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神々は何処に

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第三章

「それがたまたまね」
「誰もおられなかったね」
「その時に急にだよ」
「倒れたね」
「そうしたら」
「そこに僕が来た」
「そう、そしてね」
 それでとだ、友人は八条にベッドの中からさらに話した。
「助かったよ、もう少し遅かったら」
「脳梗塞だからね」
「危なかったよ、ずっと徹夜であまり飲んで食べてなくて」
「水分もだね」
「摂ってなかったからね、食べても」
 それでもというのだ。
「すぐに食べられるものばかりで」
「身体にいいものでなくて」
「それでだよ」
「倒れたんだね」
「うん、けれど早く見付かったし」
 八条にそうしてもらってというのだ。
「後はね」
「リハビリをしてだね」
「何とかやっていくよ、暫くは休学するけれど」
 大学も進学する大学院もというのだ。
「後遺症もないしね」
「今は医学が進歩しているからね」
「発見が早いと」
 今回の様にというのだ。
「すぐに治るし」
「多少リハビリを受けてね」
「退院出来るね」
「よかったよ、君が家に来てくれたからだよ」
「いや、たまたまだよ」
 家に遊びに行こうと思ったからである。
「それでだからね」
「そうなんだ」
「本当にたまたまね」 
 友人に思い立ってのことであることを話した。
「そうだったからね」
「それはまた運がいいね」
「そうだね、いや」
 ここで八条ははっとした、そしてだった。
 友人とはこの後はごく普通に話をした、だが次の日教授にこのことを話した。
「どうもです」
「そのたまたま思ったことがですね」
「このことがです」
「神がですか」
「そうさせたのかも知れないです」
「そのたまたまで彼は助かったので」
「はい、こうしたことは生きていると時々ありますが」
 そのことも思い出しながら話した。
「これは」
「神が導いてくれている」
「そうではないかとです」
「そうです、その偶然はです」
「理屈では説明出来ないですね」
「世の中文明がどれだけ進歩してもです」
 そうなってもというのだ。
「それでもです」
「理屈では説明出来ないことがありますね」
「そうです、人間の力だけでは」
「どうしてもですね」
「説明がつかないです」
「そうしたことが多いですね」
「非常に」
 こう教授に答えた。
「これが」
「そうです、そのことを考えまして」
「今回の様にですね」
「偶然としてはあまりにも出来過ぎている」
「そうしたことはですね」
「やはりです」 
 教授は落ち着いた真剣な顔で八条に話した。
「神の存在なくしてです」
「説明がつかないですね」
「そうかと」
 八条にその落ち着いた真剣な声で話した。
「やはり」
「そうですね、このことでです」
「貴方もですね」
「神の存在を」
 まさにこのことをというのだ。
「確信しました、姿は見えずとも」
「それでもですね」
「神は間違いなく存在していて」
「この世を動かしていますね」
「そうです、だからこそです」
 それ故にというのだ。
「彼は助かりました」
「若し貴方がお家に行かなかったら」
「ご家族もいなかったので」
 彼が倒れたその時はというのだ。 
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