私はいじわる 小悪魔が住みついた
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1-⑷
今日も鹿島蘭は、コロンの臭いをプンプンさせてきた。横を通る時、ふーっと漂ってくる。嫌な臭いじゃぁないけど、私等小学生なのに、そんなのってカチンとくる。先生だって、注意すればいいのに・・。男だから、そういうことって言いにくいのかな。変なふうに言うと保護者から文句いわれたりするもんね。
「ねぇ ねぇ これ見て 従姉の結婚式の時、ドレス着たんだ 可愛いでしょ」と、鹿島蘭が昂君の机に行って、写真を見せていた。だけど、昂君は
「わかったよー 可愛いね お前 そんなに寄るなよー なんか、匂いきつい」と、言って離れて行った。私、それを聞いて、いい気味 と、思った。なんか、気にくわないからだ。鹿島蘭。
「蘭ちゃん 見せてー それ」と、近寄っていったの。
「わぁー 可愛いね 御姫様みたい」と、私は、感激して見せたのだ。鹿島蘭は、うれしそうに
「そう いろいろ選んでね 可愛いのに決めたんだ―」
「あのさー 幼稚園の発表会の時、私 唇 紅く塗ってたんだー 昂君 それを、じーっと見つめていたんだよー あの子 そういうの好きなんちゃうかなぁー」と、言ってしまった。小悪魔が言わせたんだと思う。
次の日、鹿島蘭が「おはよう」と、言ってきて、昂君にも近寄って「おはよう」と、言って居たが、昂君は、少しの間、見ていたが「あぁ」と、言ったきり、そっけなかった。
鹿島蘭は、明らかに唇を紅くしてきたみたいだった。さすがに、1時間目が終わった後、先生に呼ばれていた。戻ってきた時、ぶすっとしていた。私は、
「どうかしたのー 先生になんか、言われたぁ?」と、とぼけて声をかけてみた。
「うん ちょっとね」と、答えていたが、注意されたのに間違いない。
「蘭ちゃん かわいいね その色」と、心にも無いこと言っていた。
「そう 真珠ちゃんだけだよね そう言ってくれんのー」と、単純に喜んでいた。
『叱られるの 当たり前だよね あのバカお嬢様』と、私の中の小悪魔の声がした。
「ちょっと 私 悪いこと言ってしまったんじゃぁ無い あんたのせいよー」と、反省していたが、自分が悪かったのだ。どうなってしまったんだろう 私。
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