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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第11話

ナメック星への接近を知らせるアラートが目覚まし代わりになり、2人は目を覚ますと歯を磨いて顔を洗った。

「ふわあ…」

眠そうに欠伸をする悟林の横で悟空は体を解す。

「後もう少しでナメック星だ。すぐ動けるように軽くやるか」

「うん」

「オラには界王様が送ってくれた道着があるけどおめえは?」

「大丈夫、私も自分で作った道着があるんだよ」

新しい道着に着替えると、2人は準備運動代わりの組み手を始めた。

拳と蹴りを互いに軽く繰り出し、体を温めるのと同時に寝起きで鈍った反射神経を研ぎ澄ませる。

するとナメック星到着まで後2分を切った。

「………悟飯の気が減ってる…」

「本当か?」

「うん、最初は物凄いパワーだったけど凄い勢いで減ってる…多分闘ってるんだ」

仙豆を確認すると、布袋を握り締めた。

そして宇宙船がナメック星に到着し、ハッチが開いた。

「早く3人を見つけねえとな。悟林、悟飯の気はどこだ?多分そこにみんながいるはずだ。」

双子だからか悟飯の存在を悟林は悟空以上に感じていた。

「あっち、でも悟飯の気が少ししかない…多分死にかけてる」

「そうか、よし…行くぞ!オラ達の100倍の重力に耐えた修行の成果を発揮する時だ!」

先に飛び立った悟林を追うように悟空も飛び立ち、目的の場所に着くとそこには悟飯とクリリン、そしてベジータと見慣れない3人がいた。

「悟飯!」

「クリリンにはオラが仙豆をやる、おめえは悟飯を」

悟空に仙豆を渡すと悟飯に仙豆を食べさせようとするが、首の骨を折られているせいか食べられないようだ。

「無理やり押し込んで飲ませてあげる」

仙豆を押し込んで飲み込ませたことで悟飯の傷と気が回復し、意識を取り戻した悟飯。

「お、お姉ちゃん!」

「悟飯、大丈夫?もう安心だからね」

「お、お姉ちゃん気をつけて!あ、あいつら…」

「まあまあ、落ち着いて。ところで何でベジータまでやられてんの?あいつら仲間じゃないの?」

悟林には何故ベジータまでやられているのか分からないので悟飯に尋ねた。

「え、えーっと、仲間だったらしいんだけどベジータもドラゴンボールを手に入れるためにあいつらを裏切ったんだって…」

「ふーん…それにしても何で悟飯、いつの間にそんなに強くなってるの?地球にいた時とは別人じゃない」

地球にいた頃とは比べ物にならない強さになっている悟飯に悟林は不思議そうに見つめる。

悟飯達が乗っていた宇宙船には修行用の設備などなかったはずだが。

「そ、それは最長老さんって言うナメック星人に…」

「悟林!」

「へ?」

悟空の声に振り返ると隣には仙豆を食べて復活したらしいクリリンが立っていた。

「仙豆は後1粒あったよな!?」

「あるよ」

「最後の仙豆をベジータに!」

「え?何で?」

悟林だけではなくクリリンや悟飯も唖然としている。

「あいつとは後で地球での決着を着けてえからな。頼む」

「……はーい」

不貞腐れたようにベジータに歩いていく悟林の前にボロボロの格好の巨漢が立ち塞がる。

「おーっと待った!ここから先は通行禁止だぜ~」

「誰?」

「俺はギニュー特戦隊!リクーム!カスはみんな俺がお掃除しちゃうもんね~とうっ!」

ふざけた態度と共に悟林に迫るリクームの拳。

「お姉ちゃーんっ!!」

悟飯の叫びが響いた次の瞬間、悟林の後方に吹っ飛ばされていたのはリクームだった。

「へ?」

「「え!?」」

「へへ~」

突然の浮遊感に唖然となるリクーム。

目を見開くクリリンと悟飯。

得意げに笑う悟空。

リクームは顔面から地面に激突した。

「な、何だ…!?一体何をしやがったんだあのガキ…!?」

ベジータも困惑しているが、悟林がしたのは何ということはない。

リクームの拳を片手で掴んでその勢いを利用して後方に投げ飛ばしただけである。

ただそれが目に見えなかっただけで。

「はいこれ」

ベジータの前に立つと最後の仙豆を渡した。

「何だこの豆は…?」

「それは仙豆って言って酷い怪我を治してお腹も膨らむありがたい豆なの。それ食べて治して」

「き、貴様らの情けなど…!」

「情けじゃないよ。お父さんはお前と闘いたがってるんだもん。ボロボロのお前を倒したってお父さんは嬉しくないの、どうせなら怪我を治して強くなったお前と闘いたいんだよ。食べないなら無理やりにでも押し込むよ」

最初は拒否するベジータだが、押し付けられた仙豆を見ると渋々口に含んで噛み砕き、そして飲み込むとベジータが全快し、更にパワーが増した。

「…か、体が…」

「あ、あのさ…悟空?ひょっとして悟林ちゃん。滅茶苦茶強くなってないか?」

「ああ、オラも悟林も地球の100倍の重力で修行したんだ。当然100倍の重力に慣れてな」

「ひゃ、100…!?」

とんでもない修行にクリリンと悟飯は唖然となるしかない。

「さてと…こいつらはオラ達が片付ける。おめえ達は休んでろ」

そして悟林を睨んでいるリクームの元に向かっていく。

「こ、このチビめ~!何をしたか知らねえが、こうなったら俺の最高の技を見せてやる!リクーム!ウルトラ…ファイティングうっ!?」

悟空の肘打ちと悟林の蹴りが容赦なくリクームの腹に炸裂し、大きく吹き飛ばされたリクームは岩に激突し、気絶してしまった。

「残り2人だね」

「ならオラとおめえが1人ずつ相手をするぞ」

「す、凄い!凄いよ!お父さん!お姉ちゃん!」

悟飯は自分達が手も足も出なかったリクームを2人同時とは言え一撃で倒した父と姉に感動していた。

「どうするおめえ達!とっとと自分の星に帰るか!それともこいつみたいにぶっ倒されてえか!」

声を張る悟空に、残り2人が挑もうとする。

「ねえーっ!悟飯!あの人達の名前って?」

「ええっと……確か、赤いのがジースで青いのがバータって言ってたけど」

「ふぅん」

乳製品のバターやチーズみたいな名前だなと悟林は思った。

「何かチーズとバターみてえな名前だな」

どうやら悟空もそう思ったみたいだ。

ジースが悟林と相対し、バータが悟空と相対した。

「教えてやるぜギニュー特戦隊を舐めるってことがどういうことかをな。たっぷりと可愛がってやる、ああ…可愛がるといっても頭をよしよしと撫でたり高い高いをするんじゃないぞ!痛め付けてやるということだ!」

「…説明しなくてもいいよ」

「宇宙一のスピードを見せて…おぐっ!?」

バータの台詞の途中で顔面に悟空の拳が叩き込まれる。

「わりいな、隙だらけだったもんでよ。おめえ油断しすぎだぞ」

「こ、この野郎…台詞の途中で妨害しやがるとは許さねえ!!」

バータが飛び立つと悟空がそれを追い、悟林とジースは拳と蹴りを繰り出し合う。

「ふん、お前みたいなチビがこの俺と真っ向からやり合おうとはいい度胸だ!」

ジースは距離を取ると悟林に気弾を放つが、悟林はそれを腕で弾くと回転しながら組んだ拳を叩き付けようとするが、ジースは上昇してかわす。

悟空はバータの攻撃をかわし、逆に超スピードで背後を取って気合い砲で吹き飛ばす。

悟林もジースの蹴りをかわしてジースの足を足場にすると顎を蹴り上げた。

「「こ、こいつら…!」」

攻撃をしても逆にダメージを受けているという事態に2人は戸惑いを隠せない。

「もう一度言うぞ、とっとと自分達の星に帰れ」

悟空が警告をするが、敵はそれを聞こうとしない。

「て、てめえら…何者だ…」

「オラは地球育ちのサイヤ人…らしいぜ」

「私はサイヤ人と地球人の混血だよ。隣の人がお父さんであの子が弟なんだ」

悟林が悟空と悟飯を指差しながら説明する。

「こ、混血…!?まだサイヤ人は生きて数を増やしてるのか…!滅ぼしても害虫のように沸いて来やがる…!」

「むっ」

ジースの害虫呼ばわりにムッとなる悟林。

「オラ達は無駄な闘いはしたくねえ、さっさと帰れ」

「弱いもの苛めは好きじゃないしね」

「ふざけるなぁ!!」

「ギニュー特戦隊員がお前らのような雑魚に負けてたまるかーー!!」

バータとジースは同時に気功波を放ち、青と赤のエネルギーが悟空と悟林に迫る。

「お父さん!」

「行くぞ!」

悟林は魔閃光、悟空はかめはめ波の体勢に入った。

「魔閃!」

「かめはめ波ーーーっ!!」

青と金が混じった特大の気功波がジースとバータの気功波を打ち砕き、唖然となる2人だったが、上昇して魔閃かめはめ波をかわした。

「たあっ!」

しかし背後に回った悟林の蹴りがバータの背に炸裂して吹き飛ばし、悟空の肘打ちが脳天に叩き込まれて地面に叩き付けられる前に受け止めた。

悟林も悟空の隣に降り立つ。

「これで分かっただろう!無駄な戦いは止せ!こいつもさっきの奴もまだ死んじゃいねえ!さっさとこいつらを連れてこの星から出てけ!」

「き、貴様ら何をしている…!とどめだ!とどめを刺せーっ!!」

とどめを刺そうとしない悟空と悟林にベジータが叫ぶが、悟空が言い返す。

「こいつらはもうガタガタだ!意味なく殺す必要はねえだろう!」

そうこうしている間に、残ったジースが逃げた。

「お父さん、あいつ逃げちゃった…」

「しょうがねえな……仲間置いて行っちまった」

「…ねえ、お父さん…これからどうする?」

「そうだなあ…」

これからのことを話し合おうとした時、ベジータが動いてバータの首の骨を折り、岩の近くで倒れているリクームに気功波を放って爆砕したのだった。

バータとリクームを始末したベジータに悟林が声を張り上げた。

「ちょっと!殺さなくてもいいじゃない!あの人達ろくに動けなかったのに!」

母親譲りの凄まじい剣幕に一瞬ベジータは気圧されたが、すぐに言い返した。

「…あいつらを生かしてどうする。目を覚まして体力が回復したら邪魔をしに来るのは確実だろう」

「むっ!」

冷徹ではあるが、正論でもあるために悟林は黙った。

「それにしても貴様らの甘さには反吐が出るぜ。何故奴を逃がした、今の貴様らなら簡単に始末出来たはずだ…どうやら貴様らは超サイヤ人になりきれていないようだな。当然だな、貴様のような甘い奴とこんなガキになれるわけがない」

「っ~!こんのーっ!」

「待て待て、落ち着けって」

頭に来る言い方に悟林がベジータに殴り掛かるものの、悟空に首根っこを掴まれて阻止された。

「圧倒的に強くなったのが自慢らしいがこんなことではフリーザには絶対に勝てんぞ!不死身にでもならん限りな!貴様らはフリーザの恐ろしさを丸っきり分かっちゃいないんだ!」

「オラは自分で言うのもなんだが随分強くなったと思っている…それでもフリーザには絶対勝てねえって言うのか...!?」

「そういうことだ。闘うつもりなら覚悟しておくんだな。フリーザの強さは恐らく貴様らの想像を遙かに超えているぞ。」

「私達全員で闘っても勝てないの?」

「不死身にでもならん限り奴には勝てん。だから俺はドラゴンボールで不老不死になろうとしたんだ。例え今は倒せなくとも食らい付いて体力を消耗したフリーザならば勝てる可能性があった…!」

「プライドの高えおめえがそこまで言うなら相当なんだろうな」

悟空は敵としてのベジータしか知らないが、プライドの高さは理解しているつもりだ。

プライドの塊とも言えるベジータが不老不死となって体力切れを起こしたフリーザを倒すという卑怯な戦法を取らざるを得ないと考えさせるくらいフリーザは恐ろしいのだろう。

「おまけにフリーザは今頃ドラゴンボールで不老不死を手に入れてしまっているはずだ...これでどう考えても勝ち目はあるまい。奴に会わんように祈るだけだ…」

「ねえ、フリーザは願いを叶えられたの?」

「…いや、多分まだだと思う」

「何だと?何故分かる?」

悟林がクリリンに尋ねると、少しの間を置いてクリリンはまだフリーザは願いを叶えていないと言う。

「地球のドラゴンボールと同じならの話だけど神龍が現れたなら空が暗くなるはずだ…さっきから明るいってことはきっとまだ願いは叶えていないはずだ」

「…シェンロン…!?何だ!?そいつは!ドラゴンボールが揃うと何かが出てくるのか!?」

「ドラゴンボールを7個揃えれば大っきい龍が出て願いを叶えてくれるんだ。」

「でも神龍を呼び出すには合言葉が必要なんだ。おめえが知らねえってことはフリーザって奴らも合言葉を知らねえようだな。まだオラ達にもチャンスがあるぞ」

悟林と悟空が簡単に説明するとベジータは合言葉が必要であったことに衝撃を受ける。

「ところでドラゴンボールで叶えられる願いって1つだよね?じゃあ生き返らせてナメック星に来てもらうのは無理なんだ」

「えっと、ネイルさんってナメック星人の人がナメック星のドラゴンボールは3つ願いを叶えられるって」

「へえ、3つ…じゃあ、1つ目はサイヤ人に殺されたみんなを生き返らせて…」

2つ目に生き返ったみんなをナメック星に呼ぶか、地球に戻るかを考えた時、ベジータが割り込んだ。

「そんな下らない願いを叶えてもそのうち地球ごとフリーザにぶっ潰されりゃ何にもならんだろ。こいつらはフリーザに攻撃をして目をつけられた。近いうちに地球を攻めるだろうよ、中々良い星だったしな」

「ええ!?」

「そ、そんな…」

クリリンと悟飯を見遣りながら言うベジータ。

言われた2人は目を見開いた。

「地球ってさ、そんなに良い星なの?」

「地球は文明レベルが低いが重力が低く過ごしやすい環境の星だ。恐らく異星人に売れば相当な高値になるだろう…そんな星をフリーザが見逃すとは到底思えんな。そんな下らん願いを叶えるよりもこの俺に不老不死の願いを叶えさせろ」

悟林の問いに答えると地球は個人的なことを抜かしてもフリーザにとってビジネス的に魅力的な星のようだ。

「不老不死になったら強くなれなくなっちゃうんじゃないの?」

不老不死になるというのはサイヤ人の特性を考えればかなりの悪手な気がするのだが…。

「ん!?2つの戦闘力がこっちに…おいでなすったな。お前達の逃がしたジースがギニュー隊長を連れてきたぞ…!今度はいくらお前達でも一筋縄でいく相手じゃないぞ」

「あ、あいつか…!確かにやばいぞ2人共…!」

「待てよ…フリーザはどこだ…!?ギニューの奴がドラゴンボールを持っていった宇宙船の位置に確かにいたはずだが…」

「ねえ、あっちから物凄く強い気を感じるよ…あれがフリーザかな?」

悟林が指差した方角にクリリンと悟飯が反応した。

「あ、あの方向は...!?」

「た、大変だ...!!最長老さんの所だぞ...!フリーザの奴、願いが叶わないから直接ナメック星人にどうするか聞き出しに行ったんだ...!!」

「最長老さんって悟飯達を強くしてくれた人だよね?その人がドラゴンボールを作ったの?」

「う、うん!大変だよお姉ちゃん!あいつ、願いの叶え方を聞き出したら絶対に最長老さん達を殺しちゃうよ!」

「…そ、そっか!地球のドラゴンボールと同じだ。神様が死んじゃってドラゴンボールが無くなったように最長老さんが死んじゃうとナメック星のドラゴンボールが消えちゃうんだ!」

「なっ、何だと!?」

悟飯の言葉に悟林は急いで止めなければと思うが、タイミング悪くギニューを連れたジースがやって来た。

「さっきは良くも舐めた真似をしてくれたな!ギニュー隊長自らが貴様らに制裁を加えて下さるぞ…!」

ギニューと言う男は紫の肌の角の生えた大男だ。

他の隊員とは比べ物にならない気を感じた。

「き…来やがったか…ど、どうだ2人共?今度も勝てそうか!?」

「どうだろ?あの角の生えた人強そうだし」

「そうだな、やってみなきゃ分からねえ。他の奴らと違ってあいつは桁違いの強さみてえだ」

「なるほど、あの2人か…戦闘力、約6000に4000…」

スカウターで悟空と悟林の戦闘力を計測するギニュー。

「そうなんですよ、たったの6000と4000で…妙でしょ!?」

「愚か者め…!スカウターの数値だけを見ているからそう言う間抜けな目に遭うんだ。あいつらは恐らく瞬間的に戦闘力を大きく上げたに違いない。そう言うタイプだ…俺の見立てでは男が70000…同じ服を着たチビはお前達と同じく50000程と見た。」

「な、何ですって!?70000に50000!?あいつらはサイヤ人ですよ!?大猿でもないサイヤ人が…」

「あり得んことではない。あの男は我々と同じく突然変異で生まれた超天才戦士…あのチビはサイヤ人と地球人の混血なんだろう?異なる種族の間に生まれた子供が高い戦闘力を持って生まれてくることも稀にある。野蛮ではあるが、戦闘に関しては高いセンスを持った種族だからなサイヤ人は…恐らくサイヤ人と地球人の相性が余程良いのか………こいつはかつてない程の面白い闘いになりそうだ…このギニュー様の真の力を見せる時がまさかやって来るとは思わなかったぞ」

「あいつはオラ達が食い止める。おめえ達はドラゴンレーダーでボールを探してくれ!多分奴らの宇宙船って所にそのまま置いてあると思う…」

「あいつらを倒したらすぐに行くからね!」

「わ、分かった…!は、早くしないと最長老さん殺されちまうからな…!」

「も、もう殺されちゃってるかも…」

「とにかく急いでくれ!ベジータ、おめえはもう1人の奴を倒してくれ。死にかけて全快してから力がグンと増えたはずだ。これで勝てない相手ではなくなった…」

「気付いてるよ、私達だって修行で何回も死にかけたんだもん」

「ち…貴様ら知ってやがったか…」

死にかけから全快したことで大幅にパワーアップしたことに気付かれていたことに苦笑するベジータ。

「ほ…本当かよ…」

「………」

その事実に唖然となるクリリンと悟飯。

凄まじい勢いで成長をするサイヤ人達に驚きを隠せない。

「よーし!行ってくれ!気を付けてな!」

クリリンと悟飯が飛び立ち、悟空と悟林、ベジータの3人が残った。

「に、逃げやがった…!」

「放っておけ、雑魚だ」

睨み合う両者。

「よし!こっちも行くぞ!」

悟空の声に悟林も気を引き締めたが、ベジータはニヤリと笑うとこの場を去っていく。

「あばよっ!!」

「えっ!?」

「ベジータ!!」

「「隙ありーーーっ!!」」

2人の気がベジータに向いた隙を突き、ギニューとジースは同時に攻撃した。

悟空はギニューの肘打ち、悟林はジースの拳を横っ面にまともに受けてしまう。

「くっ…こんの…!」

「ギニュー特戦隊員は全宇宙のエリートを集めて作ったんだ!お前のようなチビ猿に負けてたまるか!」

今度はジースも油断せずに悟林と闘う。

ギニューは戦闘の天才であり、その観察眼もかなりの物。

悟林の推定戦闘力50000は信じたくなくとも認めざるを得ない。

今度は一方的な戦闘にならずにまともな打ち合いとなる。

「あいつ、さっきより動きが良くなってんな…」

「くっくっく…ジースは特戦隊No.2なんでな、油断さえしなければ多少の戦闘力差を埋めるくらいの技量はある」

ギニューと打ち合いながらジースの動きが良くなっていることに気付いた悟空は打ち合いを止めてギニューと距離を取った。

「痛って~、ち、畜生。ベジータの奴…」

「なるほど、こいつは思った以上に出来るようだな…くっくっくっ…それだけにベジータに逃げられたのは痛かろう…」

「あの野郎…オラをこいつと闘わせておいて、その隙にドラゴンボールを手に入れようって腹だな…こいつは早く勝負を着けねえとせっかく出てきた希望がみんなパーになっちまうぞ…」

希望を失うわけにはいかないために、勝負を急がねばならないと、悟空は改めて構えた。

「お父さんの邪魔をさせるわけにはいかない!こっちだ!」

悟林は手のひらを前に突き出し、2人の闘いの邪魔にならないように気合いでジースを吹き飛ばして悟空とギニューから離れた場所で闘うことに。 
 

 
後書き
悟林のこの地球人としての性質は少しずつ減っていくんです。

界王拳3倍が限度の理由ですが、一言で言うなら体が小さいからです。

悟空も体が小さいために超3の変身が短時間で解除されてしまったので、セル編の悟飯くらいの背丈になれば大きな無茶が出来るようになります。 
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