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レーヴァティン

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第二百二十五話 江戸城に兵をその二

「そんなことはな」
「我慢して凍傷になって戦えん様になったらな」
「愚の骨頂だ」
「ほんまにな」
「だから厚着をしてだ」
「温かいもん食わすな」
「そうしてだ」
 そのうえでというのだ。
「温かくさせて万全にな」
「戦ってくな」
「そしてだ」
 英雄はさらに話した。
「雪が邪魔ならだ」
「絶対に邪魔になるっちゃ」
 愛実が言ってきた。
「そうなるっちゃ」
「だからだ」
「雪かきっちゃな」
「それをする用意もな」
「しておくっちゃな」
「幸い西の浮島にあるシャベルやスコップをな」
「こちらにも入れてっちゃ」
 そうしてというのだ。
「そのうえでっちゃ」
「多く造らせ民にも使わせているな」
「あれを使うっちゃな」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「あれを使ってだ」
「雪かきをするっちゃな」
「あれは非常に役に立つがな」
「堀を作ったりするにも」
「雪かきにもな」
 これにもというのだ。
「使わせる」
「そうするっちゃな」
「そうだ、そしてだ」
「先に進んでいくっちゃな」
「そうする」
 雪かきをしてというのだ、英雄はこうも話した。そしてそのうえで彼に対してこう言ったのだった。
「いいな」
「わかったっちゃ」
「敵の軍勢も敵だが」
「寒さにっちゃな」
「雪もだ」 
 これもというのだ。
「敵だ、その三つの敵とだ」
「戦うっちゃな」
「奥羽での戦ではな」
「それが戦っちゃな」
「敵の軍勢だけでなく気候もだ」
「敵っちゃな」
「そうなる」
 こう言うのだった。
「時には味方にもなるがな」
「それたいな、奥羽の寒さ馬鹿にするといかんとよ」
 香織も言ってきた。
「あの寒さは奥羽の武器たい」
「まさにだな」
「寒さはそれだけで驚異たい」
「それに備えずしてな」
「奥羽では勝てても」
 それでもというのだ。
「大きな損害が出るとよ」
「それではな」
「いかんたい」
 香織は一言で述べた。
「私等の戦はまだ続くたい」
「蝦夷にな」
「そして海の魔神とその軍勢たい」
「海の魔神のことはまだわからないが」
 それでもとだ、英雄も言った。 
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