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レーヴァティン

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第二百四十七話 札幌入りその十一

「とてもだ」
「思えないでござるな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「おそらく殺意さえな」
「抱くでござるな」
「そうでなくても死んでだ」
 そうなってというのだ。
「消えてしまえばいいとな」
「思うでござるな」
「迷惑がかかるとな」
 それならというのだ。
「そう思ってだ」
「役に立つとは思えない
「そうなるだろうな」
「そうでありますな」
 峰夫もそれはと頷いた。
「余裕があるからまだそう思えるでありますな」
「反面教師もな」
「最低の輩でも役に立つと」
「そうな、その余裕もないとな」
「ただひたすら怒りを覚え」
「死んでしまえばいいと思うか」
 若しくはというのだ。
「殺意すらな」
「抱いて」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「余裕なぞない、害にしかならないとな」
「思うでありますな」
「だから殺意さえ抱く」
 怒りで人を殺すなら相当に余裕がない状況でないと有り得ないことだ、英雄はそのことを起きた世界そしてこの世界での経験で知った。それで今言うのだ。
「そうなっている」
「そうでありますな」
「俺も悪い親戚や知り合いがいるが」 
 起きた世界の話をした。
「しかし殺意を抱くまでの相手はな」
「いないでありますが」
「幸いにな、だが生きているだけで害毒を垂れ流し迷惑をかける奴はな」
 不幸にしてそうした輩も世の中にはいるのだ。
「傍にいるとな」
「反面教師でも役に立つとはでありますな」
「思えない筈だ、そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「今話した自衛隊を攻撃する愚か者達もだ」
「傍にいれば」
「そう思う筈だ」
 害にしかならないと、というのだ。
「その時にな」
「よくあんな愚論が長い間まかり通っていたものだ」 
 幸正は自衛隊無用論所謂非武装中立論についてこう言った。 
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