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レーヴァティン

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第二百二十五話 江戸城に兵をその四

「まさにだ」
「決定的ね」
「そうだ、その差をだ」
「使っていくわね」
「有利な材料はこれ以上ないまでに使う」
 英雄の言葉は強かった。
「だからな」
「それ故に」
「それを使ってな」
「勝つわね」
「そうする、それも損害はだ」
「最小限だね」
「勝つにしてもだ」
 ただそれだけを考えていないというのだ、英雄は目先のそれだけを目指して考えたりはしないということだ。 
「今もその考えだ」
「あたし達の真の目的は海の魔神を倒すこと」
「それ故にな」
「海の魔神との決戦の時に精兵は少しでも多く必要だしね」
「使えるものもな」
「全部使ってね」
「勝つ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「損害をな」
「最小限にするわね」
「そうしていってな」 
 そしてというのだ。
「最後はな」
「海の魔神にもね」
「勝つ、まだ何もわかっていないが」
「力は持っておくことね」
「相手がわからないでもな」
 そうした状況でもというのだ。
「備えはしておいてだ」
「強さを備えておくってことだね」
「少なくとも弱いままではいない」
 英雄は腕を組んで言った、東の方に向かう空船の一団を見ながら。空船達はどんどん小さくなり見えなくなろうとしている。
「それで敵がわかった時すぐに戦えるか」
「言うまでもないぜよ」
 当季は笑って話した。
「強いならぜよ」
「そうだ、強いならだ」
「そのまま戦えるか」
「さらに強くすることもな」
「早く出来るぜよ」
「だからだ」
 それでというのだ。
「確かにな」
「強いままでいてぜよ」
「さらに強くなる」
「そうじゃのう」
「だからだ」
 今はというのだ。
「戦をしてもな」
「出来る限り避けてのう」
「しても勝ちかつな」
「最小限の犠牲のままじゃな」
「百戦百勝してもな」
 例えそうなってもというのだ。
「傷が増えてな」
「その傷で動けん様になってはのう」
「最後は負ける、だからな」
「傷付かん様にして」
「そして傷を受けてもな」
 それでもというのだ。
「出来る限り僅かで済ます」
「そうするのう」
「その様にしていく」
「それで空船も使うな」
「次の戦でもな」
 奥羽のそれでもというのだ。 
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