八条学園騒動記
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第六百四十話 最低な奴だからその三
「あいつはな」
「性格が悪いか」
「それもかなりな、だからな」
「性格の悪い奴とは付き合うな、だな」
「付き合っていいことはない」
性格の悪い奴とはというのだ。
「だからな」
「それでだな」
「付き合わないことだ、俺もだ」
タムタムもというのだ。
「そうしているしな」
「そうか、ただその性格の悪い場面をお前は見たか」
「見た」
即答だった。
「吹き込んでいるその場面をな」
「それか」
「そして後で吹き込まれた奴は相手をかなり敵視したが」
「元凶はあいつか」
「その現場も見たしな、そもそもあいつの目を見ろ」
タムタムはここでも言葉で指差した。
「よくな」
「濁ってしかもあちこち睨んでいるな」
「悪い目だな」
「あれは人間の屑の目だな」
「そうだ、あいつは人間の屑だ」
まさにというのだ。
「正真正銘のな」
「目でわかるか」
「あとオーラでわかる人もいる」
その場合もあるというのだ。
「悪いオーラを出しているとな」
「悪人か」
「英雄は凄まじいはっきりしたオーラを出すらしい」
その資質に相応しいそれをというのだ。
「しかしな」
「人間の屑はか」
「腐ったオーラか」
「嫌なオーラらしい」
「そうなんだな」
「オーラも普通の人でも見える時があるんだ」
タムタムは真顔で述べた。
「俺も見たことがある」
「お前もか」
「ああ、親戚の人が病気の時見た」
「その親戚の人のオーラか」
「黒いオーラでな」
タムタムはフランツにそのオーラの色を話した。
「沈んで身体に僅かにある」
「そんな感じだったか」
「かなり弱っていたからな」
「身体も心もか」
「酷かった、今は元気になったが」
それでもというのだ。
「その時はな」
「弱っていてか」
「オーラもな」
これもというのだ。
「そんなものだった」
「そうだったか」
「その時俺は本当にオーラがあるとわかった」
まさにというのだ。
「その目で見たからな」
「そうか」
「そして強い人のオーラはな」
「やはり強いか」
「多分アッディーン大統領になるとな」
サハラの英雄として戦っている彼はというのだ、ただし連合では彼のことは然程言われてはいない。
「凄いだろうな」
「覇者だな」
「それだけにな」
「オーラも凄いか」
「そしてあいつは」
その嫌われ者を見た、今も周りから嫌悪の目で見られている。
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