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レーヴァティン

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第二百二十七話 会津若松城その九

「いいことたい」
「若しそうでないならな」
「争いの元になっていたとよ」
「起きた世界のかつてのキリスト教の様にな」
「十字軍や三十年戦争が起こっていたとよ」
「あそこまで救いのないな」
「そうだったたい」
 香織もこう言った。
「その時は」
「宗教や思想が絡みますと妥協がありません」
 順一も言ってきた。
「ですから」
「だからだな」
「相手を徹底的に殲滅するまでは」
「終わらないな」
「自分達がそうなるか」
「零かな」
「全てかです」
 そのどちらかのみというのだ。
「生きるか死ぬか」
「そうしたものになるな」
「国益を越えます」
「国益なら妥協出来るがな」
「満腹になれば」
 国益によってだ。
「それでいいです、ですが」
「思想はな」
「まさに零か全てかで」
「生きるか死ぬかだな」
「そうしたものなので」
 それでというのだ。
「妥協がありません」
「それが厄介だ」
「三十年戦争は様々な思惑が入り組んでいました」
 順一はこの戦争の話も細かくした。
「神聖ローマ帝国皇室であるハプスブルク家に」
「オーストリアの方のな」
「スペインのハプスブルク家も加わっていました」
「そして諸侯もな」
「カトリックの諸侯もいれば」
 それだけでなくというのだ。
「そこにです」
「プロテスタントの諸侯もいた」
「さらに各国もです」
 彼等もというのだ。
「加わり」
「宗教だけではなかった」
「ですが」
「それでもだったな」
「宗教戦争であったので」
 その為にというのだ。
「妥協がありませんでした」
「そうだったな」
「その為陰惨なものになりました」
「他者を認めない」
「キリスト教の教えが極端なものになり」
「十字軍でも然りだったな」
「生きるか死ぬかであり」
 今話している様にというのだ。
「国益が絡んでいても」
「陰惨な殺し合いになった」
「互いを異端とした」 
 カトリックもプロテスタントもお互いをそう断定していたのだ、そして殺し合いを演じたのである。
「そうなりますので」
「極端な教えや考えはな」
「忌むべきです」
「全くだな」
「そしてこの世界でも極端な考えはあれど」
「まだ強くはない」
 起きた世界程はというのだ。 
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