっかけに知り合うことになった女傑達は――やがてプライベートでも親交を持つようになり、互いの惚気話や愚痴で盛り上がる日々を共有するようになって行くのだった。
ただ――その中に恋敵がいると知った一部の女傑達は、熾烈な恋の鞘当てを繰り広げることになるのだが。それはまた、別のお話である。
◇
「えっ、この漫画……もしかしてお姉さん、あの『ツジーン』先生なんですかっ!? あの、私先生の大ファンなんですっ! 今度のコミケで先生のキャラのコスプレもしようと思ってて……! あ、あの、もし良かったらサインとか貰ってもいいですかっ!?」
「ひぃっ!? わ、分かりました、分かりましたから大声でその名前は出さないでくださいぃっ! リアルバレはマズイんですぅ〜っ!」
「……しかし猫島君、我々BURKに協力してくれたのは有り難いのだが、その格好は少し大胆過ぎるのではないか? 周りの野次馬達の目線もある、少しは身体のラインを隠した方がいいぞ」
「いや、あなた達にだけは言われたくないんですけど……」
後書き
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