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レーヴァティン

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第二百三十五話 熊を仕留めその九

「常に財政は赤字だったが」
「それでも面子にこだわってな」
「気前はいいままだった」
「滅ぶまでな」
「それと同じだ」
 その江戸幕府と、というのだ。
「気前はだ」
「よくするな」
「民にもそうしているしな」
「年貢や税は安くしてな」
「産業から得られる富でだ」
 年貢や租税よりもというのだ。
「そうしたものでだ」
「国を豊かにしているな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「褒美もな」
「そうしているな」
「気前よくだ」 
 その様にというのだ。
「行っている」
「そうだな」
「だからだ」
「この度もだな」
「そうする」
「褒美は弾むな」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「功に報いる」
「そうするな」
「誰でも功を挙げれば」 
 そうすればというのだ。
「それに報いる」
「褒美を弾むな」
「そうする」
 こう言うのだった。
「俺はな」
「そして幕府は」
「そうする、土地はそうそうやれないが」
 限りのあるものはというのだ。
「しかしな」
「銭や茶器はな」
「生み出せるからな」
「いいな」
「そして価値もある」
 生み出せるだけでなくというのだ。
「だからな」
「褒美に適しているな」
「俺は褒美はけちらない」
 それは絶対だというのだ。
「江戸幕府がそうだった様にな」
「それはしないな」
「これも江戸幕府の見習うべき点だ」
 そうだとも言うのだった。
「まさにな」
「そうだな、治める者が吝嗇だとな」
 幸正も言った。
「浪費は論外だが」
「狭量とも思われてな」
「いいことはない」
「だからだ」
 それでというのだ。
「俺達はだ」
「決してだな」
「それはしない」
 全くというのだ。
「必ずな」
「だからだな」
「それはせずに」
 そうしてというのだ。
「そしてだ」
「褒美は弾むな」
「しかし与えるものは考える」
 その褒美はというのだ。 
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