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四人までは何とか

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第一章

                四人までは何とか
 置鮎治五郎は女好きだ、それで今はだ。
「俺四人の娘と付き合ってるんだよ」
「おい、四股かよ」
「羨ましいだろ」
 高校時代からの友人の島田藤吾に笑って話した、髪の毛を金髪にしていて色白で細い眉にやや切れ長の二重の瞳を持っている。細面ですっきりした顔立ちで背は一七五程でサーフィンや水泳で引き締まった身体をしている。職業は普通のサラリーマンである。
「どの娘も美人だぜ」
「お前ずっとそうだよな」
 島田は自分に笑って言う置鮎にこう返した、彼は茶色の天然パーマの髪の毛で黒く穏やかな目であろ四角い顔をしていて唇が引き締まっている。背は一七〇位で痩せた身体である。
「女の子にもてるな」
「そうした星だろうな」
「ああ、ただ彼氏いる人には声もかけないな」
「それやったら死ぬからな」 
 置鮎はこのことはと答えた。
「下手したら包丁でブスリだろ」
「彼氏さんにか」
「こうしたことはあるからな」
「そうだよな、人の女の人に手を出したらな」 
 島田もそれはと答えた。
「ぶっすりなんてな」
「アメリカじゃ銃だろ」
「お前アメリカでそうした話聞いたか」
「大学の時留学していてな」
 島田にこのことは真顔で答えた。
「冗談抜きでな、それでだよ」
「彼氏持ちとか人妻さんには声かけないんだな」
「絶対にな、それでお前この前結婚しただろ」
 置鮎は島田に問うた、ガソリンスタンドを経営している彼に。
「そうだろ」
「それがどうしたんだよ」
「俺もな」 
 置鮎は真顔のまま言った。
「そろそろな」
「結婚したいか」
「そう考えてるんだよ」
「ならそうしたらいいだろ」
 島田は冷静な声で返した。
「お前もいい年齢だしな」
「そうだよな」
「ああ、それで誰と結婚するんだ」
「全員だよ」
 置鮎は即答で答えた。
「そのつもりだよ」
「四人とか」
「ああ、全員とな」
 笑顔での返事だった。
「そう考えているんだよ」
「ってことは」
 島田は置鮎の言葉からすぐに察して言った。
「お前改宗するんだな」
「わかるよな、イスラム教にな」
「やっぱりそうするんだな」
「四人共好きだし俺と結婚したいって言うからな」
 それ故にというのだ。 
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