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オズのホボ王子

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第五幕その五

「真田幸村さんですね」
「左様、あの者もな」
「源次郎と呼ぶべきですか」
「本来はな、まあ豊臣秀吉と呼ばれるにも慣れたからな」
「それでもいいですか」
「それもまたな」
 こうジョージに言うのでした。
「よい、それでお主達昼飯はどうする」 
「お昼ご飯ですか」
「もう食ったか」
「いえ、まだです」
 王子はすぐに答えました。
「このお城を出てからと思っていました」
「そうか、では通天閣の方に行ってじゃ」
 そうしてとです、秀吉さんは王子にお話しました。
「そしてな」
「そうしてですか」
「串カツを食わんか」
「串カツですか」
「どうじゃ、ビールか焼酎で一杯やりながらな」
 そうしつつというのです。
「どうじゃ」
「そうですね、串カツはこれからと考えていましたが」
 王子も応えます。
「それなら」
「うむ、共にな」
「串カツを食べましょう」
 こうお話してでした。
 一行は秀吉さんに案内されてでした。
 通天閣の下にある繁華街の中にある串カツ屋さんに入りました、そして二度漬け厳禁のソースと食べ放題のキャベツがある庶民的なお店に入ってです。
 皆で食べます、そうしてでした。
 王子は串カツについても言いました。
「これもまた」
「美味いのう」
「豚肉のものも美味しいですが」
「色々あるじゃろ」 
 秀吉さんも串カツを食べています、見れば小柄ですがかなりの食欲です。
「キスに海老、烏賊に蛸に貝にな」
「茸やソーセージも」
「色々あるからじゃ」
 それでというのです。
「好きなものを食べるのじゃ」
「そうしていいですね」
「この店ではな、そしてな」
「そして?」
「串カツを食い過ぎて胸焼けすれば」
 その時はというのです。
「キャベツを食うのじゃ」
「キャベツはその為のものですか」
「そうじゃ、ではな」
「串カツをですね」
「食うのじゃ、酒も飲んでな」 
 こう言って実際にでした。 
 秀吉さんは大きなジョッキに注がれている白い泡のビールもとても美味しそうに飲みます。そうしてです。
 飲んで食べる中で王子に言いました。
「それでお主じゃが」
「何でしょうか」
「今度宴を開くそうじゃな」
「ご存知ですか」
「ははは、わしの耳は地獄耳じゃ」
 驚く王子に笑って返しました。
「だからじゃ」
「それで、ですか」
「その話は聞いておる、面白そうじゃな」
「ではよかったら」
「わしも行ってよいか」
「そうしてくれますか」
「それは有り難い、楽しいことならじゃ」
 是非にとです、秀吉さんは応えました。 
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