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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第13話

 
前書き
デンデの能力を早めに知っていれば早期にこの作戦が出来たかも? 

後、見せ場奪ってごめんよ悟飯。 

 
とうとうフリーザと対面することになった悟林達。

冷静そうなフリーザだが、とてつもない怒りを感じる。

「やってくれましたね皆さん…良く私の不老不死への夢を見事に打ち砕いてくれました…」

「おいガキ…」

フリーザが話している最中、ベジータがフリーザに聞かれないように小声で悟林に話しかける。

「何?」

対する悟林もフリーザに聞かれないように答える。

「さっき言っていたフリーザに勝つための作戦とは何だ…癪だが無策で闘うよりはマシだ…!」

「……デンデにはね、怪我を治す力があるの…」

「何だと…?」

チラリとデンデを見遣るベジータ。

「私達は死にかけから復活すると強くなるでしょ?だから…」

つまりデンデの力を借りて瀕死からの復活によるパワーアップを繰り返してのごり押し戦法。

確かにそれならばフリーザにも勝てる可能性がいくらか増す。

しかし、それにはいくらかの問題がある。

治療を受ける前に死んでは意味がない上にデンデが死んだらこの作戦は機能しなくなる。

そのため、デンデを守りながら致命傷は避けなければならない。

舌打ちするベジータだが、それしかフリーザに勝つ手段はないと理解した。

するとフリーザは悟林達の前に着地すると恐ろしい笑みを浮かべた。

「私を前に内緒話ですか?全く初めてですよ…この私をここまで虚仮にしたお馬鹿さん達は…まさかこんな結果になろうとは思いませんでした…ゆ…許さん…絶対に許さんぞ虫けら共!じわじわと嬲り殺しにしてくれる!1人たりとも逃がさんぞ覚悟しろ!」

「悟飯!クリリンさん!離れて!」

「貴様らはそこのナメック星人のガキを守れ!…ふん、本性を表しやがったな…やってみやがれ!今の俺がそう簡単にやられると思ったら大間違いだぞ!」

「くっくっく…何を言い出すかと思えば…どうやら私の恐ろしさを忘れてしまったようだな…思い出させてやるぞ!」

気を解放するフリーザ。

そのプレッシャーはサイヤ人の限界を超えた戦闘力を持つベジータと悟林も気圧されそうになるほどであった。

悟飯とクリリンに至っては完全に怯えている。

「とんでもない気だね…確かに普通にやったら勝てそうにないや…」

引き攣った笑みを浮かべる悟林にフリーザは嘲笑を浮かべた。

「当たり前だ…たった4匹の蟻が恐竜に勝てると思ったのか?」

「勝てる!俺とこいつの2人掛かりならば何とか勝てるぞ!」

「何?」

「「へ?」」

ベジータの言葉にフリーザと悟飯達の視線がベジータに向けられた。

「ほっほっほ…!何を言い出すかと思えば…」

「笑っていられるのも今のうちだ…俺とこの悟林と言うガキはサイヤ人の限界を超えて更に強さを増している!それが何を意味するのか分かるか?つまり、俺達は超サイヤ人に近付いているということだ!貴様が何よりも恐れていたな!」

「ほう、このおチビさんはサイヤ人ですか。しかし誰の子か…ベジータやナッパにも似ていない…ラディッツの子でしょうか?面影がありますし…それにしても良くそんな大法螺が吹けますね…超サイヤ人などと…くっくっく………いちいち癪に障る野郎だ!!!」

超スピードでベジータに迫り、殴りかかるフリーザだが、ベジータはそれを掴み止めた。

「くっ…くくく…!」

フリーザとベジータは残りの片手を組み合い、力比べの状態となる。

「………何!?」

スカウターがベジータの戦闘力を計測し、出た数値に驚いてスカウターが爆発した瞬間。

「界王拳3倍!」

悟林が3倍界王拳を発動してフリーザを横から蹴り飛ばす。

ベジータは荒く息を吐き、悟林も表情を険しくしながらフリーザを見つめる。

体勢を立て直したフリーザは腫れた頬に触れながらニヤリと笑った。

「なるほど、超サイヤ人はともかくサイヤ人の限界を超えたと言うのは出鱈目ではないようですね。」

「(そ、そうか…ベジータも悟林ちゃんも今では限界を超えて、とんでもない実力になっている。いくらフリーザでもベジータと悟林ちゃんの2人掛かりなら…でも、フリーザのあの余裕はなんだ…?)」

クリリンがフリーザの不気味な余裕の態度に疑問を抱く。

「変身しろ、フリーザ!どうせなら今すぐ変身して正体を見せたらどうだ!」

「ほう!良くその事を知ってましたね。どうして分かったのでしょうか?」

「変身って…フリーザってサイヤ人みたいなことが出来るの?」

「宇宙人には必要に応じて姿を変える奴がいやがるんだ…俺や貴様のように特定の条件下で変身出来る種族や…カムフラージュのためや平常時に余計なエネルギーを消耗させんためにな。まあ、口を滑らせたザーボンのような下らん理由な奴もいやがるが」

「なるほど、ザーボンさんからですか…ところでおチビさん?私の変身をサイヤ人のような野蛮な変身と同一視されるのは心外ですね。私の変身はパワーが大きすぎて自分でも制御出来ないので変身を繰り返してパワーを抑えているだけです」

「繰り返して…?」

「そう、私は3回変身出来るのです。そうしないとパワーが有り余り過ぎて部下を触れただけで殺してしまいますからね」

「恐れるなハッタリだ。俺達の大猿への変身ほど大きくは変わらんはずだ」

様々な宇宙人と闘ってきたベジータは自分達サイヤ人の変身ほどの劇的な戦闘力の変化は見たことがないため、フリーザの変身も大したパワーアップではないと判断する。

「そうでしょうか?良ーく見ておきなさい。最初の変身も滅多に見られる物ではありませんよ。サイヤ人の住む惑星ベジータに攻め込んだ時に王と闘った場合も全く変身する必要もなく勝ってしまいましたからね…ベジータさん…あなたのお父さんも大したことありませんでしたね」

「お、お父さんの生まれた星を壊したのはフリーザだったんだ…!」

「ち…!そんなことでいい気になるなよ…俺は王の力などガキの頃にもう超えていたんだ…!」

次の瞬間、フリーザのジャケットがバラバラに吹っ飛んだ。

ジャケットを脱いだことで身軽になったようだが、まるで変化していない。

「何が変身だ…笑わせやがるぜ。そいつを脱いでただ身軽になるだけか?それなら残りの変身とやらも大したことなさそうだな!」

ベジータが笑いながら言うとフリーザは気合いを入れ始めた。

「ほああああ…ああ…!」

「べ、ベジータさん!あいつの気が膨れ上がって…!」

上半身から急激に巨大化し、小柄だったフリーザの体格も大柄になり、体も細身から筋骨隆々になって角も闘牛のように曲がった形状に変化していった。

「ま…まさか…こ…こ…こんなことが…」

「ば、化け物だね…」

「へ…へへ…気を付けろよ…こうなってしまったら前ほど優しくはないぞ…何しろ力が有り余ってるんだ。ちょっとやり過ぎてしまうかもしれん…くっくっく…因みに戦闘力にしたら100万以上は確実か…」

「なっ、何っ!?」

「ひゃっ、100万以上!?」

驚愕のフリーザの戦闘力の数値に精々、戦闘力数十万が限度のベジータと悟林の表情に戦慄が走る。

「ばっ!!」

片手を上げた瞬間、フリーザの足元を除いて小島が吹き飛んだ。

「しまった!デンデ!」

悟飯とクリリンは自分で避けられるだろうが、闘う力のないデンデはそうはいかない。

「くそったれ!」

吹き飛ばされていくデンデだが、ベジータが腕を掴んでデンデを助けた。

デンデの死が自分達の闘いの命運を左右するのだからベジータが慌てるのも当然だろう。

「あ、ありがとう…」

助けられたデンデは色々思うところはあるが、一応ベジータに礼を言う。

「勘違いするな…貴様に治療の能力がなければ助けるか…良いかガキ…これから俺とあいつは何度もフリーザに挑む。今は無理でも死の淵から何度も這い上がれば奴を倒せるはずだ。貴様の生死がこの闘いの勝敗を決めると思え…」

悟林はデンデの無事を確認して安堵の息を吐く。

周囲を見渡すとクリリンと悟飯はどうやら無事のようだ。

「はっはっは、流石にみんな中々の逃げ足の速さだ。尤も今のはほんの挨拶代わりだ。こんなことはサイヤ人にだって出来る」

「ふん、挨拶代わりだと?だろうな、そんな程度じゃがっかりするところだぜ…」

冷や汗を流しながらもフリーザを挑発するベジータ。

これから自分達は地獄の戦闘に足を突っ込むことになる。

しかし、勝ち目があるのなら何が何でも勝機を掴み取ってみせる。

「ほう、威勢が良いなベジータ?開き直りか?それともお前もまだ実力を隠しているのか?まあいい…地獄を見せてやるぞベジータ!!」

フリーザが超スピードでベジータに迫り、このままではデンデが巻き込まれるためにベジータがデンデを悟林に放り投げた直後にベジータの腹をフリーザの角が貫いた。

「ぐ……があ…っ!」

「ベジータさん!」

あまりの速さに悟林も反応出来なかった。

デンデを受け止めると悟林はベジータの状態に思わず叫ぶ。

「おっとすまんすまん。くっくっく…やはりどうもパワーがありすぎて自分を上手くコントロール出来なかったようだ」

「…あ…ぐっ…己…!」

ベジータはフリーザを殴り、蹴るが元々の戦闘力差に加えて瀕死の状態の力ではフリーザには蚊に刺された程度だろう。

「もう少し力を入れろ、マッサージにもならんぞ…むっ!?」

横から飛んできた気功波…魔貫光殺砲がベジータを貫いている角を折った。

ベジータはそのまま海に落ちる。

「デンデ、ベジータさんを治してあげて…」

「で、でもあいつもフリーザと同じ…!たくさんのナメック星人を殺して…」

「気持ちは分かるよ。でもこのまま私達が負ければナメック星も壊されちゃう…!お願い…!」

「………分かり…ました…」

唇を噛みながらデンデはベジータの救出に向かい、悟林はフリーザと相対する。

「貴様…よくもこのフリーザ様の角を折ってくれたな…」

「そっちだってベジータさんのお腹に穴を開けたじゃない。おあいこだよ」

フリーザの鋭い視線に体が震えそうになるが、何とか睨み返す。

「ふん、サイヤ人にも仲間意識があるのか?さて、貴様はどう料理してやろうか…」

フリーザに対して3倍界王拳を発動してフリーザに殴り掛かるが、フリーザは悟林の拳を片手で受け止めた。

「っ!!」

「もしかしてこれがパンチのつもりか?本当のパンチとはこういう物だ」

「がっ!?」

腹にフリーザの拳が入り、悶絶する悟林に手刀の横薙ぎで弾いて地面に叩き付ける。

「これ程度でダメージを受けるんじゃないぞ。お楽しみはこれからなんだからな」

「「はーーーっ!!」」

悟林の危機にクリリンと悟飯はかめはめ波と魔閃光を放つが、戦闘力がベジータと悟林より下の2人の攻撃などフリーザにとってはそよ風に過ぎない。

「そう慌てるなチビ共、あのチビの後でたっぷりと遊んでやる」

「あ…あ…!」

「もう…駄目だ…!」

あまりの実力差に悟飯もクリリンも戦意喪失してしまう。

「くっ!」

「流石サイヤ人…中々タフじゃないか。まあ、そうでなくては困る。俺の不老不死の夢を打ち砕いた代価はきっちりと払ってもらうぞ」

「これならどうだ!クリリンさん直伝の気円斬だーーーっ!」

「遅いぞ!」

悟林が連続で投擲する気円斬をフリーザは腕を組みながらかわし、距離を詰めると悟林の脇腹を蹴り飛ばす。

「あ…ぎゃ…ああ…!」

そして脇腹を押さえて苦しむ悟林を蹴り飛ばし、追撃の気弾を放つが何とか悟林は舞空術でかわす。

「逃げられると思うか?」

一瞬で悟林の真上に移動して尻尾を叩き付けると悟林は地面に叩き付けられそうになるが、何とか体勢を立て直して着地し、上を見上げるがフリーザはいない。

「っ!?いない…」

「ここだ」

悟林の背後を取り、頭に肘打ちを喰らわせた。

あまりのダメージに悟林は立ち上がれなくなる。

「ぐ…うう…」

「ここまでだな…死ね!」

「う…ぎゃあ…あああ…!」

フリーザが悟林の頭を踏み潰そうとした時である。

「おい」

「ん?」

後ろから聞こえた声に振り返った直後、顔面を殴り飛ばされて尻餅を着いた。

「「あ!?」」

悟飯とクリリンはフリーザを殴り飛ばした人物に目を見開く。

「べ、ベジータ!?」

顔を押さえながら立ち上がったフリーザが見たのはフリーザの角に貫かれたはずのベジータが無傷の状態で拳を構えていた。

「随分と隙だらけだなフリーザ様よ…」

「ば、馬鹿な…貴様は少なくとも相当な重傷だったはず…な、何故だ…!?」

フリーザの角で貫かれたのはベジータの戦闘服の穴を見れば間違いなく事実だ。

「さあな、それより鼻血が出てるぞ。みっともないぜ?」

挑発するように言うとフリーザの殺気が更に強くなる。

「……くっくっく…ベジータ…貴様は本当にいちいち癪に障る野郎だ…良いだろう、今度は二度と復活出来ぬよう粉々にしてくれるぞ!」

「ふん、貴様にそれが出来るのかフリーザ?貴様は俺達サイヤ人のことを良く知っていると思ったがな…俺達サイヤ人は死から立ち直る度に戦闘力を高めることが出来る!」

それを聞いたフリーザの表情が怒りから苦虫を噛み潰した物に変わる。

「いくら戦闘力を上げようが俺を超えることは出来ん!」

「戦闘民族サイヤ人を舐めるなフリーザーーー!!」

ベジータとフリーザが激突し、互いに乱打戦に持ち込む。

体格で劣るベジータだが、そんなもの関係ないとばかりに拳と蹴りをフリーザに叩き込んでいく。

悟飯とクリリンは悟林をデンデの元に連れていき、治療をしてもらう。

全快するとサイヤ人の特性で大幅に悟林の戦闘力が上昇する。

素の戦闘力はフリーザの上とまでは行かないが、2倍界王拳でフリーザの戦闘力を上回ることが出来るくらいの戦闘力にはなった。

悟林の作戦通り、瀕死から復活して大幅なパワーアップを遂げたベジータはフリーザを追い詰めていく。

「ぐ…ぐぐぐ…っ!!」

「ぬううううっ!!」

空中で力比べをするベジータとフリーザ。

パワーアップしたおかげでフリーザに力負けすることなく互角の比べ合いとなる。

「……ふん」

「何!?」

途中でベジータはニヤリと笑いながら力を抜き、体勢を崩したフリーザの腹に蹴りを入れて上空に吹き飛ばす。

「くたばれフリーザーーー!!」

渾身のギャリック砲がフリーザに直撃し、爆風で瓦礫が吹き飛んでいく。

煙が晴れると、そこには体に多少の火傷を負ったフリーザの姿があった。

「…っ!己、やってくれたなベジータ…!」

「チッ…想像以上のタフさだな。この俺の全力のギャリック砲を受けてその程度のダメージとは…」

確実に仕留めるために最大威力で放ったと言うのに耐えられたことにベジータは舌打ちする。

フリーザはゆっくりと下降して着地すると再びベジータに突撃し、ベジータもフリーザに突撃した。

「す、凄え…フリーザと互角以上に闘ってる…」

「こ、これなら勝てるでしょうか?」

「どうだろうね…フリーザも想像以上に強いから…今はベジータさんの方が強いけど」

離れた場所でベジータとフリーザの闘いを見守る3人。

悟林はいつでも加勢出来るようにする。

「ずあっ!」

ベジータの拳がフリーザの横っ面を弾き、よろめいたフリーザに怒濤のラッシュ攻撃を浴びせる。

そして最後の一撃で大きく吹き飛ばすとフリーザに指先を向けて限界まで範囲を絞って貫通力に長けた気功波を放った。

「くっ!」

起き上がったフリーザは何とかそれをかわすものの、尻尾の先端が消し飛ばされてしまう。

「避けやがったか…だが、次は外さんぞ」

「…くっくっく……」

「何を笑っていやがる?追い詰められて狂ったか?」

「素晴らしい、素晴らしい進歩だぞベジータ。少し前まで戦闘力18000がやっとだった貴様が俺をここまで追い詰めるとはな。このままでは勝てんな…」

その言葉にベジータの表情が固くなる。

「見せてやろう!このフリーザ様の第2段階の変身を!あの世で地獄のサイヤ人達に誇るがいい!俺にこの変身まで引き出させるのは貴様が最初で最後だろうからな!!かあああ…!!」

気合いを入れるとフリーザの背に突起が飛び出した。

「くそったれ!」

変身などさせないと言わんばかりにフリーザに気弾を放つが、バリアーで無効化される。

煙が晴れるとフリーザの変身が終わっており、肩、そして頭に生えていた角などがこれまでと明らかに異なる形になっており、頭部が後ろに長く伸びている。

「ふう、残念でしたねベジータ。さあて、第2回戦と行きましょうか」

「化け物め…!」

最初の形態からの変身に比べれば肉体の変化はそれほどでもない。

しかし、潜在パワーが先程とは別物レベルだ。

「さあて、あなたの死期が近付いて来ましたよベジータ。何故なら今の私はパワーとスピードも少々上がっていますので」

一瞬でベジータとの間合いを詰めるフリーザ。

即座に上空に逃げるが、フリーザもそれを追い掛ける。

「くそったれ!パワーが貴様ならスピードは俺の方が上だ!」

ベジータは超スピードで移動するが、途中で急制動をかける。

「おやおや、急に止まってどうしましたベジータ?」

「ば、馬鹿な…!俺のスピードに…!」

「どうやらパワーだけでなくスピードも私の方が上みたいですね…ひゃあ!!」

奇声と共に指先から発射された気弾がベジータの脚に直撃する。

「ぐっ!?お、俺が…見切れないだと…!?」

「ひゃあ!!」

「チッ!!」

2発目の気弾はかわせたものの、フリーザは手数を増やしてベジータに気弾を浴びせる。

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ…!!!」

「ぐああああ…!!」

防御体勢を取ることでダメージを最低限に抑えるものの、これでは嬲り殺しである。

「ま、まずい!」

悟林は即座にベジータに加勢しようとするが、見覚えのある気功波がフリーザに迫る。

「むっ!?」

咄嗟に身を捻ってかわすフリーザだが、完全に避けられなかったのか頬に傷が付いていた。

「「ピッコロさん!」」

復活したピッコロがフリーザに魔貫光殺砲を放ったのだ。

「おやおや、誰かと思えばまだナメック星人が生き残っていたのですね。今までのナメック星人と比べて中々お強そうで…」

「化け物め…」

完全に不意を突いた一撃であったにも関わらずにかわされてしまった。

しかもフリーザにはまだまだ余力があるように見える。

ピッコロが化け物と思うのも無理はない。

「き、貴様は地球にいたナメック星人か…!ドラゴンボールで何を願ったのかと思えば貴様のようなカスを生き返らせやがって…」

「死にかけの貴様よりはマシだ。」

「2人共、喧嘩してる場合じゃないでしょ!」

悟林がベジータとピッコロの間に入ってフリーザを睨み付ける。

「あなたも復活しましたね…一体どのような魔法を使っているのでしょうか?」

「さあね、今度は私が相手だよ。復活した私のフルパワーを見せてやる」

パワーアップした状態で3倍界王拳を発動する悟林。

「ほう、戦闘力は分かりませんが、このプレッシャー…相当なパワーアップですね…それがあなたの限界のようですが」

気付かれてることに表情が歪むが、場合によっては限界を超えた4倍の使用も視野に入れて構えた。

「ピッコロさん、力を貸してくれるよね?」

「チッ、ここに来てやることがお前の援護か…強くなったな悟林。それにあいつも…俺は嬉しいぜ」

足手纏いを自覚しているのかクリリンと共に離れている悟飯を見るとピッコロは笑った。

悟林には遠く及ばないが、悟飯もまた地球にいた頃より遥かに強くなっており、弟子の成長を喜ぶ。

「行くぞーーー!!」

「きええええっ!!」

悟林とフリーザの拳が激突し、周囲を揺るがす。

3倍界王拳を駆使したことで悟林の戦闘力はフリーザの上を行っているが、基本の戦闘力はフリーザの方が遥かに上だ。

界王拳なしでは悟林の戦闘力は未だにフリーザの第2形態にも敵わない。

おまけに体格もフリーザに大きく劣っており、2人は互角の戦闘を繰り広げるが、界王拳の使用によって悟林の体力の消費が激しいので持久戦に持ち込まれれば悟林の敗北はほぼ確定する。

「喰らえ化け物め!爆力魔波!!」

しかし、ここで頼りになるのがピッコロのサポートである。

ピッコロが的確なタイミングで気功波と気弾をフリーザに放ってくれるおかげで悟林はその隙を突いて攻撃を喰らわせることが出来る。

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃ…!!」

肉弾戦は不利と悟ったフリーザは距離を取るとベジータに放った気弾の超連射を繰り出す。

悟林は界王拳の恩恵もあって難なくかわすが、戦闘力がフリーザに大きく劣るピッコロはそうはいかない。

「ぐっ!」

「ピッコロさん!」

悟林はピッコロの前に立つと気弾を弾く。

「ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!」

気弾の弾幕が更に激しさを増す。

「だだだだだだ…!」

全て弾いていくが、このままではジリ貧だ。

悟林の額に大粒の汗が浮かんでいる。

しかしピッコロとてこのまま守られっぱなしではない。

「悟林!もう少し耐えろ!」

ピッコロが額に指を当てて気を集中している。

その意味を理解した悟林は界王拳を維持しながら気弾を弾いた。

「そろそろ限界ですかね。それではフィニッシュです!」

界王拳が切れかかっている悟林に指先に全ての気を収束させた気功波を放った。

「死ぬのは貴様だ…魔貫光殺砲!!」

最大まで気を溜めたピッコロの魔貫光殺砲がフリーザの気功波を打ち砕いてフリーザに迫る。

「くっ!」

流石のフリーザもまともに喰らってはアウトなのか、慌てて回避する。

「かーめーはーめー…」

「っ!」

「波ーーー!!!」

悟林はフリーザの真上を取り、3倍界王拳状態でのかめはめ波を放つが、フリーザはそれを受け止めた。

「ぐぐぐぐ…!」

「ぐっ…ぐおおおお…!!」

「良いぞ!そのまま押し切れ!!」

後少しで押し切れるのだが、体力が消耗しているせいで押し切れない。

少しずつフリーザにかめはめ波を押し返されていく。

「ぐぎぎぎ…」

「ぐううう…!4倍だあーーーっ!!」

限界突破の4倍界王拳で一気にかめはめ波の威力を跳ね上げた。

「なっ!?ぐああああっ!!」

フリーザの悲鳴が響き渡り、フリーザの体はかめはめ波に飲み込まれたのであった。 
 

 
後書き
一応ベジータは原作よりも瀕死体験が多いので原作よりは強くなっている。

原作フリーザ編の悟空くらいの強さ 
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