| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

レーヴァティン

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百二十八話 建て直しその九

「それは俺があたりたい」
「あんたが?」
「そうだ、だから奥羽攻めはこれからはな」
「私達が攻めるのね」
「俺はここで城の修復とだ」
 それと共にというのだ。
「留守をな」
「守るのね」
「そのうえでな」
「ことを進めていくのね」
「そうしたい、これまでは俺は攻めるばかりだったが」
 それをというのだ。
「今度はな」
「留守を守って」
「全体を見たい、それを見ることもな」
 戦の全体をというのだ。
「戦でありだ」
「政ね」
「だからな」 
 そう考えるからだというのだ。
「今回はだ」
「ここに留まるのね」
「そうしていいか」
「前線に出て采配を執るもの戦よ」
 奈央は確かな声で答えた。
「それもね、そしてね」
「後ろでだな」
「留守を守ってね」
 そのうえでというのだ。
「全体を見てね」
「動くのも戦だな」
「どちらもね、あんたこれまでずっとね」
「前線に出てな」
「采配を執ってばかりだったけれど」
「今回はな」
「そうしてもね」
 それでもというのだ。
「いいと思うわ」
「そうか、反対意見はあるか」
 英雄は他の者達を見回した、すると誰もがだった。
 反対しなかった、誰もそれならばという顔でだった、そして香織がその英雄に対して笑顔で話した。
「城のことを頼んだとよ」
「再建をだな」
「そしてたい」
「進軍する軍勢にだな」
「ものを送って欲しいたい」
「それもさせてもらう」
「それをしてたい」
 そうしてというのだ。
「補給を知るのもよかことばい」
「そうだな」
「知識や見識としてあっても」
 それでもというのだ。
「経験はたい」
「大きいな」
「むしろ知識や見識よりもたい」
 知って見ることよりもというのだ。
「経験はとよ」
「大きいな」
「だからたい」
「この度はだな」
「補給を頼むとよ」
「兵糧や武具を送る」
「戦の場にたい」
 まさにそこにというのだ。
「宜しくたのむとよ」
「それではな」
「幕府の棟梁、将軍ならたい」
「こうしたことも知らなくてはな」
「それもよくたい」
「経験としてだな」
「そうたい、だから頼むとよ」
「それではな、俺は今回はここに残る」
 英雄はあらためて言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧