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八条学園騒動記

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第六百三十六話 泉燗その三

「別にそこまでならないから」
「ましか」
「実際お酒を普通に飲めるなら」
 それならというのだ。
「まだね」
「いいか」
「ユダヤ教はそれがないから」
「酒を飲み過ぎるとか」
「もうそれで神罰とかね」
「なるか」
「享楽が駄目なのよ」 
 そもそもというのだ。
「だからね」
「それでか」
「もうね」
「飲めるならか」
「いいわよ、夏でも熱いお酒でも」
 それを飲んでもというのだ。
「酒を飲むと神罰だとかあと作品に文句つけないでしょ」
「鏡花さんの作品って独特よ」
 また女生徒が言って来た。
「マザコンの気と妖怪幽霊がね」
「出るの」
「そう、作品にね」
 多くあるそれにというのだ。
「出ているのよ」
「妖怪ね、ちょっとね」
 アンはこう答えた。
「イスラエルだとね」
「五月蠅いか」
「ちょっとね」
 これがというのだ。
「言われそうね」
「やはりそうか」
「兎に角あれするなこれするなだから」
 そうしたお国柄だからだというのだ。
「妖怪でもね、他宗教の妖怪だと」
「難しいか」
「ダーウィンの進化論教えていないし」
 イスラエルではというのだ。
「ユダヤ教の教えを否定しているから」
「神が全ての生きものを生み出したんだな」
「それで恐竜もね」 
 この生きものもというのだ、星によっては棲息している。
「古代はないから」
「ないのか」
「神が創られた以前の時代はね」
「ジュラ紀や白亜紀はか」
「だからね」 
 そうした教えだからだというのだ。
「教えていないのよ」
「まだそんなところあったんだな」
「昔アメリカの州でそうした州あったのよね」
「昔って二十一世紀までだったな」
 ギルバートはアンに難しい顔で答えた。
「ダーウィンの進化論を教えていない州だな」
「学校でね」
「そうだったらしいな」
「それでイスラエルだとね」
「まだか」
「だからユダヤ教が絶対だから」
 それ故にというのだ。
「それに反するからね」
「進化論も教えていなくてか」
「恐竜もね」
「否定しているか」
「少なくとも地球にいたことはね」
「色々難しいな」
「別に進化論が事実でも」 
 そして恐竜の存在がというのだ。
「私はね」
「神の存在を否定することにはならないな」
「科学は神を否定するものじゃなくて」
「神を知る為のものだな」
「そうでしょ」
「イスラム教は錬金術を奨励していた」
 ギルバートはこのことから話した。 
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