ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~
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第15話
前書き
この作品の悟空は悟林と濃い修行期間を過ごしたので父親としての情もそれなりに育まれています。
元気玉の破壊力は想像絶するもので、悟空達は海に落ちたものの何とか生き延びていていた。
悟飯とクリリン達も合流したが、悟林とベジータの姿が見えない。
「ま、まさか…お姉ちゃん…元気玉の爆発に巻き込まれて」
「いや、きっと生きてるさ…お前の姉ちゃんは強いんだ。そうだろ?」
「………」
不安そうに周囲を見渡す悟飯の前に1つの大きな水飛沫が上がる。
「ベジータ…それに悟林!」
ベジータの手は悟林の腕を掴んでおり、ベジータは深呼吸すると悟林を地面に手放した。
「ごほっ!ごほっ!」
悟林は思い切り水を飲んでしまい、気管に入った水分に痛みを感じて咳き込む。
「お姉ちゃん!」
「ベジータ、ありがとよ」
悟飯が咳き込む悟林の背を擦り、娘を助けてくれたベジータに悟空は礼を言う。
「あ、ありがとう…お姉ちゃんを助けてくれて…」
「ふん」
悟飯も礼を言うが、その礼にベジータは素っ気ない態度を取る。
「さあ、帰るか。オラの乗ってきた宇宙船なら5日で地球に帰れるぜ…ベジータ、おめえはどうすんだ?」
「ふん、俺には自分が乗ってきた宇宙船がある。貴様らと一緒にいるなど虫酸が走るぜ…フリーザも死んだことだ。近くの星を襲い、装備を整える…いずれ地球に行き、貴様らを木っ端微塵にしてやる…楽しみにしていろ」
ここにいる全員が疲弊しており、流石の純粋なサイヤ人も闘いたいとは思わないようだ。
「あっ!」
「な、何だ!?クリリン」
突然声を上げたクリリンに全員の視線が集中する。
「すっかり忘れてた!ブ、ブルマさんのこと…!」
「驚かすなよ…またフリーザが出てきたかと思ったじゃねえか」
「あ…ある意味じゃブルマさん、フリーザより怖いよ…」
「それブルマさんに言っちゃおうかなあ…」
「いいっ!?止めてくれよ悟林ちゃん!そんなことされたら俺がブルマさんに殺されちゃうよ!」
「はっはははは…わ、笑わすなよ。か…体中が痛えんだから!」
ベジータを除いてクリリンの言葉に笑った。
ダメージの大きい悟空など、笑うだけで体が悲鳴を上げるが、やはり笑ってしまうものは笑ってしまう。
ピッコロは空を見上げながら呟いた。
「ナメック星も酷い事になってしまった……。だが、これで最長老様や、死んで行った皆も安らかに眠ることが出来るだろうな…」
「…?何でお前が最長老さんの事を知ってんだ?……」
ピタリと言葉が止まる。
「クリリンさん、どうしたの?」
どうかしたかと悟林が顔を見ると、クリリンの表情は完全に固まって青ざめていた。
「そ、そんな……そんな…フリーザだーーーー!!」
「何!?」
クリリンの言葉にベジータが振り返った瞬間、ベジータの心臓をフリーザの気弾が貫いた。
「が…がはっ…!」
後方に吹き飛ばされながらベジータは仰向けに倒れた。
「ベジータさん!?」
悟林がベジータに駆け寄り、悟空はフリーザを見遣る。
「さ…流石の俺も死ぬかと思った…このフリーザ様が死にかけたんだぞ…」
「逃げろおめえ達!オラが最初にやって来た所のすぐ近くに宇宙船がある!ブルマを連れてこの星を離れろ!」
「で、でもお父さんは…?」
「さ…さっさと行け!邪魔だ!みんな揃って死にてえのか!!悟林、おめえが生き残って、何時かフリーザを…」
自分を犠牲にする覚悟を決めた悟空は最後の望みとなる娘に生き残って修行し、何時か地球に来るであろうフリーザを倒せるくらいに強くなることを願いながら逃がそうとする。
「貴様らを許すと思うか?1匹残らず生かしては返さんぞ…」
「…!悟飯!クリリンさん!」
フリーザの憤怒の表情に恐怖を覚えた悟林は2人の腕を掴んで離脱しようとする。
「ベジータの次は貴様だ!」
悟林の背に向けて気弾を放つフリーザ。
それに気付いた悟林は横に移動してかわすが、フリーザはニヤリと笑うと気弾の軌道が変わり、そのまま悟林の心臓を貫いた。
「あ……」
心臓を貫かれて落下していく悟林。
一瞬それを見て頭が真っ白になった悟空だが、我に返ると海に落ちる前に悟林を受け止める。
悟空の上で状況が理解出来ずに目を見開いているクリリンと悟飯。
悟林の目は固く閉ざされており、息をしていない。
悟空の手が娘の血で赤く染まっていく。
「悟林…」
どんどん冷たくなっていく娘の体に悟空の体が震えていく。
「くっくっく…お次は…もう1人のガキの方かな?今度は木っ端微塵にしてやろう」
その言葉に悟空の怒りが頂点に達した。
「ゆ…ゆ…許さんぞ、よくも……よくも……っ!!うおああああーーーっ!!!」
悟空の怒りの咆哮に呼応するように噴き出した金色のオーラ。
そして混じりけのなかった黒髪は逆立った金髪に、瞳の色は碧へと変化した。
「カ…カカロット…!?」
心臓を貫かれてもまだ生きていたベジータは悟空の変化に驚くのと同時に即座に悟空の状態を本能で理解した。
とうとう悟空は超サイヤ人になったのだと。
「な…何…!?」
「「ご、悟空…!?」」
「お…お…お父…さん…!?」
あまりのことに状況の理解が出来ないフリーザを含めた者達。
悟空はピッコロに悟林を押し付けるとフリーザを睨んだ。
「なっ、何だあいつの変化は…!サイヤ人は大猿にしか変わらんはず…どういうことだ…!?」
「は、はっはっは…わ、分からんのかフリーザ…こ、こいつが…貴様が最も恐れていた超サイヤ人だ…!」
「超サイヤ人…!?」
「そ…そうだ!あ…あの伝説の全宇宙最強の戦士…超サイヤ人だ…ふ…ふっふっふ…皮肉だな…フリーザ…!貴様が最も恐れていた存在を…貴様自身が呼び起こしたんだ…ざ…ざまあみやがれ…!」
次の瞬間、フリーザはベジータに再び気弾を放つが、悟空に容易く弾かれた。
「な、何だと!?」
驚くフリーザに悟空の気合砲が炸裂し、フリーザは吹き飛ばされて海に叩き付けられた。
それを見たベジータは今の悟空ならば勝てると確信して、悟空に語りかけた。
「カ…カカロット…良く聞け…お…俺や貴様の生まれた星…惑星ベジータがき…消えてなくなったのは…きょ…巨大隕石の衝突のせいなんかじゃ…な…な…なかったんだ…」
「それ以上喋るな…死を早めるだけだぞ…!」
悟空が止めようとするが、ベジータは止めようとしない。
「フ…フリーザが攻撃しやがったんだ…!お…俺達サイヤ人は、あ…あいつの手となり足となり、命令通りに働いたってのに…」
「………」
「お…俺達以外は全員殺された…貴様の両親も、俺の親である王も…フリーザは…ち…力を付け始めたサ…サイヤ人の中から超サイヤ人が生まれるのをお…恐れていたからだ…た…頼む…フリーザを…フリーザを倒してくれ…た…のむ。そ…その…超サイヤ人の…力…で…」
そう言い遺してベジータは息を引き取った。
閉じられた目から、生きているかのように涙が溢れて落ちる。
その姿を複雑そうに悟空は見つめた。
「ベジータ…お前が泣くなんて…お前が俺に頼むなんて…よっぽど悔しかったんだろうな…分かってる…サイヤ人の仲間が殺されたのが悔しいんじゃねえんだろ?あの屑野郎にいいようにされちまったのが悔しくて仕方がなかったんだろ…?お前のことは大嫌いだったけど、サイヤ人の誇りは持っていた。俺にも分けて貰うぞ。お前の誇りと怒りを…クリリン…ベジータを頼む…ここにいたら死体が滅茶苦茶になってしまうからな…」
ベジータの死体をクリリンに任せると悟空は背を向けた。
「あ…ああ…」
「お前達は早く俺の乗ってきた宇宙船で地球に帰れ。フリーザは俺が倒す」
「い、嫌だ!僕も残って闘う!闘って、お姉ちゃんの仇を取るんだ!」
「さっさと行け!邪魔だ!死にたくなかったらさっさと帰るんだ!」
悟林を殺したフリーザを許せない悟飯は、残って戦おうとするが、超サイヤ人となったことで性格が荒くなっている悟空の怒声に悟飯は身を強張らせる。
「悟空…死ぬなよ…?お前が死んだらチチさんもみんな、悲しむんだからな!?」
「ああ」
クリリンの言葉に頷くとピッコロは悟飯の腕を掴んだ。
「悟空、必ずフリーザを倒せ…頼んだぞ」
3人が飛び立った瞬間、フリーザは海から飛び出して3人に気弾を放とうとするが、悟空が即座に動いて気弾を作り上げている腕を掴んだ。
「いい加減にしろ…この屑野郎…罪のない者を次から次へと殺しやがって…ご…悟林まで…」
「く…!な…何故貴様にそ…そんな力が…ま…ま…まさか…本当に…」
フリーザは何とか悟空の手を振り払って距離を取った。
掴まれた腕を押さえながら悟空を見る。
「悟林を…俺の娘を虫けらのように殺しやがって…貴様はもう謝っても許さないぞ!!この屑野郎ーーーーっ!!!」
金色のオーラを爆発させて悟空はフリーザを殴り飛ばした。
遠く離れたピッコロ達は悟空の気の爆発を感じ取りながら悟空の勝利を願ったのであった。
クリリン達は悟空の乗ってきた宇宙船を目指しながら悟空とフリーザの闘いの気を感じ取っていた。
途中で大爆発が起き、その後にフリーザの気が悟空に匹敵する程に増大したため、クリリン達は急いでブルマを探す。
「な…何かが…この星に何かが起こり始めている…絶望的な何かが…!」
「ああ、おまけにフリーザの気もまだ大きくなっている…急いでブルマさんを見つけないと!」
「…いたぞ!」
ピッコロがブルマを発見し、岩の下敷きになりそうなところを悟飯が救出した。
「悟飯君!それにクリリン君にピッコロ!?何やってたのよあんた達はっ!不安で退屈でもうしょうが……」
「ブルマさん?」
ブルマの声が途中で途切れたことに悟飯は不思議がる。
「ピッコロが抱えてるのって…ひょっとして悟林ちゃん…?む、胸に穴が開いて…も、もしかして…」
「お姉ちゃんは…フリーザに殺されました…今、お父さんがお姉ちゃんの仇を取るためにフリーザと闘っています…」
「そ、そう…でも大丈夫よ悟飯君。ピッコロがいるってことは神様も生き返ったわ。だから…悟林ちゃんは生き返れるわよ」
「……はい」
悟林が地球のドラゴンボールで生き返ることが出来るのは悟飯も理解している。
しかし、理解は出来ても納得出来ないのだ。
「と、ところでそれ…ベジータよね…?」
「ええ、悟空に頼まれてね。一応俺達もこいつに助けられたし」
「う、動いたりしないわよね…?」
「…一応死んでるから大丈夫」
クリリンはブルマの問いに答えながら悟空の宇宙船を目指していると、いきなり空が暗くなった。
「ん…」
そして悟林の目が開いて身動ぎする。
「悟林!」
「「悟林ちゃん!」」
「お姉ちゃん!」
生き返った悟林にクリリン達が歓喜する。
「え?え?フリーザは?」
「フリーザは超サイヤ人になった悟空が闘ってるよ」
「お父さんが超サイヤ人に!?」
「ああ、悟林ちゃんがフリーザに殺されて本当に頭に来たんだろうな。あいつもお父さんなんだな」
「お父さん…」
「っ…な…何故だ…俺は…俺は生き返ったのか…!?」
「ひっ!何でベジータまで生き返ってるのよ!?」
生き返ったベジータにブルマは怯える。
「恐らく地球のドラゴンボールでフリーザの奴らに殺された連中を生き返らせたんだろう。だからフリーザに殺されたベジータも生き返った…」
「地球のドラゴンボールで生き返ったのか…」
ベジータはクリリンから離れるとある方向を見つめてそちらに向かった。
「お、おい!?…行っちまった…」
「あ、そうだ。フリーザ達に殺された人達を生き返らせたならデンデも!助けてあげなくちゃ!」
悟林もピッコロの腕から飛び出してデンデがいた場所に向かう。
「あ、あの馬鹿…生き返ったばかりで気が不充分だと言うのに…!」
「…やっぱり孫君の子ね…」
悟林は父とフリーザの凄まじい気を感じながらデンデのいた所に向かうと、飛んでいるデンデの姿を発見した。
「デンデーーー!」
「悟林さん!」
「良かった!生き返ってた!デンデ、私達と一緒にナメック星を脱出しよう!」
「いいえ、最長老様が生き返ったのでポルンガも復活しています。ドラゴンボールでナメック星にいる孫悟空という人とフリーザを除いたみんなを地球に移動させるんです!」
「そっか…お父さん…フリーザを倒すつもりなんだ…」
デンデを抱えてポルンガのいる所まで運ぶと、ポルンガが尋ねてきた。
「さあ、どうした?願いはもうないのか?」
「で、では3つ目…さ、最後の願いを…」
「このフリーザを…不老不死にしろーーーっ!!」
デンデが願いを言おうとする前にフリーザが姿を現してポルンガに叫んだ。
「しっ、しまったーっ!」
「フ…フリーザ…!」
「魔閃光ーーーっ!!!」
悟空もフリーザに追い付き、デンデは自分を殺した相手に体を強張らせたが、悟林がフリーザに自分を殺したお返しとばかりに魔閃光を放って直撃させた。
「っ…悟林!」
生き返った娘の姿に嬉しそうな悟空の声。
「凄い…お父さん…それが…超サイヤ人…」
「な、何故だ!?何故お前が生きている!?」
父親の姿に感動していた悟林だが、フリーザの声に我に返る。
「フリーザーーー!!」
そして悟空達を追いかけてきたのだろう、ベジータも姿を現した。
「ベジータ…お前も…!」
「お、お前まで…何故だ…何故生きているのだ貴様ら!?」
「へっ!喰らえーーーーっ!!」
フリーザに攻撃しようとしたベジータだが、デンデが願いを叶えたことでベジータは地球に飛ばされた。
「お父さん負けないで!フリーザをやっつけて!」
「ああ」
悟林の言葉に不敵な笑みを浮かべながら悟空は頷いた。
地球に飛ばされた悟林は父親の勝利を祈りつつ、何時か自分も父親のように超サイヤ人になりたいと思わせた。
「それにしてもクリリンさんは助かったね、一度ドラゴンボールで生き返ってるから二度と生き返れないんでしょ?」
「ああ、本当に生きた心地がしなかったぜ…」
見慣れた地球の風景にようやく安心したクリリンは溜め息を吐いた。
「あの二度と生き返れないって…地球のドラゴンボールはそうなんですか?ナメック星のでは自然死でなければ多分何度でも…」
「ということは餃子も生き返れるのか!」
ナメック星のドラゴンボールさえ使えるようになれば一度死んでいる餃子を復活させられる。
数分後、ブルマにヤムチャから界王を通じて通信があった。
『ブルマ…ブルマ聞こえるか、俺だ…ヤムチャだ…』
「…!?え?ヤムチャ…?…あれ?」
『そうだ、ヤムチャだ。界王様を通じてお前の心に直接話しかけている』
「心に!?本当!?」
こちらにはヤムチャの声が聞こえないのでほとんどブルマの独り言に聞こえる。
「どうしたんですか?ひょっとして界王様から?」
「…だって!あんた良く分かったわね、今喋ってんのはヤムチャだけど…で、元気?ヤムチャ」
『う…うむ、死んではいるが、元気と言えば元気だ…それより落ち着いて聞いて欲しい…悟空のことだ…悟空はフリーザを倒した…そ…そして…』
「ねえ、聞いて聞いて!孫君さ、フリーザをやっつけたって!」
「本当ですか!やったーーっ!」
「いえーいっ!」
ブルマの言葉に姉弟で喜ぶ。
「フ…フリーザを…カ…カカロットが…」
『静かに…静かに聞いてくれ…!…そ…それだけじゃないんだ…ご、悟空は…必死で脱出を試みたが…ナ…ナメック星の爆発に間に合わず…死んだ…』
「ちょっとー!孫君も星が爆発して死んじゃったってよー!ショックよねー!」
「「お父さん、逃げられなかったんだ…」」
ブルマの言葉を聞いて双子は複雑な表情を浮かべた。
『ば、馬鹿野郎!す、少しは悟林ちゃん達のことを思いやれ!そっ、そんな言い方があるかよ…!』
「ほーっほっほっほ!なぁーんにも知らないんだから!ナメック星の人達とね、向こうのドラゴンボールも地球に来たんだけどさ…驚くわよ~。ナメック星のドラゴンボールではね、何回でも生き返らせることが出来るんだって!」
『え!?』
「つまり!孫君も餃子君も生き返れるってこと!」
『…何も知らんのはお前達の方だ。餃子はここで生き返ることが出来るが、悟空はナメック星で生き返る…だが、そのナメック星はもうないのだ…宇宙空間だ…。生き返った瞬間にまた死が待っている…どうにもならん…あそこは私の区域ではないのだ…』
「……」
そしてブルマは悟林達に説明する。
「お、お父さんは生き返れないですって…!?」
「え…ええ…餃子君みたいに神様に肉体を再生されて界王様んとこにいるんならいいみたいだけど…そうでない場合は死んだ場所で生き返るみたいなの…でも、そのナメック星はもうないでしょ…宇宙空間だから…それにナメック星の辺りは界王様の担当区域じゃないらしいし…」
「そ…そんな…」
暗い雰囲気になりかけた時、ベジータが口を開いた。
「少しは頭を使ったらどうだ。こっちの方に魂だか何だか知らんが、移動させてから生き返らせりゃ良いだろ…多分な…」
「…あ…そ、そうよ!その通りだわっ!あんた良いこと言うじゃん」
「ありがとうベジータさん、ナメック星でもお父さんのことでもたくさん助けてくれて」
「ど、どうもありがとう…」
「勘違いするな、奴に勝ち逃げなどされたくないだけだ(超サイヤ人となったカカロットに勝ってみせる…いつか必ず…)」
「失礼、地球人のお方…」
「あ、はい」
今まで黙っていたナメック星の長老が話しかけてきた。
「我々はドラゴンボールが復活し次第、適当な星を見つけ、そこに移るつもりです。それまでの間を過ごすため、どこか良い場所に案内して下さらんか」
「だったらあたしんちに住んだら良いわ!すっごく広いから平気よ!こっちだってあなた達のドラゴンボールでもう少しお世話になりたいしー。そうしなさいよ!その人数でどこかにウロウロしてたら見つかっちゃって大騒ぎになっちゃうわ。あんたも来たらー!どうせ宿賃もないんでしょ?」
地球ではピッコロ大魔王の騒動があったので、ピッコロにそっくりな者達が集団で彷徨いていたら大騒ぎになる。
ついでなのでベジータも誘うことにしたブルマ。
「そうしたらベジータさん?地球にいればお父さんに会えるんだし」
ブルマと悟林の言葉にベジータは顔を背けた。
「ご馳走たくさん出すわよ!どうせ孫君と一緒ですっごく食べるんでしょ。ただしいくらあたしが魅力的だからって悪いことしちゃ駄目よー」
「げ…下品な女だ…でかい声で…」
ブルマの言葉に赤面しながらベジータは呟いた。
「じゃ、皆さんちょっと待ってて、あそこの家で電話貸してもらって父さんにでも来てもらうから」
「私は自分で帰るよ。早速修行しないと!悟飯ー、お母さんによろしくねー。夜には帰るからー!」
「え、えー!?お姉ちゃん!それはないよ…」
自分1人にチチの対応をさせる姉に悟飯は嘆いた。
後日、ナメック星のドラゴンボールは復活が早く、130日めで神龍を呼び出すことが出来た。
1回目で悟空の生存が発覚し、地球に呼び寄せるのを本人が拒否したので一度でヤムチャ、天津飯、餃子が生き返り、更に130日後にドラゴンボールでナメック星人達は新しい星へと飛ばされた。
悟林はフリーザの存在と超サイヤ人の悟空が良い燃料となったのか、修行に今まで以上にのめり込むことになる。
自分も超サイヤ人となるために。
後書き
ベジータと悟林はナメック星で一度死にました。
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