戦禍を逃れて
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第二章
「ペットの為に」
「家族として放っておけないですね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「ご家族のことを考えてな」
「ペット達も保護しますね」
「すぐに動物保護団体に連絡してな」
「彼等も助けますね」
「同じ命だ」
人間以外の生きもの達もそれがあるというのだ。
「だからな」
「それでは」
「助けるぞ」
こう言ってだった。
彼等はすぐにだった、動物保護団体にも連絡をして難民の人達が連れている多くの生きもの達の保護も進めた。
収容出来る施設や食事を用意してフィラリア等の摂取の準備もした、そうしてだった。
彼等も保護も進めていった、難民達は避難してもペット達即ち自分達の家族と共にいたかった。それを多くの心ある人達が受けてだった。
そちらの仕事もしていった、そのうえで難民達の保護と受け入れを進めていったがその中でだった。
シャーカはコジュシェシコに犬や猫達を抱いて離れまいとしている難民達を見てそのうえで話した。
「大変な時こそですね」
「ペット、家族が心の支えだな」
「そうですよね」
「だからな」
「尚更離れたくないですね」
「生きものなんか捨てろとか言う奴はな」
コジュシェシコは苦い顔で話した。
「思いやりがない、人の気持ちがわからない奴だ」
「そうですよね」
「そんな奴こそ自分が困ったらな」
「自分だけ助けろって喚きますね」
「他の奴なんかどうなってもいいって言ってな」
「そうですよね」
「そんな奴助けたくないな」
シャーカにこうも言った。
「そうだな」
「ええ、絶対に」
シャーカもその通りだと答えた。
「そんな奴は」
「そうだな、心があるならな」
「ペットもですね」
「ちゃんと助けないとな」
「そうですね」
「戦争は何時終わるかわからないが」
それでもというのだ。
「難民の人達だけでなくな」
「家族のペット達もですね」
「助けような」
「ええ、戦争が終わって落ち着くまで」
それが何時かわからない、だがそれでもだとだ。
シャーカはコジュシェシコと話した、そして二人で他のスタッフ達と共に働き続けた。出来るだけ多くの命を助ける為に。
戦禍を逃れて 完
2022・3・26
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