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ドリトル先生とめでたい幽霊

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第一幕その六

「チフスで亡くなったと言われているけれど」
「それでもなんだ」
「その実はなんだ」
「梅毒に罹っていて」
「その治療でかえって」
「亡くなったんだ、例え助かっても」
 梅毒からというのです。
「そうなる危険もあったし後遺症もね」
「あるよね」
「それも当然のことだよね」
「水銀なんて使ったら」
「それこそね」
「それで思考や行動が極めて鈍ったりもね」
 水銀を使った後遺症でというのです。
「あったんだ」
「そう思うと怖いね」
「どうにも」
「梅毒の昔の治療も」
「本当にね」
「ペニシリンは革命だよ」
 結核や梅毒の治療薬であるこれはというのです。
「医学においてね」
「そのうちの一つだね」
「それは間違いないわね」
「本当に多くの人が助かってるから」
「そう思うと」
「素晴らしいよ」
 実にというのです。
「織田作之助さんは残念だったけれどね」
「それでもだよね」
「本当にあと数年早かったら」
「助かったかも知れないのに」
「残念だね」
「もう結核で死にそうでね」
 そうした状態でというのです。
「ヒロポンを打ってそれでだよ」
「書いていたんだ」
「ヒロポンで奮い立たせて」
「そのうえで書いていたんだ」
「死にそうな身体で」
「そうだったんだ、もういつもヒロポンを打っていて」
 それでというのです。
「注射ダコが出来て打つのにも苦労したとも言われているよ」
「いや、そこまで打ってるって」
「もう凄いね」
「というかヒロポンって覚醒剤でしょ」
「あんなのいつも打ったら」
「今は非合法だよ」
 ヒロポンつまり覚醒剤を打つことはです。
「当然ね」
「物凄く危ないからね」
 ダブダブは真顔で言いました。
「身体を物凄く蝕むから」
「一旦使ったら一週間寝ないで動けるって言うけれど」
 トートーも言います。
「それって栄養を摂ってじゃないからね」
「無理矢理身体からエネルギーを引き出しているから」
「実はとんでもないのよね」
 チープサイドの家族もどうかというお顔です。
「一週間寝ないだけのエネルギー引き出すなんて」
「それだけでとんでもないわ」
「しかも一週間寝ないとかね」
 チーチーはこのことを言いました。
「どれだけ身体に負担をかけているか」
「それに幻覚が見えて幻聴とか電波を受けたりとかで」
 ホワイティはこのことをお話しました。
「心にも悪影響あってね」
「何か凄く喉渇くっていうけれど」
 このことはジップが言いました。
「それだけエネルギーを消費してるんだね」
「言うなら身体を燃やして心を壊すものね」
 ガブガブは恐ろしいものを語る顔でした。
「覚醒剤は」
「あんなものに手を出したら絶対に駄目よ」 
 ポリネシアは断言しました。 
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