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レーヴァティン

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第二百四十四話 青森入りその五

「これまで通りだ」
「蝦夷もそうしてっちゃな」
「豊かになってな」
「強くなるっちゃな」
「そうだ、豊かさは即ち力だからな」
「それが現実ぜよ、強くなろうと思ったら」
 当季は笑って話した。
「まっことぜよ」
「豊かになることだな」
「そうぜよ、ただ蝦夷は自然がいいぜよ」
「他の地域と同じくだな」
「その自然はぜよ」
「傷付けないことだな」
「それは絶対ぜよ、環境をちゃんとしなければのう」 
 自然の保護も行わなければというのだ。
「人道的な問題もあるしのう」
「人の好き勝手で他の生きものを粗末にしていいか」
「それぜよ。おまんもそれはじゃな」
「これでも命は考えているつもりだ」
「そうじゃな」
「それならばだ」
 まさにというのだ。
「俺もだ」
「そこは考えちょるな」
「そのつもりだ、だから木を切ってもだ」
 それでもというのだ。
「その後でだ」
「植林しとるのう」
「切った木は戻らない」
 木にも命があるのだ、それならば切った木はもう生えることはないのだ。千年の杉も切れば後は霧株があるだけだ。
「そして放っておくとだ」
「禿山になってぜよ」
「雨がそのまま流れてな」
「土砂崩れにもなるぜよ」
「それを防ぐ為にもだ」
 その意味でもというのだ。
「後で木を植える、そうすればまたな」
「木が使えるぜよ」
「そして木の下や周りに生きものが集まりな」
「茸も生えるきに」
「木の実も得られる」
「それでじゃな」
「木は植える」
 そうするというのだ。
「そしてだ」
「また実りを得るのう」
「切った後でもな」
「災害も防げるぜよ」
「環境、自然を壊すと自分に返って来る」
 英雄はこの現実も話した。
「川も汚れるとだ」
「水が飲めなくなる」
 幸正が応えた。
「そうなる」
「そうなればな」
「暮らせたものではない」
「そうなるからな」
「環境のことも考えるな」
「そうして治めていっているしな」
「蝦夷でもだな」
 この地でもというのだ。 
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