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レーヴァティン

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第二百二十六話 関を通りその八

「ここまで進むことはな」
「出来なかったであります」
「そうだった、雪も寒さもな」
 そうしたものに対してというのだ。
「まことにな、あと雪を食うな」
「兵達に言っているでありますな」
「身体が冷えるしな」
「それに生水と変わらないので」
「あたるかも知れない、それよりもな」
 英雄は峰夫に話した。
「飲むことだ」
「雪を水の様に沸かして」
「沸騰させてな」
「飲むでありますな」
「湯にしてな」
 そのうえでというのだ。
「そうすべきだ」
「沸騰させるとであります」
「消毒される」
「だからでありますな」
「これまで生水を飲まない様にさせていたが」
「雪も同じであります」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「だからな」
「湯にするでありますな」
「雪もな。兎角生水はな」
「飲まない」
「それがいい」
「そうでありますな、雪もであります」
 峰夫もその雪を見て言った、一面のそれを。
「もっと言えば氷も」
「氷室のものや術で出すそれはいいがな」
「氷室の氷もであります」
「一旦沸かしたものをな」
 そして湯にしたものをだ。
「冷やしてな」
「冬の場所に置いてでござる」
「保管したものだからな」
「大丈夫であります」
「氷にしてもそうしている」
 こう言うのだった。
「それなら雪もだ」
「そのまま食べてはならない」
「飲むべきだ」 
 湯にしてというのだ。
「そうあるべきだ」
「さもないとあたるであります」
「水を侮らないことだ」
 氷も雪もというのだ。
「ただ飲むだけでは駄目だ」
「それっちゃな、実はっちゃ」
 愛実も言って来た。
「うちもの世界に来てすぐの時にっちゃ」
「生水を飲んでか」
「体調が悪くなったっちゃ」
 こうしたことがあったというのだ。
「井戸水だったちゃが」
「生水だな、それでも」
「そうなったっちゃよ」
「井戸水でもそうだ」
 安全と思われるこの場所の水ですらというのだ、英雄は愛実に対してもいつもの口調で話をするのだった。
「やはりな」
「危ないっちゃな」
「あたる」
「だから伝染病もっちゃな」
「井戸や川の水を飲んでいるとな」
「なりやすいっちゃな」
「チフス等になることもだ」
 こうした伝染病即ち感染症にというのだ。
「あるからな」
「そのことを思い知ったっちゃ」
「だからだ」
「水道水でもないっとちゃ」
「水は一旦沸騰させて飲んだ方がいい」 
 殺菌してからというのだ。 
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