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レーヴァティン

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第二百四十三話 蝦夷攻めその二

「お前からの使者が来たということだ」
「そうだったんだな、それじゃあな」
「これから話す」 
 麺をすすりつつ一言で答えた。
「そうさせてもらう」
「それじゃあ頼むな」
「蝦夷でのことをな」
「どんな風だったかな」
「話す」
 こう言ってだった。
 英雄は久志に自分達のことを話しはじめた、それはそれぞれのラーメンの香りと味の中ではじまった。 
 英雄は奥羽のことが落ち着くと仲間達に言った。
「ではそろそろだな」
「蝦夷でござるな」
「そうだ」
 智に対して答えた。
「いよいよ攻めたい」
「奥羽の政も軌道に乗ってきて」
「落ち着いてきたからな」
 だからだというのだ。
「それでだ」
「蝦夷攻めでござるか」
「そうしたい」
「そうでござるか」
「それで意見を聞きたいが」
「機は熟しているでござる、いや」
 智は確かな声で答えた。
「既にでござる」
「機は熟していたか」
「そうだったでござる」
 こう英雄に答えた。
「奥羽攻めの時でもでござる」
「攻めようと思えば攻められたな」
「そうでござった」
「あの時はあえてだ」
「奥羽に専念したでござるな」
「大事を取ってな」
「奥羽攻めとその後の政を考え」
 そうしてだったとだ、智も話した。
「そうでござったな」
「しかしだ」
「その奥羽のことも落ち着いたので」
「攻めたい」
「最早何時でもです」
 謙二も言ってきた。
「蝦夷を攻められます」
「俺が号令を出せばだな」
「はい、兵と武具、兵糧を集め」 
 そうしてというのだ。
「そのうえで」
「攻められるな」
「用意に時はかかりますが」 
 それでもというのだ。
「四十万の軍勢が動き」
「蝦夷を攻められるな」
「左様です」
「蝦夷は武士はいない」
「アイヌ達の場所です」
「これまでとは何かと勝手が違う」
 英雄はこのことも話した。 
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